以前のリポートでも紹介したように、Windows 10では「Modern Consumer」「Traditional Consumer」「Traditional Enterprise」の3種類のSKUが検討されているという。
現在Windows 10 TPとして提供されているのはTraditional Enterpriseに該当するものと考えられ、今後ブラッシュアップで機能の取捨選択は行われるものの、基本的には「フル機能のWindows 10」になると予想する。
問題はModern ConsumerとTraditional Consumerの2つのコンシューマー向け製品だ。これらは今回話題となったSpartanを搭載する一方、レガシーサポートが求められるIEは省いて、製品が提供されることになるかもしれない。
今回のテーマになっている「レガシーサポート」は、ここまで「IEの後方互換性」について指していたが、Windows 10全体においては「過去のWindowsアプリケーション」がその範囲に含まれるかが大きなポイントになると考えている。つまり「Win32 API」のようなデスクトップアプリケーションの実行環境をサポートするのかという点だ。
もし、コンシューマー向けにModern Consumer、Traditional Consumerという2種類のSKUが存在した場合、Traditional Consumerはデスクトップ向けに相当すると思われるため、IEはともかくWindowsそのものがレガシーサポートを切り捨てることはないだろう。一方でModern Consumerは主にタブレットやスマートフォン向けのSKUになると考えられ、この場合、実行環境としてWin32を含まない可能性がある。
Windows RTは結果的に中途半端な作りになってしまったが、Windows 10と同時期の登場がうわさされる「タッチ操作に最適化されたOffice」と合わせ、従来のデスクトップUIを廃して大胆にスリム化された“モダン”なWindowsが提供されることになるかもしれない。その場合、Windows 10を搭載したタブレット製品は、iPadやAndroidタブレットを非常に意識したものになるだろう。
「Surface mini」をそのリファレンス的な位置付けにすべく、リフレッシュを進めているというのが、昨年2014年前半での製品発表がうわされながらも見送られた理由だと予想する。すでにロードマップで予告されている、今春〜初夏にMicrosoftから出てくるコンシューマー関連の情報に注目だ。
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