「YOGA Tablet 2-8 with Windows」の“数値に表れない”快感に浸る注目タブレットレビュー(2/2 ページ)

» 2014年12月09日 12時26分 公開
[長浜和也ITmedia]
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インテルアーキテクチャを採用してイマドキのWindowsタブレットに

 システム構成は、プロセッサにARMベースのMmediaTek MT8125を採用していたYOGA Tablet 8から大きく変わった。インテルアーキテクチャを採用したYOGA Tablet 2-851Fでは、CPUにAtom Z3745(1.33GHz/最大1.86GHz、4コア4スレッド、2次キャッシュ2Mバイト)を搭載する。

評価用機材のシステム構成をデバイスマネージャーで確認する。データストレージは、サムスン電子のMBG4GCを載せていた

 システムメモリはLPDDR3を2Gバイト載せている。また、データストレージは容量32GバイトのeMMCを用意している。システムメモリもストレージもYOGA Tablet 8や最近増えてきた“格安”8型ディスプレイ搭載Windows導入タブレットがストレージ容量16Gバイトというケースと比べると増えているが、Lenovo Miix 2 8の64Gバイトと比べて半分しかない。(記事掲載当初、システムメモリの容量記載に誤りがありました。おわびして訂正します)

 日本ヒューレット・パッカードのHP Stream 14が同じ32Gバイトのストレージを搭載して「オンラインストレージの利用が前提」と説明しているので、YOGA Tablet 2-851Fも同様になると思われる。

さらに、32Gバイトのデータストレージのうち、5Gバイトをリカバリー用に確保している

 本体に用意したインタフェースは、micro USBにmicroSDカードスロットを備える。Micro HDMIなどの映像出力インタフェースは用意しない。無線接続ではIEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0が利用できる。ワイヤレスWANについては、2014年12月時点で、ダイワボウがAndroid導入モデルと10型ディスプレイWindows導入モデルでLTE対応モデルの取り扱いを発表しているが、ここで取り上げるYOGA Tablet 2-851Fだけは対象に入っていない。

上面と底面にはインタフェースを用意していない

左側面にはMicro USBと音量調整ボタン、電源ボタンがある。右側面にはヘッドセット端子とWindowsボタンを用意した

スタンドの内側にあるカバーを外すとMicroSDスロットにアクセスできる。その脇にあるのはSIMスロットだが、現時点ではふさがれている

この時代のWindowsタブレットはどこで違いを訴求する?

 YOGA Tabletシリーズで初めてのWindows導入モデルだが、ほかを見ると、同じように8型ディスプレイを搭載したWindows導入タブレットはかなり増えてきた。2万円を切る“格安”モデルはもとより、レノボ・ジャパンでもLenovo Miix 2 8やThinkPad 8がある。そのなかで、YOGA Tablet 2-851Fは処理性能的なアドバンテージを持っているのか、ベンチマークテストで検証してみる。

 比較対象は、Atom Z3735F(1.33GHz/最大1.83GHz、4コア/4スレッド)搭載、システムメモリがDD3Lを2Gバイト、ストレージが32GバイトeMMC、OSがWindows 8.1 with Bing、ディスプレイが8型1280×800ピクセルの実売価格4万台後半のタブレットだ。

PCMark 7 ver.1.4(その1)

PCMark 7 ver.1.4(その2)

CINRBENCH R11.5

CrystalDiskBench 3.0.3(その1)

CrystalDiskBench 3.0.3(その2)

 ベンチマークテストの結果は、総じて優勢だ。ただし、圧倒的ということではなく、わずかに上回っているという程度で、作業効率が決定的に異なるというほどではない。このクラスのタブレットでは、処理能力で明らかな違いを出すことは難しく、それだけに、それ以外の部分で違いを訴求することになる。

 その意味で、YOGA Tablet 2-851Fは、独特なボディ形状と多彩な使い勝手で、ほかのタブレットと大きく異なる性格を持つことに成功している。

世はマルチデバイス。その一翼を担うのにベストなデバイス

 2014年は8型ディスプレイ搭載Windows導入タブレットが数多く登場した。当初、「あのゲームをするためだけに買うんでしょ」という評価も多かったが、こう続けて登場しているところを見ると、それ以外のところでも評価しているユーザーが少なからずいるということだ。

 評価担当者の個人的な経験では、「フットプリントが小さいWindowsデバイス」としてメリットを感じることが多い。電車(2シート)や飛行機のテーブルに無理なく置けるだけでなく、外出時に立ち寄るコーヒースタンドの小さな丸テーブルでもコーヒーカップと共存できるサイズは、使うところを選ばない。

 そして、YOGA Tablet 2-851Fなら、自立してくれるので、スタンドを用意する手間もいらない。オンラインストレージを連動していれば、外出先から帰ってきてからは、パワーのある据え置きマシンで作業を継続すればいい。

 外出時と屋内(オフィスや自宅)でマシンを使い分けることができ、かつ、屋外での機動力を重視するユーザーには、有効な組み合わせになるだろう。ただし、Windowsマシンということで、どうしても、キーボードを使いたいシーンが多くなる。

 そういう意味で、10型ディスプレイ搭載Windows導入モデルのYOGA Tablet 2-1051Fに標準で付属するキーボードをYOGA Tablet 2-851Fでも使いたいと願うユーザーは少なくないだろう。


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