通信機能は1000BASE-Tの有線LANとIEEE802.11a/b/g/n/acの無線LAN、Bluetooth 4.0を装備する。低価格帯のノートPCながら、最近のモバイルノートPCで省かれがちな有線LANをしっかり搭載し、無線LANも最大867Mbpsと高速なIEEE802.11acを利用できる点は見逃せない。
本体にはSDメモリーカードスロット(SDXC対応、MMC対応)のほか、USB 3.0、USB 2.0が1基ずつと、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用端子を搭載。ディスプレイ出力としてHDMIとアナログRGB出力も1基ずつ備える。11.6型ノートPCとしては必要最小限に近い内容だ。画面の上部には約92万画素のインカメラも内蔵している。
OSは64ビット版Windows 8.1 Updateをプリインストール。オフィススイートは、日本市場に最適化した個人向けの新しいMicrosoft Officeである「Office Home and Business Premium プラス Office 365 サービス」(Office Premium)を導入している。
これは、プリインストールPCを使い続ける限り最新版のOfficeデスクトップアプリを利用できるOfficeの永続ライセンスに加えて、クラウドストレージ「OneDrive」、iPhone/iPad/Android版のOfficeによるマルチデバイス利用、Skypeの月間60分までの無料公衆通話、無償アンサーデスクといった、Office 365が提供するサービスの1年間有効ライセンス(2年目以降は参考価格5800円で継続可能)が付加されたものだ。
Office 365の1年間有効ライセンスにひかれるユーザーは限定されるだろうが、Office 365ユーザーはOneDriveの容量制限が撤廃されることが発表され、当初1Tバイトとされていた容量が今後数カ月ほどで使い放題となる点に注目したい。もちろん、Officeデスクトップアプリケーションの永続ライセンスは、長く使い続ける前提のユーザーには大きな魅力だ。
現状でこのOffice Premiumは、低価格なWindowsタブレットや夏モデルから継続販売されているPCには採用されておらず、搭載しているPCが限られることもあって、dynabook N51/NGの強化材料になっている。
そのほか、東芝おなじみの独自ユーティリティソフトなどが付属する。
キーボードの打ちやすさも強調できるポイントだ。アイソレーションデザインのキーボードは、主要キーのキーピッチが実測で約19(横)×17.5(縦)ミリと広い。左右の端にあるキーが細いほか、「半角/全角」キーが2段目ではなく最上段にあるなど若干変則的な配置だが、慣れでカバーできる範囲だろう。
キーストロークは公称値で約1.2ミリと浅いものの、しっかりとクリック感がありながら低反発でスッと戻る絶妙なタッチ感を実現している。あえて強く押さない限りはたわみなども気にならない。低価格帯のノートPCとしては完成度の高いキーボードと言える。
気になる点を強いて挙げれば、ボディのエッジが鋭角であることだが、パームレストは実測で67ミリと十分な奥行きが確保されており、また液晶ディスプレイを開くとわずかだが傾斜がつく(4度前後)ため、ボディのエッジに手の平が当たって痛いという心配は軽減されている。
キーボードのホームポジション手前にあるタッチパッドも実測で85(横)×43(縦)ミリと狭い印象はなく、左右独立ボタンが用意されており、操作がしやすい。シナプティクスのドライバを搭載し、2本指を使ったスクロールや拡大/縮小、3本指や4本指を用いるジェスチャー操作も可能だ。タッチパッドの指の滑りもよい。
11.6型ワイド液晶ディスプレイの表示解像度は、WindowsノートPCで標準的な1366×768ピクセルだ。画素密度は135ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)となる。少し目を近づけるとドットがはっきり見え、精細感はいまひとつだ。上下の視野角は狭いが、左右の視野角はTN方式にしては健闘しているほうではある。
低価格帯のノートPCながら、10点マルチタッチ対応の静電容量式タッチパネルを搭載し、Windows 8.1 Updateのスタート画面やWindowsストアアプリをタッチ操作で楽しめるのも大きな特徴だ。少し斜めの位置から操作すると、表面の光沢パネルの厚みが少し気になるが、あからさまに安っぽい見た目ではなく、タッチの感度や画面の滑り具合などはむしろよい部類と言える。
底面には手前側にステレオスピーカーを内蔵している。dynabookの上位機種と異なり、スピーカー用の音響効果ソフトウェアは特に導入していない。十分な音量はあるが、低音が弱く、厚みのなさは否めないところ。ネット動画をカジュアルに楽しむ程度ならば、特にガッカリはしないだろうが、CD以上の音楽コンテンツや映画コンテンツなどは物足りなく感じる場面もありそうだ。
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