「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」に隠された本当の変化林信行が読み解く(5/5 ページ)

» 2014年09月17日 10時01分 公開
[文:林信行、撮影協力:高野晃輔、fashionsnap.com、チバヒデトシ,ITmedia]
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iOS 8の新機能や動画撮影の大幅強化が新たなトレンドを生み出す

 ここまで紹介したのはiPhone 6シリーズのハードウェアとしての特徴だけ。それもiPhone 6で最も重要なカメラ機能についても、あまり充分な検証ができておらず紹介できていない。f2.2の明るいレンズを採用したカメラの写りの美しさはサンプルやほかの方の記事を参考にしてもらえればと思う。

iPhone 6/6 Plusのカメラは、単にフォーカスが速くなっただけではない。カメラのフォーカスが当たっているところの横に太陽のようなマークが現れるが、これを上下にフリックして露出(画像を明るめに撮るか、暗めに撮るか)を調整できるのだ。うれしいのはこの機能のおかげで月の輪郭くらいまではとれるようになったこと(望遠が足りないためクレーターまでは写せないが、これまでは全体が明るくなってしまい半月でも満月のように写っていた)

 カメラに関してもうひとこと言うとiPhone 6もiOS 8でも、重点的に機能を強化しているのは動画の機能だ。動画撮影中、顔認識をしてフォーカスを合わせ続ける機能も向上していれば、iPhone 5sの倍となる240fpsで撮影できる超スローモーション撮影機能、さらには日の出や日没、人がうごめく様子などを早回し動画として記録するタイムラプス撮影機能も、iOS 8の機能として加わっている(この機能は旧来のiPhoneにも対応しそうだ)。

iPhone 5sとiPhone 6でスローモーション撮影の性能を比較してみた。さらに2倍もスローになると、また別の世界が見え始める

 iOS 8の機能は極めて簡単で、撮影モードを「タイムラプス」に切り替えた後は録画ボタンを押すだけ。後は撮影時間の長さなどから考えて、iPhone側が適当にいい感じで動くタイムラプス動画に変換してくれる。

iPhone 6で撮影したタイムラプス撮影のサンプル

 再生速度などを変えるにはiMovieに取り込むなどの操作が必要だが、大事なのは1ボタンで新しいテイストの動画を撮れるようにし、より大勢の人がこの新しい表現に挑戦できること。縦長動画の撮影しかり、アップルはいつもこうやって新しいトレンドを広めてきた。 これからは時の流れを自由に操りつつ、新しい動画表現に挑むiPhoneユーザーが世界中で増えそうだ。

 動画関連の機能でいうと、アップルの公式ホームページで書かれていない機能向上もある。これまでiPhoneでは撮影した写真にGPSの位置情報を記録して、地図から目当ての写真を探すことが可能だった。そしてiOS 8では、移動しながら動画を撮影した場合、この緯度経度の情報が撮影者の動きにあわせてきちんと変化する。

 今のところこの機能を使ったアプリはないが、今後、面白いストーリーテリングのアプリなどが登場しそうだ。このようにiPhone 6本体の魅力に加えて、iOS 8にもかぞえきれないほどの魅力がある。

 それらをすべて紹介しようとすると、かなり長大なレビュー記事になってしまうので、それは後日、別の記事ですることにして、ここでは冒頭の言葉を繰り返してまとめとさせてもらおう。

 モデルチェンジを評価するのには1つの基準がある。新製品を使って「元の製品には戻りたくない」と感じるなら、それはおそらく正しい進化だ。

 アップルはその点において、これまで期待を裏切ったことがない。

 明後日、ついに発売となるiPhone 6やiPhone 6 Plusを購入する大勢の人も、この点においては異論がないことだと思う。

モデル協力:茂木ミユキ(歌手・ヴォーカリスト)

100万人に1人しかいない1/fゆらぎの周波数を持つ、奇跡のヴォーカリスト。日本人として初めてペットショップボーイズの楽曲提供を受けた。


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