MSIの「R9 280X GAMING 6G」は、Radeon R9 280Xを搭載したハイエンドグラフィックスカードとして3月に出荷を開始した。MSI製グラフィックスカードで定番となった独自開発のファンを2連で搭載したクーラーユニット「TWIN FROZR IV」を採用して、ハイエンドユーザーから以前から評価が高かった「静かで、かつ、高効率冷却」を実現している。
それ以上に注目したいのが、「R9 280X GAMING 6G」では、グラフィックスメモリとして、GDDR5を通常は3Gバイトのところ、シングルGPU搭載モデルながら、倍の6Gバイトモデルを実装していた点だ。
これに、FPSなどを高画質高解像度で動作するハイエンドPCゲーマーが注目して、出荷開始当初の実売価格が4万1000円だったにもかかわらず、「入荷した当初からバンバン売れています」とPCパーツショップスタッフが証言したほどに人気を博していた。
グラフィックスカードを重視するユーザーの中で、MSIのLIGHTNINGの評価は以前から高い。クーラーユニットで採用するファンの「Frozr」シリーズが進化を続けていることや、高いオーバークロック耐性を持つことなどがその理由だ。
そのLIGHTINGシリーズとして、GPUにRadeon R9 290Xを搭載する「R9 290X LIGHTNING」が3月に出荷を開始した。Frozrは3連ファンの「TriFrozr」に進化し、12+3フェーズの電源回路を採用してオーバークロック耐性を高めるなど、ハイエンドグラフィックスカードを重視するユーザーの要求に応えた構成として、実売価格が9万円ながらも、一定数のRadeonフリークだけでなく、PCパーツショップスタッフからも多くの支持を受けていた。
現在、ハイエンドグラフィックスカードで最も分かりやすく差別化できるのは、各ベンダーが独自に開発するクーラーユニットとなっている。各ベンダーとも、自分たちのオリジナルクーラーユニットにブランドをつけて訴求している。
しかし、それら“レギュラー”シリーズのほかに、“超重量級”のクーラーユニットを搭載した特別なラインアップをASUSTeKは用意している。それがCOMPUTEX TAIPEI 2013で公開した液冷と空冷ハイブリッドユニット「DirectCU H2O」を搭載したグラフィックスカード「Poseidon」シリーズだ。
このPoseidonシリーズとして2014年3月に出荷を開始したのが「POSEIDON PLATINUM」だ。GPUにGeForce GTX 780を搭載して実売価格は8万円台半ば。GeForce GTX TITANと比べてGPUそのものは“普通”のハイエンドモデルだが、強力なクーラーユニットに期待して、オーバークロックを狙うハイエンドユーザーを中心として注目を集めていた。
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