WiMAX 2+は15年春より220Mbpsに LTE無制限プランがU-mobileからも登場ルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」(2/2 ページ)

» 2014年11月10日 23時00分 公開
[島田純ITmedia]
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U-mobileが“速度制限なし”のLTE使い放題プランを月額2678円で提供、mineoはiOS 8で利用不可

 U-mobileはLTEの「容量無制限プラン」を11月1日より提供開始。U-mobileの提供するLTE使い放題プランの最大の特長は、通信速度制限がなく、下り最大150Mbps/上り最大50Mbpsの高速データ通信が利用可能となり、驚きの低価格でLTEのデータ通信を使い放題で提供している。

 同価格帯のサービスとしては、ぷららモバイルの「定額無制限プラン」が、上下最大3Mbpsの速度で提供されており、9月1日のサービス提供開始から2カ月が経過した今でも、申込からSIMカードの配送まで数週間を要するなど人気を得ている。

 U-mobileは「通信速度制限なし」という点で魅力的であることは間違いないが、MVNOのビジネスモデルを考えると、低価格で容量無制限かつ、高速な実効速度が出るサービスを提供するのはどうしても無理があり、U-mobileの「通信速度制限なし」で実現可能な通信速度は、場合によってはぷららモバイルの3Mbps制限よりも厳しい実効速度となる可能性もあるので、同サービスの実効速度に過度に期待するのは禁物だろう。

 楽天モバイルの新規参入や、U-mobileの無制限プランの開始など、新しいサービスが次々に立ち上がる中、少々暗い話題となったのがKDDI系のMVNOサービスである「mineo(マイネオ)」がAppleの最新OSであるiOS 8へのサービス提供を断念した点だ。

photo 「mieno」、iOS 8.1でもサービスが利用不可であることを告知

 mineoでは、日本時間の9月18日にiOS 8が公開されれると、iOS 8では通信を利用できない可能性がある。としてユーザー向けのお知らせを直ちに掲載した。

 また、その後10月21日にリリースされたiOS 8.1でも、同様にmineoサービスが一切利用できないことが明らかになると、ケイ・オプティコム側としては対応することが難しいことを発表。

 引き続きiOS 8以降でmineoサービスが利用できるように努力する。としているものの、具体的な対応予定や、対応予定日などは一切不明となっている。

 OSをアップデートするとサービスが一切利用できなくなってしまうのは、ユーザからすると予期するのが難しいように思えるが、mineoはサービスの最低利用期間として12カ月を設定、最低利用期間中の解約は10,260円(税込)の違約金を支払う必要があり、iOS 8で通信が利用できないことを理由にした解約についても通常通り違約金を支払う必要があるとしている。

 AppleのiPhoneやiPadをMVNOで利用する場合、周波数的には利用できるはずのLTE通信が利用できなかったり、テザリングが利用できなくなるなど、機能の一部が利用できなくなることは従来にも発生していたが、OSをアップデートすると一切サービスが利用できなくなる例は、mineoが初めてであり、動作保証がされていない端末と回線を組み合わせて利用する難しさを実感させる問題と言える。

総務省、2015年5月以降の機種からSIMロック解除を義務化するガイドラインを発表

 総務省は10月31日、「SIMロック解除に関するガイドライン」の改正案を発表。同ガイドラインに対する意見募集の受付を開始した。

 2010年に定められた同ガイドラインは「事業者の主体的な取り組みによってSIMロック解除が実施されることを期待する」とされ、2010年の時点ではSIMロック解除については義務化されなかった結果、SIMロック解除に対応する機種は、ドコモの販売する機種のほか、ソフトバンクモバイルおよび旧イー・アクセスの販売する端末の一部にとどまり、SIMロック解除した端末を利用して他のキャリアに乗り換えて使う。という動きはほとんど活性化しなかった。

 今回発表されたガイドラインの改正案は、2015年5月1日以降発売される機種については、原則として無料でSIMロック解除に応じることを義務化する内容となっている。このため、国内の通信事業者から販売される機種についてもSIMロック解除が可能となり、ユーザが購入した端末に好きな会社のSIMカードを入れて利用することが可能となる。

 ただし、SIMロックを解除した機種を他キャリアで利用する際に、他キャリアのSIMカードで動作する保証は無いため、利用する機種と通信サービスの組み合わせについては自己責任となる点については注意したい。

 必要以上に脅すつもりはないが、iOS 8でのmineoが利用不可となったように、機種によっては特定のキャリアの通信サービスが利用できなくなったりする可能性があるほか、対応している周波数の違いによって、通信速度が低下したり本来利用可能なエリアでも通信サービスが利用できない。という可能性は十分考えられる。

 SIMロックが義務化されることで、海外渡航時に現地のSIMカードを購入して通信費が安くなることや、他キャリアへの乗換後も同じ端末を使い続けることが可能となる点には期待したいが、ユーザへの保証やサポートという点をおざなりにしては、SIMロックを解除して他キャリアに移行する。という動きは限定的なのではと感じる。

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