インタビュー
» 2014年12月22日 11時00分 UPDATE

PCゲーマーのためのパーツ選び:あのゲームをぬるぬる楽しみたい! グラフィックスカード選びのポイントを達人が解説

「パソコンSHOPアーク」の達人スタッフに聞く「PCゲーマーのためのパーツ選び」第2回はグラフィックスカードだ。ゲームジャンルごとにオススメを聞いた。

[ITmedia]

達人に聞くパーツの選び方、第2回は「グラフィックスカード」

og_arkgra_001.jpg パソコンSHOPアークのグラフィックスカード売り場

 コアゲーマー向けの幅広い品ぞろえで、多くのPCゲーマーから支持されるアキバのパーツショップ「パソコンSHOPアーク」。当連載では、その店作りや、PCゲームに最適なメモリの選び方スタッフ一押しのゲーミングノートなどを取り上げてきたが、今回はゲーム向け自作PCのキモであるグラフィックスカードを選ぶ際のポイントを達人に解説してもらう。

 「当然のことですが、まずはっきりさせておきたいのが、どういった種類のゲームをプレイするのか、どんなスタイルで遊ぶのかを認識しておくことです」――パソコンSHOPアークを運営するタワーヒルでグラフィックスカードを担当するバイヤーK氏はそう語る。

 「一口にPCゲームと言っても、FPSもあれば、MMORPGもRTSもあります。例えば、負荷が高いFPSで十分なフレームレートを出すにはそれなりのカードが必要になりますし、ガチで勝ちに行くならさらに120Hz駆動のディスプレイもそろえるといったように、コストは際限なく上がります。極端な話を言うと、そうしたハイスペックな環境でもプロプレイヤーはエフェクトを切ってプレイします。一方、単純にゲームを楽しく遊びたいだけなら、60fps出なくても十分という人もいるでしょう」とK氏。

 「また、ゲームの世界観を大事にしたいのであれば、高解像度、最高品質で60fpsが出るカードがベストですが、45fps以上出るのであれば、プレイ自体に支障はないはずです。もしストラテジー系が目当てであれば、そもそもそれほど要求スペックは高くありません。グラフィックスカードは、上のモデルになればなるほどコストパフォーマンスは悪くなるので、自分がプレイしたいゲームタイトルと、どの程度のゲーム体験で満足できるのかの折り合いをつける必要があります」と解説する。

 そしてさらに重要なのは、GPUのグレードだけでなく、システム全体から見たトータルバランスだとK氏は指摘する。「例えば、静音性と性能を両立させるためにセミファンレス(GPUの温度によってファンが停止する)モデルもありますが、こうしたモデルはエアフローがしっかりしていないと寿命を縮めることになります。こうした点では、GALAXの970 BLACK(GF PGTX970-EXOC/4GD5 BLACK)のように、片側のファンが回り続けるモデルは寿命面でのメリットがあるでしょう。隠れた名作ですね。冷却のためにケースのエアフローを改善するのか、水冷にするのか、あるいは上級者ならGPUファンのケーブルを引っこ抜いて別に電源を供給して強制的に回してしまうなど、カード単体ではなく、全体で考えなければならない場合もあります」。

 続けてK氏は「ちなみに、別パーツとの関係で見ると電源ユニットもその1つです。最近では500ワット以上あれば大丈夫なことは多いですが、ハイエンドカードやSLIを構築する場合は注意が必要です。また、容量だけでなく、VGAやCPUに電源を供給する12ボルトのラインが細かく分かれているものとそうでないものがあるので、ここも注意したいですね」と話す。

 なお、グラフィックスカードの複数枚差しについては、対応ゲームタイトルの制限や、不具合の可能性が上昇する点、費用対効果から、シングルGPUの上位のほうがオススメという。「デメリットを上げると、まず消費電力の上昇。また、ケース内の温度が上昇すればカードの寿命に影響しますし、PCI Express x16を2つにするならX99マザーといったように、接続レーンも考える必要があります。もっとも、x8との体感差は大きくはありませんが。SLIは対応マザーの制限がありますね。一方で、メリットもあります。コストパフォーマンスは悪いですが、絶対的な性能の上昇が見込めますし、4K解像度や複数枚のディスプレイでゲームをプレイするときにはアドバンテージがあります。これは将来的に4K/5K解像度に対応したゲームタイトルが増えていけばなおさらです。ゲームとはやや異なりますが、8画面に出力する用途でも有利です」とK氏。「まあでも、最終的にはロマンですよね」(笑)。

