ASRock、イベントで「X99 OC FORMULA」「X99 Extreme11」を公開Haswell-EのOC Tipsも伝授(1/2 ページ)

» 2014年08月31日 17時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

過酷な競技で進化したユーティリティの実力も訴求

イベント会場で展示していたIntel X99 Expressチップセット搭載マザーボード

 マスタードシードは、8月30日に秋葉原のUDXシアターで、ASRockのIntel X99 Expressチップセット搭載マザーボードの新製品を紹介するイベントを行った。マスタードシードでは、取り扱う新製品について30日未明に発表しているが、イベント会場ではその発表に含まれていない「X99 OC FORMULA」「X99 Extreme11」を展示していたほか、Gaminngシリーズの最上位モデルの「X99 Professional」も含めて日本での販売を予定していることを明らかにした。

 「X99 OC FORMULA」は、ASRockのマザーボードラインアップでオーバークロックカーをターゲットにしたOC FORMULAシリーズの最上位モデルにあたる。拡張スロットにPCI Express x16対応を5基搭載して、グラフィックスカード4枚によるマルチGPU環境が構築可能だ。Serial ATA 6Gbpsを10基備えるほか、ASRockが独自に拡張してCPUと直結できるUltra M.2を利用できる。また、10基のUSB 3.0(バックパネル6基、フロント4基)と6基のUSB 2.0も利用できる。

「X99 OC FORMULA」

バックパネルに用意したインタフェース(写真=左)。有線LANは2系統を用意する。Serial ATA 6Gbpsは10基を利用できる(写真=右)

 オーバークロックのために用意した機能は、すでに登場しているX97 OC FORMULAと共通する。液体窒素を使う冷却で問題になる結露や水滴からマザーボードを守るために、基板に放水コーティングを施したほか、オンボードに「Rapid OC」「V-Probe」「PCI Express ON/OFF Switch」を実装した。メモリ関連ではDDR4対応のスロットを8基搭載しているが、オーバークロックではDDR4-3400まで設定可能だ。

 また、CPU系統の12フェーズとメモリ系統の4フェーズで電源回路を構成し、負荷に合わせて出力電圧を可変にして電力を安定して供給する「Digi Power」にノイズを低減する「Multiple Filter Cap」、マルチポイントに対応した温度センサー「OC Formula Monitor Kit」も用意する。

オンボードに用意したオーバークロック関連の各種ボタン(写真=左)。コンデンサにはニチコン製で長時間耐久をうたう“12K Platium”クラスを採用している(写真=右)

 イベントでは、X99 OC FORMULAと“Haswell-E”世代の「Core i7-5960X」のシステムを使って“液体窒素”冷却によるオーバークロックの実演を行い、その中で、“Haswell-E”世代のCPUにおけるオーバークロックテクニックを紹介した。

イベントでは、X99 OC FORMULAとCore i7-5960Xの組み合わせでオーバークロックの実演を行った

 多くのオーバークロッカーは“Haswell”世代のCPUは“Ivy Bridge-E”世代と比べて扱いにくいと評価しているが、そのHaswellと比べて“Haswell-E”はまだオーバークロックチューニングが行いやすいという。また、DDR4メモリ自体は、DDR3メモリと比べてクロックが上がりにくいが、Haswell-Eに統合しているメモリコントローラは従来のモデルから改善が進んでいるため、オークロック設定でも効果があると説明している。さらに、一定の温度まで下げると起動しなくなる“コールドバグ”についても、“Hasewll-E”世代ではやや高めの温度で限界が来るという経験で得たTipsを来場者に提供していた。

 イベントで行ったオーバークロックでは、ASRockのオーバークロックユーティリティを使って実際の設定作業をスクリーンで紹介した。ASRockでは、これらのユーティリティの開発に当たって、トップレベルのオーバークロッカーが世界規模の大会で得た“戦訓”を取り入れている。

 そのおかげで、ユーティリティの画面デザインは、CPUやメモリのステータスがすぐに把握できるようにデータ表示やリストレイアウトが見やすくなっているほか、CPU、そして、CAS設定など多くの項目が関連するため複雑で難しいメモリクロックの設定では、ターゲットとするクロックを入力すると、最適な各項目設定を自動で行ってくれる機能を導入したことなど、オーバークロック設定が使いやすくなっていることをアピールした。

オーバークロック競技で求められる「短時間でできる設定作業」を重視した改善は、その結果として使いやすいユーティリティをエンドユーザーに提供する

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