CPUは、Haswell世代のCore i5-4210U(1.7GHz/最大2.7GHz、2コア4スレッド、TDP15ワット、3次キャッシュメモリ3Mバイト)を採用している。デスクトップPC向けではなくモバイルPC向けのCPUで低電圧タイプの「U」シリーズであることに注意したい。
グラフィックス機能は、CPUに統合したIntel HD 4400と、NVIDIA GeForce GT 840Aを搭載し、負荷に応じて切り替えるNVIDIA Optimusに対応している。GeForce GT 840A側のグラフィックスメモリは2Gバイトを載せている。
メモリは、DDR3より省電力のDDR3Lを8Gバイト実装している。なお、SODIMM規格を採用しているが、スロットは1基であり、8Gバイトが最大容量であることに加え、動作モードもシングルチャネルになる。データストレージは容量1TバイトのHDDを内蔵する。評価機はWesternDigitalの「WD10SPCX-24HWST1」で、WD Blueに属する2.5インチモデルだ。光学ドライブは内蔵しない。無線接続では、IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANとBluetooth 4.0が利用できる。有線LANは用意しない。
PCMark 8のスコアは、Homeが2516ポイント、Workが2666ポイント、Creativeが3735ポイントとなった。Core i5-4210Uはそこまで高クロックではなく、比較的マルチスレッドを活用するPCMark 8で計測すると、HomeやWorkのスコアはこのくらいになる。デスクトップPCとしてみるとやや低い。一方、Creativeに関してはGeForce GT 840Aが効いてくるようで、やや高めのスコアだ。
PCMark 7のOverallは低めだが、足を引っ張っているのはHDDだ。PCMark 7は、より古いPCMark Vantageほどではないものの、HDDとSSDとでスコアが大きく開く傾向にある。ただ、実際の利用場面においてもHDDでは、アプリケーションの起動はもちろん、エクスプローラを開いたり、コントロールパネルを開いたりといった細かな操作でも、画面表示までラグを感じる。2.5インチSSDとHDDの組み合わせやmSATA(M.2)と2.5インチHDDといったデュアルドライブ構成を採用していれば、さらなる高速化は可能だったのでないだろうか。
CINEBENCHの結果では、HaswellアーキテクチャのCPUだけに、最近採用製品が増えてるBay Trailタブレットと比べてかなり高いスコアになる。Bay Trailタブレットでは再生支援機能を用いてもハイビットレート動画の再生でコマ落ちの不安があるのに対し、こちらはソフトウェア処理の高画質化機能を加えて再生しても問題ない。
CrystalDiskMarkのスコアは、2.5インチHDD採用ゆえにSSDと比較すると遅いだけでなく、3.5インチHDDと比べても遅い印象だ。ウィンドウを開く、あるいは操作を開始するときのレスポンスでモタつきを感じる。ただ、1Tバイトという大容量を重視する場合、HDDという選択で問題ないだろう。
HORIZEN 2 ベンチマークテストスコア | ||
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PCMark 8 | Home | 2516 |
Work | 2666 | |
Creative | 3835 | |
PCMark 7 | PCMark | 2566 |
LightWeight Score | 1317 | |
Productivity Score | 874 | |
Creativity Score | 5023 | |
Entertainment Score | 2460 | |
Communication Score | 11593 | |
System Storage | 1557 | |
Raw System Storage Score | 344 | |
CINEBENCH R15 | CPU(cb) | 229 |
CINEBENCH R11.5 | CPU(pts) | 2.54 |
CrystalDiskMark 3.0.3b | Sequential Read | 102.8 |
Sequential Write | 98.3 | |
512K Read | 34.6 | |
512K Write | 47.9 | |
4K Read | 0.41 | |
4K Write | 1.14 | |
4K QD32 Read | 1.1 | |
4K QD32 Write | 1.2 | |
ゲームパフォーマンスでは、NVIDIA Control PanelからGeForce GT 840A側を使うよう指定すればドラゴンクエストX ベンチマークソフトで、フルHDの最高品質でも4675ポイントの「普通」、同じ解像度で標準品質に落とせば5913ポイントの「快適」の評価になる。なお、NVIDIA Control Panelの標準設定のままでは統合GPUのIntel HD 4400が有効になるが、こちらでは低品質でも2304ポイントの「やや重い」という評価になってしまう。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編は、1920×1080ピクセルの最高品質で1789ポイントの「設定変更を推奨」、高品質(ノートPC)で2276ポイントの「普通」、標準品質(ノートPC)で4039ポイントの「快適」という結果だ。ドラゴンクエストXと比べると負荷が重いぶん、画質設定の引き下げが必要になってしまうが、それでも「高品質」設定でゲームが楽しめる。
バッテリー駆動時間は、公称では3時間だ。BBenchにて、電源オプションを「バランス」として本体標準設定のまま、Wi-Fi(IEEE802.11ac)オンの状態で3時間14分という結果だった。
初回限定1000台にはUSB TVチューナーをバンドルするので。テレビとして活用することも可能になる。27型でそこそこ大きいため、ダイニングに置くテレビ兼用PCとしてもちょうどいい。
ただし、USB接続の本体にアンテナを搭載するタイプなので、受信感度的にテレビのように勝手がよいわけではない。ネットワーク対応タイプのTVチューナーを別途用意して、同軸のアンテナ線を利用したほうが便利だ。
価格はやや高い。レノボ・ダイレクトで20万円を超えるなど、家庭用PCとしてはかなり高価な製品に入る。とはいえ、実物を実際に使っていると、活用シーンが意外と膨らむ。家族のコミュニケーションツールとして、あるいはパーティアイテムとして、アーリーアダプタユーザーにはかなり遊べるPCといえるだろう。
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