「dynabook N51/NG」徹底検証――薄型軽量化した11.6型“ファンレス”ノートPCの魅力に迫るスペックに現れない「東芝品質」とは?(3/4 ページ)

» 2014年11月21日 09時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

スペックは控えめながらも感じる「東芝の底力」

 各種ベンチマークテストの結果を見てみよう。dynabook N51/NGのスペックを改めて記載すると、2コア/2スレッド対応のCeleron N2840(2.16GHz/最大2.58GHz)、4Gバイトメモリ(PC3-10600/デュアルチャンネル)、5400rpmの2.5インチHDD、CPU内蔵のIntel HD Graphics、64ビット版Windows 8.1 Update 1といった内容だ。

 参考までに、CPUにCeleron N2830(2.16GHz/最大2.41GHz)を搭載し、そのほかのスペックがdynabook N51/NGと同じ(ただし、メモリはシングルチャンネル)ノートPCのテスト結果も併記した。

 CPU性能を評価するCINEBENCHのスコアは、2コア/2スレッド対応のCeleron N2840を搭載することから、CPU(マルチスレッド対応)が控えめな結果だ。しかし、動作クロックは最大2.58GHzとなっており、CPU(シングルコア)スコアではやや挽回した。Celeron N2830搭載機に比べて、CPUで約8.1%、CPU(シングルコア)で約8.9%上回るスコアだ。最大クロックが170MHz高いぶん、きっちりと上昇している。

CINEBENCH R15のスコア
CINEBENCH R11.5のスコア

 ストレージ性能を計測するCrystalDiskMarkのスコアは、2.5インチHDDとしては標準的なスコアだろう。やはりSSDに比べるとランダム(4K Read/4K Write)性能で大きな差がある。

CrystalDiskMark 3.0.3のスコア

 PCMark 7の総合スコアは、Celeron N2830搭載機から約13.3%アップして1751を記録した。Celeron N2840は、Celeron N2830に対して最大CPUクロックが170MHz高いだけでなく、最大GPUクロックも42MHz上昇していること、またdynabook N51/NGはメモリがデュアルチャンネルアクセスに対応していることも好結果につながっているようだ。

PCMark 7 1.4.0のスコア

 GPUクロック上昇の効果は3D描画系テストでも見られる。Celeron N2830搭載機に比べて、3DMark/Cloud Gateスコアでは約11.9%、FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(FF14ベンチ)の標準品質スコアは約27.2%とかなりスコアが向上した。それでもFF14ベンチのスコア評価は「設定変更が必要」レベルであり、ゲーム用途には向かない。ブラウザゲームなどのレスポンスが多少よくなる程度だろう。

3DMark 1.2.362のスコア(FireStrikeはエラーで走らず)
FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコア

 全体的に現在のPCの水準では低調なスコアだが、比較対象のCeleron N2830搭載機に対して、低調なりに体感での操作感はしっかりよくなっている印象がある。起動直後やスリープからの復帰直後などにHDDアクセスに起因するモタつきは感じるが、OSの基本操作やWebブラウズなどの作業では、さほどストレスを感じる場面はなかった。

 これまでの経験からも、東芝製ノートPCのベンチマークテストのスコアは似たようなスペックの製品に比べてよい傾向がある。メモリのデュアルチャンネルアクセス有効のほか、適切な熱設計と電力管理により、ハードウェアのポテンシャルをきっちりと引き出しているのだろう。

 そういった東芝ならではのきっちりとした作り込み、クオリティの高さは、ノートPCラインアップの末席に着くdynabook N51/NGからもしっかり伝わってくる。最近のモバイル向けCPUは、熱設計や電力管理で性能が左右される部分も少なくないだけに、東芝製ノートPCのそういった面は心強い。

バッテリー駆動時間は公称値以上、ファンレス設計で静音性は満点

 Webブラウズとテキスト入力を想定したBBench 1.01におけるバッテリー駆動時間の計測では、満充電から残り5%で休止状態に入るまで、5時間42分動作した。これは公称値(4.6時間)を上回る駆動時間となる。一線級のモバイルPCに比べれば、駆動時間は短いものの、外出先で一仕事こなすには十分で、実用水準はクリアしていると言える。

 dynabook N51/NGはファンレス設計のため、負荷状況にかかわらず、動作音は非常に静粛だ。ファンノイズがないため、HDDの小さなアクセス音くらいしか聞こえない。したがって、動作時の騒音テストは行っていない。

 ファンレス設計ということで気になるのはボディの発熱具合だろう。高負荷時の発熱は底部の左寄り、中央部あたりが中心だが、不快になるような高温には達しない。ボディはそれなりに厚みがあるので、熱設計には余裕がある。3DMark/Cloud Gateを数回続けて実行するなどしてみたが、性能への影響も見られなかった。

発熱テストの結果

ベンチマークテストの概要

  • パフォーマンステスト
    • CINEBENCH R15(CPU性能評価)
    • CINEBENCH R11.5(CPU性能評価)
    • Crystal Disk Mark 3.0.3(ストレージ性能評価)
    • PCMark 7 1.4.0(PC総合評価)
    • 3DMark 1.2.362(3D性能評価)
    • FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(3D性能評価)

※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定

  • バッテリー駆動時間テスト
    1. BBench 1.01

※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測

  • 騒音テスト
    • ファンレス設計でファンノイズが発生しないため計測せず
  • 発熱テスト
    • 放射温度計でボディ表面温度を実測(室温21度)


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