「Xperia Z3 Tablet Compact」徹底検証(前編)――8型タブレット最軽量ボディと高画質ディスプレイの実力は?本日発売!(4/4 ページ)

» 2014年11月07日 15時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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8型タブレットとは思えないパワフルサウンド、ハイレゾ対応も

 サウンドの品質も良好だ。(縦位置での)上下にフロントスピーカーを内蔵。スピーカーに合わせて音響特性を最適化する「Clear Phase」に対応し、8型タブレットとは思えないほどパワフルなサウンドを再生できる。また、ソニー推奨設定の音質で再生できる「Clear Audio+モード」も選べるため、ヘッドフォンでも手軽に良い音が楽しめる。

 ヘッドフォン端子は「デジタルノイズキャンセリング(DNC)」機能も備えており、対応ヘッドフォン/ヘッドセット(MDR-NC31EM、MDR-NC33、MDR-NC31、MDR-NWNC33、MDR-NWN33S使用時のみ有効)を使うことで、最大約98%の外部ノイズをカットすることが可能だ。その効果は高く、外出先でも周囲の騒音を気にせず、音楽や映像にのめり込める。

 そして新たにハイレゾ音源のヘッドフォン出力にも対応した。対応するスピーカーやヘッドフォンを接続することで、CD品質(44.1kHz/16ビット)を超える高ビットレートの音源を再生できるほか、MP3などの圧縮音源をハイレゾ相当の音質(最大96kHz/24ビット相当)にアップスケールして再生できるソニー独自の「DSEE HX」技術も搭載した。ハイレゾ音源を持っていなくても、手持ちの音源を高音質化して楽しめるのはありがたい。

縦位置の状態で上端と下端にスピーカーを内蔵。横位置で映像コンテンツなどを楽しむ際、ステレオスピーカーとして機能する。よく見ると、スピーカーの開口部には細いスリットがある
簡単にソニーが推奨する高音質に設定できる「Clear Audio+」モードや独自のサウンドエフェクト、コンテンツの音量レベルを均一化する「ダイナミックノーマライザー」が用意されている(画面=左)。デジタルノイズキャンセリング機能も備えており、対応ヘッドフォン/ヘッドセットを使うことで、周囲の音を最大で約98%カットできる(画面=右)

デジカメメーカーのソニーらしい多彩な撮影機能

 内蔵カメラの構成はXperia Z2 Tabletと同じだ。液晶ディスプレイ右上のインカメラとして220万画素の裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R for mobile」を、背面のメインカメラとして810万画素の裏面照射積層型CMOSセンサー「Exmor RS for mobile」を採用している。3264×2448ピクセル(4:3)の静止画撮影、1秒間に10コマの連写、1080p/30fpsのフルHD動画撮影が可能だ。

メインカメラは810万画素の「Exmor RS for mobile」(写真=左)、インカメラは220万画素の「Exmor R for mobile」(写真=右)を採用する

 スマートフォンの「Xperia Z3」と異なり、Gレンズや4K動画撮影には対応しないが、小型タブレットのカメラとしては満足できる性能と画質と言える。参考までに撮影サンプルを掲載したが、実際の製品ではよりチューニングが進んでいる可能性もある。

 さらに、夜景や逆光などの撮影シーンに合わせて、カメラが自動で設定を調整してくれる「プレミアムおまかせオート」をはじめ、セピア調や絵画風などに補正する18種類の「クリエイティブエフェクト」、簡単にパノラマ写真が作れる「スイングパノラマ」、3Dオブジェクトとペン・ツールブラシの描画を写真に合成できる「ARファン」、周囲の音を写真とともに録音する「サウンドフォト」、もう1台の対応Xperiaシリーズと接続してマルチビューの撮影が行える「マルチカメラ」など、多彩な撮影が楽しめるのもよい。

カメラが自動で設定を調整してくれる「プレミアムおまかせオート」のほか、さまざまな特殊効果を使った楽しい撮影が楽しめる
クリエイティブエフェクトでは、明るさ、色合い、モザイク、魚眼レンズ、ミニチュアなど18種類の補正効果を適用した撮影ができる
マニュアル撮影モードではシーンセレクト、ホワイトバランス、露出補正、ISO感度、測光方式などの設定も利用できる
6MP(3260×1836ピクセル/16:9)の撮影サンプル
スイングパノラマ(4912×1080ピクセル)の撮影サンプル

SoCはSnapdragon 801を搭載、128GバイトmicroSDXCに対応

 OSはAndroid 4.4(KitKat)を採用。ハードウェアの基本スペックは、Xperia Z2 Tabletをほぼ継承している。SoC(System On Chip)はQualcommのSnapdragon 801を搭載し、Xperia Z2 Tabletは動作周波数が2.3GHzだったのに対し、2.5GHzと少し高くなった。メモリは3Gバイト、ストレージは16Gバイトと32Gバイトのモデルが用意されている。128GバイトのmicroSDXCに対応したmicroSDメモリーカードスロットを装備しているので、必要に応じて増量することも可能だ。

 外部接続端子は、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用端子のほか、Micro USB(USB 2.0)兼MHL(MHL 3.0)ポートを備える。ここから4K解像度(2160p/30Hz)での映像出力、7.1chサラウンド音声出力などが可能だ。充電もこの端子を使って行なう。

 また、Xperia Z2 Tabletと同様に充電端子を装備しており、充電機能付きのクレードル「DK40」やBluetoothスピーカー付クレードル「BSC10」など、Xperia Z2 Tabletと共通の純正アクセサリが使える。

 通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/acの高速無線LAN(MIMO対応)、Bluetooth 4.0、NFC、GPSを内蔵。加速度、ジャイロ、電子コンパス、照度といったセンサー類ももれなく内蔵している。

縦位置の状態での上面。インタフェース類は何もない
下面は左側のカバーを外すと、MHL/Micro USBポートがある
左側面には純正アクセサリと接続する充電端子を装備。その隣にあるカバー内には、microSDメモリーカードスロットを備えている
右側面にヘッドフォン/マイク兼用端子、電源ボタン、音量調整ボタンを搭載する。NFCポートは背面に配置している
microSDメモリーカードスロット(写真=左)とMHL/Micro USBポート(写真=右)は防水防塵のためにカバー内に収められているが、そのカバーもほとんど境目が分からないほど精巧に作られている。

 以上、Xperia Z3 Tablet Compactの特徴を一通りチェックした。クラス最軽量でスリムなボディ、高画質が際立つ液晶ディスプレイ、多彩な撮影機能など、Xperiaシリーズが大事にしてきた差異化ポイントは、この8型モデルでも輝きを放っている。レビュー後編では、ソニー独自アプリ、パフォーマンス、バッテリー駆動時間、ボディの発熱など、評価機のテスト結果を中心にお届けしよう。

 ・→次回記事:「Xperia Z3 Tablet Compact」徹底検証(後編)――世界最軽量の8型タブレットは機能も性能も隙なしか?

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