NVIDIAの最強ゲーミングタブレット「SHIELDタブレット」徹底レビュー日本上陸(2/4 ページ)

» 2014年11月05日 20時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

エンターテインメントを満喫できる高精細液晶とバスレフサウンド

 基本性能の高さも特徴だ。システムの中核となるSoCには、NVIDIA最新のTegra K1を採用している。4基のARM Cortex A15コアと省電力のコンパニオンコアで構成する4+1コアのCPUコアに、PCのGPUと同じ「Kepler」ベースのコアを192基統合している。NVIDIAによれば、Playstation 3やXbox3を上回るグラフィックス性能を備えているという。性能面については後ほどチェックしたい。

 メモリは2Gバイト、ストレージは16GバイトのeMMCとなっている。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 4.0 LE、GPS/GLONASSにも対応している。本体にはUSB2.0(micro-B)、MiniHDMI出力、ヘッドフォン/マイク兼用端子、microSDカードスロット(SDXC対応)を装備する。カメラは前面背面ともに500万画素を搭載している。

DirectStylus 2と呼ばれるスタイラスペンを付属する。静電容量式ながら、GPUを利用した演算処理により、電磁誘導式デジタイザ並の使用感を実現している

 8型液晶デイスプレイの表示解像度は1920×1200ピクセル、画素密度は約283ppiだ。液晶の配向方式にはIPSを採用しているため視野角は広く、斜めからでもクッキリと鮮やかな表示だ。輝度も非常に明るい。表面は光沢仕上げで、照明などは映りこみやすいが、高精細かつ、明るく鮮やかな画面でコンテンツが楽しめる。

 また、スピーカーユニットの背後に発生する音を利用して低音を増幅するバスレフ方式のステレオスピーカーをフロントに搭載している。低音の迫力は8型タブレットとしては間違いなく最高クラスだ。ゲームはもちろん、映画コンテンツや音楽コンテンツなど、エンターテインメントコンテンツ全般を実に快適に楽しめる。

 また、「DirectStylus 2」と呼ばれるスタイラスペンが付属していることも見逃せない。これは、GPUの演算能力を利用して指でのタッチとペンによる描画を区別し、静電容量式でありながら電磁誘導式のデジタイザペンのような細かい描画を可能としている。書き味も適度な抵抗感があって滑らかで、追従性も悪くない。電磁誘導式のデジタイザだと言われても信じてしまいそうなくらいよくできている。最近では手書きの感覚を高度に再現した電磁誘導式のデジタイザを搭載した2in1やタブレットがあるため、それらと比べてしまうとやはり見劣るのだが、ちょっとしたメモ程度には十分使える印象だ。

OSにはAndroid 4.4を導入している。ホーム画面は3画面のうち、1画面のみ利用されており、GoogleのアプリとNVIDIAのアプリはフォルダにまとめて置かれている

標準のアプリ一覧。NVIDIAオリジナルのアプリを含め、実用的なアプリに絞ってプリインストールされている

SoCにはTegra K1を搭載している。PC用GPUでおなじみの「Kepler」ベースの高性能GPUコアを192基統合している。また、CPUコア部は、ARM Cortex-A15ベースのコアを4基、省電力のコンパニオンコアを1基統合している(画面=左)。設定画面。コントローラーやDirectStylus、電源管理関連など、オリジナルの項目が追加されている(画面=中央)。電源コントロールの設定では、プロセッサの動作モードや、バックライトの明るさに応じてピクセルカラーをインテリジェントに変更する「Tegra PRISMダイナミックバックライト」の設定などが行なえる(画面=左)

標準ではスタイラスをボディから引き抜くとペン用アプリをまとめたランチャーが起動する設定になっている(画面=左)。DirectStylusの設定画面。ペンを引き抜いた時の動作の指定、ペンの使用中(利用後〜秒まで)にタッチを検出しないような設定などが行なえる(画面=右)

ペイントアプリの「NVIDIA Dabbler」では水彩画の絵の具のにじみや流れなどを物理演算で再現する。加速度センサーと連動し、タブレットを傾けた方向に絵の具が流れていく表現もできる(画面=左)。手書きの感触は、アプリによって差がある。プリインストールのアプリでは「Write」というアプリがもっとも使いやすかった(画面=右)

「DirectStylus 2」と呼ばれるスタイラスペンを付属。Webサイトをクリップしてメモを書くときに重宝する

Androidリモコンとしても使える専用ゲームコントローラ、スタンド機能付きカバー

 SHIELDタブレットの大きな特徴の1つが、専用のゲームコントローラ「SHIELDワイヤレスコントローラ」が用意されていることだ。

SHIELDワイヤレスコントローラは家庭用ゲーム機のコントローラのような外観。Androidのホームボタンやクリック機能付きタッチパッド(下部のシルバー部分)を備えており、Android OSや他のアプリの操作も快適に行なえる

 SHIELDワイヤレスコントローラは、十字ボタンとボタンとトリガーボタンが4つずつ、2本のアナログスティックと家庭用のゲーム機のコントローラで使われるひと通りの操作系に加えて、ボリューム調整ボタン、Androidのホームボタンやタッチパッド、さらにヘッドセット接続用端子も備える。家庭用ゲーム機に劣らない、本格的なゲームプレイが楽しめるほか、Android OSや他のアプリの操作も快適に行なえる。

 接続方式に無線LAN(WiFi Direct)を利用しているのも特徴で、他で採用例の多いBluetooth方式に比べて遅延時間が短く、レスポンスに優れているという。Bluetoothよりよいかどうかはともかく、実際にゲームをプレイしてみても、遅延が気になるような場面は皆無であった。

 純正オプションとしては、専用のスタンド機能付きカバー「SHIELDタブレットカバー」も用意されている。こちらは、いわゆる「フロフタ」タイプの画面カバーで、折りたむとスタンドとして利用できる。本体とはマグネットだけでなくガイドでしっかりと装着できる。

 フタの先端と本体裏面のSHIELDロゴのライン、または左側面バスレフポートがあるあたりのラインにマグネットがあり、約125度と約130度、2種類の画面角度で安定して利用できる。また、本体の角度を変えれば、約160度のゆるやかな角度でも利用可能だ。

専用コントローラのため接続は非常に簡単。最大4台まで接続可能で、マルチユーザーでのプレイにも対応できる(画面=左)。SHIELDコントローラーの設定画面。標準でAndroid OSの操作が違和感なくできるようになっている(画面=右)

オプションで用意されている「SHIELDタブレットカバー」は、ガイドとマグネットできっちりと本体に装着できる(写真=左)。カバーはいわゆる「フロフタ」タイプで折りたたんでスタンドとして利用可能だ。フタの先端と本体裏面のSHIELDロゴのライン、および左側面バスレフポートがあるあたりのラインにマグネットがあり、角度は実測で約125度、約130度、約160度の3種類の角度で安定させることができる(写真=右)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー