Q 高画素の写真や動画を編集するのにフルHDやWUXGAでは物足りない。WQHDやウルトラワイド(シネスコ)でいいのか? それとも、今から4Kを選ぶべきか?
A 4Kの普及は意外と早いかもしれない。放送方面では米国、韓国などで大きな動きがあり、国内でも4K/8K放送のロードマップを前倒しに調整している。PCにおいてもHiDPIの環境が整備され、製品も一気に出回り始めた。また、ゲームメーカーが新作ゲームの4K対応をうたうなど(要求スペックは恐ろしく高いが……)の対応も見せている。今後はさらに4Kディスプレイの需要が増し、メーカーの動きも加速するだろう。
さて、4Kが主流になるまでの「つなぎ」として、ワンランク下のWQHD(2560×1440ピクセル)や、汎用性を振り切って横長のウルトラワイド(アスペクト比21:9/2560×1080ピクセルなど)を選ぶのも悪くはない。これらは画素密度が4Kディスプレイほど細かくないので、スケーリングの拡大表示が不要で、作業スペースを広く確保しやすいだろう。現時点ではコスト的にも有利だ。
しかし、現時点で4Kを表示できるPC環境があり、今後長年に渡って使用する高品位なディスプレイを選びたいならば、FlexScan EV3237の導入をためらう理由はない。逆に、4K未満のディスプレイは陳腐化が早い可能性もあるため、中長期の運用を考慮すると、4Kのほうが長持ちして、結果的に導入コストの高さも吸収できるだろう。
Q 超高解像度ディスプレイ搭載のモバイルPCを入手したが、結局スケーリング表示で150〜200%拡大にしないと実用に耐えない。4Kディスプレイも結局同じことなのか?
A 前述の通り、HiDPIが実用レベルとなった昨今では、高精細な液晶ディスプレイを搭載したモバイルPCも増えてきた。これらの製品はスケーリングによる拡大表示を前提にした「高精細表示」をウリとするもので、表示密度は固定が前提だった従来のように、「高解像度」=「広い作業スペース」を実現しているわけではない。
視認性や判読性は画素ピッチに大きく影響されるが、モバイルPCは使用者との距離が外付けディスプレイよりも近くなるため、画素密度が高くなっており(2560×1440ピクセルの13.3型液晶で約220ppi)、それだけに画素ピッチは狭い(約0.12ミリ)。スケーリングなしで100%の等倍表示をしてしまうと、文字やアイコンの表示が細かすぎてしまう。
一方のFlexScan EV3237も高精細を特徴にしている以上、画素ピッチは詰まっている。例えば、現在主流の23型フルHDディスプレイ並みの画素ピッチ(約0.27ミリ)を維持したまま4K解像度を実現するには、2倍の画面サイズである46型が必要だ。これを31.5型に詰め込んでいるのだから、画素ピッチはそれだけ狭くなる。
とはいえ、そこは31.5型の大画面ということもあり、23.8型や28型の4Kディスプレイほど極端な細かさではない。画素ピッチは約0.18ミリで、設置場所と視聴距離を調整すればスケーリングなしでも運用可能なレベルだ。ただし、31.5型の大画面を間近で使用すると、目や首への負担が大きくなるため、やはりスケーリングは利用するのが賢明だろう。
もともと画素ピッチが細かすぎないので、さほど拡大する必要はなく、WindowsのDPI設定では「中-125%」辺りからは割と無理なく利用できるので、精細表示と広い作業スペースの両立が可能だ。標準的な23型フルHDディスプレイ(約96ppi)に近づけたい場合、「大-150%」に設定すれば、ほぼ同じ文字サイズで表示が可能だ。
液晶ディスプレイの主な画面サイズ、解像度、アスペクト比、画素密度、画素ピッチの関係 | ||||
---|---|---|---|---|
外付けディスプレイ | ||||
画面サイズ | 解像度 | アスペクト比 | 画素密度 | 画素ピッチ |
31.5型ワイド | 3840×2160ピクセル | 16:9 | 約140ppi | 約0.18ミリ |
28型ワイド | 3840×2160ピクセル | 16:9 | 約157ppi | 約0.16ミリ |
23.8型ワイド | 3840×2160ピクセル | 16:9 | 約185ppi | 約0.14ミリ |
29型ワイド | 2560×1080ピクセル | 21:9 | 約96ppi | 約0.27ミリ |
27型ワイド | 2560×1440ピクセル | 16:9 | 約109ppi | 約0.23ミリ |
24.1型ワイド | 1920×1200ピクセル | 16:10 | 約94ppi | 約0.27ミリ |
27型ワイド | 1920×1080ピクセル | 16:9 | 約82ppi | 約0.31ミリ |
24型ワイド | 1920×1080ピクセル | 16:9 | 約91ppi | 約0.28ミリ |
23型ワイド | 1920×1080ピクセル | 16:9 | 約96ppi | 約0.27ミリ |
21.5型ワイド | 1920×1080ピクセル | 16:9 | 約102ppi | 約0.25ミリ |
ノートPC内蔵の高精細ディスプレイ | ||||
画面サイズ | 解像度 | アスペクト比 | 画素密度 | 画素ピッチ |
15.4型ワイド | 2880×1880ピクセル | 16:10 | 約223ppi | 約0.12ミリ |
14型ワイド | 3200×1800ピクセル | 16:9 | 約256ppi | 約0.1ミリ |
13.3型ワイド | 2560×1600ピクセル | 16:10 | 約227ppi | 約0.11ミリ |
13.3型ワイド | 2560×1440ピクセル | 16:9 | 約221ppi | 約0.12ミリ |
12型ワイド | 2160×1440ピクセル | 3:2 | 約216ppi | 約0.12ミリ |
13.3型ワイド | 1920×1080ピクセル | 16:9 | 約227ppi | 約0.11ミリ |
11.6型ワイド | 1920×1080ピクセル | 16:9 | 約190ppi | 約0.13ミリ |
※視聴距離にもよるが、画素ピッチが約0.2ミリより狭いと、等倍表示での常用は厳しくなってくるため、スケーリングの設定による拡大表示が求められる |
Q あまり大画面で高精細なディスプレイは、目や肩に負担がかかりやすいのではないか?
A PC作業に伴う目や首、肩への負担を軽減するには、多方面に渡って気を配る必要がある。ディスプレイ側に最低限求められるのは、液晶パネル表面が反射を抑えた非光沢(ノングレア)であること、輝度、高さ、角度といった調整が可能なことだろう。
一般的に大画面で高精細なディスプレイ環境は、目や肩に負担がかかりやすいが、FlexScan EV3237は負担軽減のための機能を多数そろえている。スタンドはEIZOではおなじみの可動域の広いFlexStandを採用しており、チルト、スイベル、昇降の調整が可能だ。調整範囲が広く、しかも動作がスムーズなため、どんな使用環境でも最適な方向に向けられる。
輝度の調整機能についても同様だ。非常に暗い表示から広い範囲で輝度調整が行えるため、環境の明るさにしっかりと合わせられる。しかし、最も有用なのは「Auto EcoView」機能だ。内蔵の照度センサーで周囲の明るさを検知し、自動で最適な輝度に調整してくれるため、明るさが変化するような環境でもユーザーが手を煩わすことなく対応できる。
さらにブルーライトを大幅にカットできる「Paperモード」、LEDバックライトに起因するちらつき(フリッカー)を抑制する「EyeCare調光機能」などの機能も搭載しており、ユーザーが意識せずに負担を軽減できるのは大きなメリットだ。
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提供:EIZO株式会社
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