「dynabook Tab S50/36M」徹底検証――専用キーボードで“はかどる”10.1型WindowsタブレットやはりWindowsはキーボード操作が便利(3/4 ページ)

» 2014年10月28日 18時00分 公開
[フォレスト・ヒーロー,ITmedia]

Bay Trail-T最速クラスではないが、十分な基本性能

 ここからは各種ベンチマークテストでS50/36Mの実力を見ていこう。基本スペックをおさらいすると、Atom Z3735F(1.33GHz/最大1.83GHz/キャッシュ2Mバイト)、2Gバイトメモリ(DDR3L-1333 DRAM)、64Gバイトストレージ、32ビット版のWindows 8.1 with Bingを搭載する。

 今回は参考までに、Atom(開発コード名:Bay Trail-T)ベースのWindowsタブレットとして、Atom Z3740(1.33GHz/最大1.86GHz)搭載の旧8型モデルであるdynabook Tab VT484/23Kとテスト結果を比較した。

Windowsエクスペリエンスインデックス(WIN SCORE SHARE)のスコア

 まずはPCとしての基本性能をチェックするため、Windows 8.1では標準機能から省かれているWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアを「WIN SCORE SHARE」(コードリウム)で計測してみた。結果はプロセッサが5.9、メモリが5.5、グラフィックスが4.1、ゲーム用グラフィックスが4.1、プライマリディスクが7.1と、エントリーのAtom Z3735F搭載機としては良好なパフォーマンスだ。

 VT484/23Kとの比較では、Atom Z3740を搭載しているぶん、プロセッサで6.3と0.4リードされるが、プライマリディスクではS50/36Mが0.1だけ勝り、総合評価の4.1は同じだ。eMMCをサムスン製「MCG8GC」から東芝製「064GE2」に変更したことが、プライマリディスクのスコアに影響したようだ。

 CPU性能をチェックするCINEBENCHもWIN SCORE SHAREと似た傾向で、この2機種間で気になるほどの体感差はなかった。

 ストレージ性能を評価するCrystalDiskMarkの結果も同じ傾向が出た。ストレージはeMMC(embedded MultiMediaCard)を採用しているため、PC用のSerial ATA SSDほど高速ではないが、ランダムアクセスの性能は標準的なPC用HDDを超えている。

CINEBENCH 11.529のスコア(グラフ=左)。CrystalDiskMark 3.03のスコア(グラフ=右)
PCMark 7 1.4.0のスコア

 PCの総合的な性能を計測するPCMark 7のテスト結果では、総合スコアが2320とBay Trail-T世代では高いスコアが出た。比較したVT484/23Kは、総合スコアが2160と若干差が出ており、詳細を確認すると、各種ストレージ系のスコアがS50/36Mのほうが優れていた。

 3Dグラフィックス性能を調べる3DMarkでは、Direct X9相当テストのIce Storm、Direct X10相当テストのCloud Gateともに振るわず、CPU内蔵グラフィックス(Intel HD Graphics)から予想される通りの結果だ。FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(FF14ベンチ)のスコアを見ても、最近の3Dゲームを満足にプレイできるほど描画性能は高くない。

 ちなみに、Flashゲームの「艦隊これくしょん〜艦これ〜」も試したところ、描画負荷が高いシーンでは処理が少し重たいものの、Bay Trail-Tの競合機種と同様、十分にプレイできるレベルだった。

3DMark 1.2.250のスコア(グラフ=左)。FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコア(グラフ=右)

バッテリーの実駆動時間、ボディの発熱もチェック

 Webブラウズとテキスト入力を想定したバッテリー駆動時間テスト(BBench 1.01)を実行したところ、輝度40%の状態において、満充電から残り5%で休止状態に移行するまで4時間32分動作した。測定条件が異なる公称値の約7時間と比べると、やや短い結果だ。ここは10.1型Windowsタブレットとしてはかなり軽量なボディとのトレードオフとなる。

 参考までに、CPUID HWMonitorでバッテリー容量を確認したところ、Designed Capacityが25840ミリワットアワー、Full Charge Capacityが22329ミリワットアワーだった。次期モデルでは、もう少しバッテリー駆動時間が延びることにも期待したい。

 ほかのBay Trail-T搭載タブレットと同様、S50/36Mはファンレス設計なので、動作時の騒音は発生しない。ボディの発熱については、高負荷時に背面の右中央部が温まりやすく、左手で横に持っているとじんわり熱を感じる。

 室温24.5度の環境で放射温度計(シンワ製)を使って、FF14ベンチを2回連続して回した後に簡易測定したところ、38.8度(背面右中央部)が最高で、ほか26.4度(背面左下部)、25.3度(背面左上部)、25.9度(背面右上部)と、発熱する部分は特定されるので、持ち方を工夫すればよいだろう。

 CPUID HWMonitorで内蔵パーツの温度もチェックした。最高温度はメインボード部分で54度、CPUで77度、最低温度はメインボード部分で35度、CPUで41度と、極端な高温にはなっていない。

室温24.5度の環境下で、FF14ベンチを2回実行した後の表面温度。背面の中央部が最高温度の38.8度だった(写真=左)。背面の左下部は26.4度だ(写真=右)
背面の左上部は25.3度(写真=左)、右上部は25.9度(写真=右)だった
CPUID HWMonitorで見た各パーツの温度

ベンチマークテストの概要

  • パフォーマンステスト
    • WIN SCORE SHARE(コードリウム)(PC総合評価)
    • CINEBENCH R11.5(CPU性能評価)
    • Crystal Disk Mark 3.0.3(ストレージ性能評価)
    • PCMark 7 1.4.0(PC総合評価)
    • 3DMark 1.2.250(3D性能評価)
    • FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(3D性能評価)

※Windows 8.1の電源プランは「バランス」で測定

  • バッテリー駆動時間テスト
    • BBench 1.01

※電源プラン「バランス」+輝度40%もしくは100%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%になるまでの時間を計測

  • 発熱テスト
    • 放射温度計(シンワ製、レーザーポイント機能付)でボディ表面温度を実測(室温24.5度)


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