PCパーツレビューの最前線から2014年の自作PCを振り返る停滞か助走か実質的進化か(2/3 ページ)

» 2014年12月31日 12時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

GPU編──停滞感を打破した第2世代Maxwell

 AMD Radeonは、R9 285で導入した“Tonga”のように、新世代のコアも投入したが、基本的には2013年から続くR9/R7の2xx系GPUが2014年も継続した。Radeon系GPUでは「Mantle」対応が大きな動きとなった。2013年下半期に発表したAPIだが、2月に対応ドライバをリリースし、Battlefield 4以降、対応を表明したゲームタイトルと開発会社も徐々に増えてきた。

 Mantleは、DirectX 12を“先取り”しているので、Mantleで開発しておけばDirectX 12にもスムーズに移行できる、というのがAMDの主張だ。MantleもDirectX 12も、基本的にハードウェアに近い部分で制御することで描画処理速度が向上することが目的で、目指す方向としては同じといえる。

ゲームタイトルのメジャーシリーズの新作がMantle対応を表明していることをアピールするAMD

 NVIDIAは、アーキテクチャを“Kepler”から“Maxwell”へと徐々に移行してきたが、いまだ継続中だ。第1世代“Maxwell”は2月に「GeForce GTX 750 Ti」として、9月には第2世代“Maxwell”が「GeForce GTX 980」「GeForce GTX 970」として登場している。

Maxwell世代のアーキテクチャを導入した「GeForoce GTX 750 Ti」

 どちらもプロセスのシュリンクはなく、Keplerと同じ28ナノメートルプロセスルールだ。しかし、アーキテクチャ側の改良で性能を改善している。特に第2世代Maxwellは、省電力化が進み、TDPを大きく引き下げた。この改善によって、「GeForce GTX 980」「GeForce GTX 970」を搭載するグラフィックスカードでは、ハイエンドモデルにもかかわらず、低負荷時にファンを停止する準ファンレス機能を導入したものや、コンパクトなハイエンドグラフィクスカードなど、これまでなかったユニークな製品が登場している。

「GeForce GTX 980」「GeForce GTX 970」で導入した第2世代Maxwell“GM2024”

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