AMD Radeon R7 SSDの性能評価で用いた計測環境は、Intel SSD Pro 2500やSanDisk Extreme PROとそろえている。CPUはCore i7-4790K、マザーボードがIntel Z97 ExpressチップセットのMSI Z97M GAMNING、システムSSDがOCZ Vector 150(120GBモデル)、OSが64ビット版 Windows 8.1 Updateだ。
検証用システムの構成 | |
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CPU | Core i7-4790K |
マザーボード | MSI Z97M GAMING |
メモリ | CFD Elixer W3U1600HQ-8G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 8Gバイト×2) |
システムSSD | OCZ Vector 150 VTR150-25SAT3-120G(120Gバイト、Serial ATA 6Gbps) |
OS | 64ビット版 Windows 8.1 Update |
CrystalDiskMark v3.0.3bのスコアは、比較的キレイなラインとなっている。ランダムデータと0Fillでの転送速度差もない。シーケンシャルリードは最大475.817Mバイト/秒、同ライトは488.033Mバイト/秒となった。
個別のスコアを詳しく見ていくと、シーケンシャルリード、および、512Kリードはテストサイズによって性能がわずかに上下し、シーケンシャルリードでは最大475.817Mバイト/秒、最小437.868Mバイト/秒、512Kリードでは最大386.456Mバイト/秒、最小349.859Mバイト/秒だった。
テストサイズが小さいと高速になる傾向がある。キャッシュサイズを明らかにしていないため推測するしかないが、512Mバイト程度に抑えているのではないかと思われる。なお、OCZ VectorではSSDの容量が256Gバイトモデルでキャッシュ容量が512Mバイト、512Gバイトモデルで1Gバイトだった(Vector 150は非公開)。
ポイントとなるのは、ランダム4Kの速度が150Mバイト/秒程度であることだ。ほかのSSDと比べても速い。また、4K QD=32のライトも370Mバイト/秒と高速だ。ライト速度が比較的高速なSSDというのがRadeon R7 SSDの特徴の1つに挙げられるだろう。IOPS値は4K QD=32リード時で94213.1IOPS、4K QD=32ライト時で90796.3IOPSが最大だった。公称ではリードが100K、ライトが90Kなので、およそ公称値通りの値が出たといってよい。
AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088のスコアは、シーケンシャルリードが492.17Mバイト/秒、同ライトが482.05Mバイト/秒だった。この値も公称値には及ばないが、AS SSD Benchmarkでの数値的には高速な部類だ。とくに、SanDisk Extreme PROと比べ、リード性能はわずかに劣る一方、ライト性能は大幅に高速だ。
アクセスタイムがより速い点も特徴と言える。リード・ライトともに0.035秒以下のスコアが出た。ほか、Compression Benchmarkでは、もちろん大きなバラつきがなかったことに加え、何度計測してもほぼ一定の、ほとんどスパイクのないグラフが描かれた。
ATTO Disk Benchmarkでは、Total Lengthを1Mバイトから2Gバイトまで可変させてみたが、リードに関してはバラつきがあり、ワーストケースでは100Mバイト/秒近い変動があった一方、ライトは比較的安定していた。最大転送速度は、リードがTotal Length 1Gバイト条件の512Kブロック時で558.948Mバイト/秒、ライトがTotal Length 2Gバイト条件の1Mバイト時で535.532Mバイト/秒だ。
ベンチマークテストのスコアで見る限り、Radeon R7 SSDはハイエンドSSDといえる性能を示している。とりわけライト速度が速いというのは評価が高い。リード性能のみ速くてもライト性能が悪ければ、実利用における体感速度は違ってくる。最高速SSDとはいえないまでも、体感上ではかなりバランスのいい仕上がりになっている。
AMDによると、日本での取り扱いについては現在調整中とのことだ。検討中ではなく調整中ということなので、国内流通が前提と考えたい。価格に関しては、米国での参考価格だが、120Gバイトモデルで99.99ドル、240Gバイトモデルで163.99ドル、480Gバイトモデルで298.99ドルという。
価格はハイエンド向けで、国内では240Gバイトモデルで2万円を超えるものと思われる。現在のVertex 460の240Gバイトモデルが1万9000円前後、Vector 150の240Gバイトモデルが2万2000円前後なので、この価格帯になるのではないだろうか。
AMDファンなら、AMDのCPUにRadeonのGPU、Radeonのメモリ、そしてRadeonのSSDと、とことんAMD色に染まってみるのもいい。ただ、Radeon R7 SSDは、そういうAMDファン限定ではなく、ハイエンドSSDを求めるユーザーにも購入候補として検討したい製品といえるだろう。
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