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「Office for iPad」はどこまで使える?――iPhone版、Android版もまとめてチェック鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/4 ページ)

» 2014年11月28日 00時00分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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iPadでOfficeを利用するまでの流れ、Office 365との関係

 それでは実際に、iPadでOfficeアプリを利用してみよう。前述のようにWord、Excel、PowerPointが個別アプリの形で提供されており、それぞれApp Storeからダウンロードしてインストールが可能だ。

 これらはすべて無料となっているが、編集機能を利用するには無料のMicrosoftアカウントが必要だ。さらに高度な編集機能(プレミアム機能)を使いたい場合は、「アプリ内課金」によりOffice 365のサブスクリプションを購入しなければならない。アプリのダウンロードからサブスクリプション購入までの流れを画面とともに追っていこう。

Office for iPad(iPhone)の3つのアプリはApp Storeからダウンロードする。類似アプリも多数あるので「Microsoft Word」などで検索して直接アプリをダウンロードした後、関連検索でExcelやPowerPointを探し出すとよいだろう
3つのアプリがそろった状態。完全に独立しているように見えるが、Microsoftアカウントの情報やOffice 365のサブスクリプション契約状況はアプリ間で共有されているようで、1つのアプリでサインイン動作を行うと、すべてに反映される
初回起動時はスプラッシュスクリーン後に操作ガイダンスが表示される
ガイダンスの最後にOffice 365アカウントへのサインインを求められる。個人アカウントでOffice 365契約済みの場合はMicrosoftアカウントを、職場などで契約しているユーザーは該当するアカウントを入れる。ここでは「後でサインイン」を選択した
「後でサインイン」を選択した場合、無料アカウントで利用可能な状態となる
Office 365なしでもそのまま利用できるが、少なくともMicrosoftアカウントにサインインした状態でないとOneDriveが使えないなど、さらに制限がかかり、Office文書も「読み取り専用」となる
Microsoftアカウントにログインすると、「無料で表示」という部分が「無料で作成および編集する」に変化する。これで編集機能にかかっていたロックの一部が解除された
Wordの文書をWord for iPadで開いて編集を行う画面
文字の編集や装飾の変更、図形の追加など、おおよその機能はこの「無料で作成および編集する」の状態で利用可能になっている
塗りつぶしのカスタム色への変更や校正機能など、より実務的な利用に必要な編集作業は「プレミアム機能」としてロックがかかったままだ
基本的にはExcelやPowerPointも同じような作業環境だ。こちらはExcel for iPadの操作画面
PowerPointは、デフォルトの編集作業画面が水平表示モードになっている。スプラッシュスクリーンの時点で90度傾いているので、Word、Excelから切り替えて使うと少々驚くかもしれない
編集機能をフルで利用するにはOffice 365のサブスクリプションが必要になる。Webページで別途契約もできるが、すぐに利用したいユーザーはアプリ内課金の仕組みを使ってサブスクリプションを購入可能だ
購入が完了する、もしくはアカウントに紐付いた有効なサブスクリプション情報が確認できると、「ドキュメントを作成および編集する」に表示が変化する。これが「プレミアム機能」が使えるフル編集モードだ。画面左下のカートアイコンが消える点にも注目したい
フル編集モードでは、無料利用時に指定できなかった「変更履歴の確認」のトグルスイッチを“オン”にできる。これでWord文書を複数人で共有して編集を続けることが容易になる

 このようにOffice for iPadの利用までの手順は簡単だ。ただし、図中の説明にもあるが、「Microsoftアカウントの有無」および「Office 365サブスクリプションの有無」で利用条件が異なってくる点は注意が必要になる。これらの対応状況を下表にまとめた。

主なOffice 365の契約とOffice for iPadで利用可能な機能
Office 365契約状況 閲覧 編集(一部) 編集(フル)
Microsoftアカウントなし(無料)
Microsoftアカウントあり(無料)
Office Premium(PCバンドル用)
Office 365 Solo(個人向け)
Office 365 Business(中小企業向け)
Office 365 Business Premium(中小企業向け)
Office 365 ProPlus(大企業向け)

 この表のうち、Office PremiumとOffice 365 Soloは2014年10月17日に発売された日本独自の個人向け製品だ。これらついては簡単にフォローしておきたい。

 Office Premium(Office Premium プラス Office 365 サービス)は、PC本体に搭載して販売するために用意されたエディション。Office PremiumプリインストールPCの利用に限り、最新版Officeへのアップデートが永続的に無償で提供される点が最大の特徴だ。

 また、特例として「1年間のOffice 365サブスクリプション」に相当する権利がついている。つまり、Office Premiumの利用開始から1年間はスマートフォンやタブレットからのアクセスが自由に行えるのだ。もしOffice 365の権利を更新したい場合、後述のOffice 365 Soloとは別のサブスクリプションが用意される。

日本独自の個人向けMicrosoft Office新エディションが「Office Premium」だ。製品単体では販売せず、サードパーティ各社のPCおよびSurface Pro 3に搭載して提供する。Office PremiumをプリインストールしたPCには、右のロゴが付与される

 Office 365 Soloは2台のPCまたはMacで利用でき、マルチデバイスにも対応したサブスクリプションサービスとなっており、月額1274円、年額1万2744円で利用が可能だ(2014年11月時点)。

 海外版の個人向けOffice 365である「Home」は、利用可能なデバイスが最大5台、「Personal」は最大1台となっている。Soloの2台というのは、ほぼ同程度の金額のHomeと比較して割高に思えるが、日本固有の特典として「業務利用」が可能なライセンスが付与されており、個人事業主などの利用にも適している点は見逃せない。

 なお、Soloの利用制限2台というのは、Officeをインストール可能なプラットフォーム別の最大台数を意味しており、Windows PC(またはMac)、タブレット、スマートフォンでそれぞれ最大2台となっている。

「Office 365 Solo」は2台のWindows PCまたはMacで利用できるサブスクリプションサービス。契約期間中であれば常に最新のOfficeアプリケーションに無償アップデートできるほか、Office 365、1Tバイト容量のOneDriveなど、Office Premium同様のサービスが付属する

 なお、Office 365 Businessシリーズは日本で2014年10月から中堅・中小企業向け(上限ユーザー数300名)に販売されている製品群だ。

 Officeアプリとクラウドサービスの両方を利用できる「Office 365 Business Premium」、OfficeアプリとOneDriveを使える「Office 365 Business」で、Office for iPadのプレミアム機能をサポートする。そのほか、クラウドサービスのみの「Office 365 Business Essentials」という製品も用意しているが、こちらはOffice for iPadのプレミアム機能に対応しない。

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