 「それともう1つ、AMDかNVIDIAかという問題があるのですが……。今後ゲームのMantle対応化が進めば希望はありますが、NVIDIAもDirectX 12が使えるわけですし、実際には結構厳しいと思います。ただ、ゲーム以外の用途にはなりますが、Fluid Motion VideoがPower DVD以外で使えるようになれば希望はあるかもしれません。動画系ではAMDはのほうがきれいに見えるという評価もありますね」。(参考記事:大解説! Mantleは死なず、ただ進化するのみ)。

 以上、グラフィックスカードを選ぶ際の基本的なポイントを解説してもらった。とはいえ、3DMarkのベンチスコアを見ただけで、そのグラフィックスカードが自分の目的に合致しているかどうかを判断できる人ばかりではないだろう。PCパーツには詳しくないがPCゲームは好き、という人のために、FPSとMMOの代表的なタイトルを例に、目安となるモデルを教えてもらった。

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ゲームタイトルにあわせたGPUグレードの目安とオススメカード

og_arkgra_002.jpg パソコンSHOPアークのゲーム担当スタッフ、松田氏

 PCゲームの人気FPSタイトル「Battlefield 4」「CALL OF DUTY」「Alliance of Valiant Arms」をプレイする場合、快適に楽しみたいのであれば、高画質設定でも60fpsを確保できるGeForce GTX 970とCore i7以上の組み合わせがオススメという。また、“そこそこ”でいいのなら、設定次第で60fpsに届くGeForce GTX 760+Core i5以上の組み合わせでも楽しめる。

 一方、「Final Fantasy XIV 新生エオルゼア」や「ファンタシースターオンライン2」といったMMOでは、高画質設定でも45fps以上が期待できるGeForce GTX 760+Core i5の組み合わせ、価格を優先した入門機としてはGeForce GTX 750 Ti+Core i5以上が目安になる。FPSとMMOの両方をプレイする場合はより負荷の高いFPSタイトルを基準にすればよい。なお、ゲームプレイを外部エンコーダーなしで録画したいなら、CPUはCore i7以上は用意したいとのことだ。

 それではより具体的に、どのベンダーのどのモデルがオススメだろうか。「ベンダー単位でチューニングしてるMSIやASUSは相性問題が出にくく人気ですね」と松島さん。ゲーム担当の店舗スタッフである松島さんに、最近注目しているモデルを教えてもらった。

1、MSI製「N760GTX Twin Frozr 4S OC V2」

 1つ目はMSIから、独自の冷却ファン「Twin Frozr」で静音性も備えるGTX 760搭載カード「N760GTX Twin Frozr 4S OC V2」。MMORPGを快適に楽しみたいなら注目だ。また、より高いパフォーマンスが必要なら、ファンが最新世代の「GTX 970 GAMING 4G」もオススメという。

og_arkgra_003.jpg N760GTX Twin Frozr 4S OC V2(手前)とGTX 970 GAMING 4G(奥)

製品名:N760GTX Twin Frozr 4S OC V2

価格:2万7980円(税込み/12月19日時点)

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2、GALAX製「GF PGTX970-EXOC/4GD5 BLACK」

 バイヤーK氏が“隠れた名作”と呼ぶ、前述の「GF PGTX970-EXOC/4GD5 BLACK」。基板裏にブラックアルマイトプレートを装着したオリジナルクーラーを搭載する。定格コアクロック1164MHz/ブーストクロック1317MHzのオーバークロックモデルだ。

og_arkgra_004.jpg GF PGTX970-EXOC/4GD5 BLACK

製品名:GF PGTX970-EXOC/4GD5 BLACK

価格:4万8799円(税込み/12月19日時点)

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3、ASUS製「STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5」

 最後はASUSTeKのゲーマー向けシリーズ「STRIX」から、GeForce GTX 970を搭載した「STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5」。GPU温度が上昇したときのみファンが回るセミファンレス仕様は、MSIのTwin Frozrと同様だが、高リフレッシュレート時に発生しやすいコイル鳴きが少ないのがポイントという。「ファンの回転に関係なくコイル鳴きは発生するので、これは部品の品質で防ぐしかない。ASUSはコンデンサやコイルまでカスタマイズした高品質なオリジナル部品『Super Alloy Power』を使用しているのが特徴です。そういう点ではSTRIXシリーズはオススメですね」と話す。

製品名:STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5

価格:5万1780円(税込み/12月19日時点)

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 以上、ゲーミングPCを自作する際に、グラフィックスカードを選ぶときのポイントと、具体的なオススメのモデルを聞いた。「非常に幅広い製品が販売されていますが、値段の差はメモリと同じように、品質が反映さている部分です」とバイヤーK氏。グラフィックスカード選びで迷っているなら、予算の目安だけ確認してパソコンSHOPアークを訪れてみてほしい。“達人”が最適な製品を選んでくれるはずだ。

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