実際にどのくらいの実力があるのかをベンチマークテストで確認してみる。なお、OSに関しては評価機で64ビット版 Windows 7 Enterpriseを導入しているので注意が必要だ。
Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアでは、プロセッサとメモリが7.7、グラフィックスとゲーム用グラフィックスが6.9、プライマリハードディスクが5.9となった。やはり、ストレージ周りの数値がやや低くなっている。
CPU性能を測るCINEBENCHの結果では、ノートPC用としてはスペックの高いCore i7-4710HQを搭載していることもあり、CINEBENCH R15は652(cb)と高い値を出している。システムの総合性能を見るPC Mark 8では、Homeが3008、Creativeが3005、Workが3689、Storageが1933となった。価格帯的に考えれば総合性能は高い。ただし、こちらもStorageの値が全体に低いものとなっている。
グラフィックス性能を見る3DMarkの結果は、Fire Strikeが1478、Sky Diverが6279、Cloud Gateが8877、Ice Stormが70056となった。ミドルレンジクラスのノートPC向けGPUとしては妥当なものだ。
ゲームタイトルを使ったベンチマークテストの「ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」の計測結果では、解像度1280×720ドットでは「非常に快適」もしくは「快適」の範囲に収まっているが、解像度解像度1920×1080ドットになると「快適」なのは標準品質(ノートPC)までだ。最高品質に設定すると「設定変更を推奨」という結果になった。
ベンチマークテスト | GALLERIA QF840HE |
---|---|
CINEBENCH R15 | |
OpenGL(fps) | 65.33 |
CPU(cb) | 652 |
PCMark 8 | |
Home | 3008 |
Creative | 3005 |
Work | 3689 |
Storage | 1933 |
3DMark | |
Fire Strike | 1478 |
Fire Strike Graphics | 1647 |
Fire Strike Physics | 9356 |
Fire Strike Combined | 488 |
Sky Diver | 6279 |
Sky Diver Graphics | 5899 |
Sky Diver Physics | 8996 |
Sky Diver Combined | 6480 |
Cloud Gate | 8877 |
Cloud Gate Graphics | 9762 |
Cloud Gate Physics | 6741 |
Ice Storm | 70056 |
Ice Storm Graphics | 84342 |
Ice Storm Physics | 43982 |
FINAL FANTASY XIV A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編 | |
1920×1080最高品質 | 1961(設定変更を推奨) |
1920×1080高品質(ノートPC) | 2488(普通) |
1920×1080標準品質(ノートPC) | 4781(快適) |
1280×720最高品質 | 3738(快適) |
1280×720高品質(ノートPC) | 4760(快適) |
1280×720標準品質(ノートPC) | 8650(非常に快適) |
5400rpmのHDDを搭載して気になるストレージ性能についてCrystalDiskMark 3.0.3bで計測を行った。結果はシーケンシャルリード93.52Mバイト/秒、シーケンシャルライトが92.36Mバイト/秒であった。2.5インチHDDということを考えると仕方がないが、アプリケーションの起動速度などに響いている印象だ。
ゲーム性能でいえば、推奨ゲームタイトルの「ハンターヒーロー」クラスなら問題がない。ただし、リアルタイム性が高く画面情報量の多いFPSなどでは負荷が重く感じるだろう。最新FPSなどであれば、上位のグラフィクスコアであるGeForce GTX 970Mを搭載した「GALLERIA QF970HE」などを選ぶのが賢明だ。
とはいえ、GALLERIA QF970HEの価格は17万円前後と高い。GALLERIA QF840HEでは、Core i7-4710MQを搭載した上位構成でも価格は10万円を切っている。Core i3-4100M(2.5GHz、2コア4スレッド、3次キャッシュメモリ3Mバイト)モデルでは、7万4980円で購入できる。ひと通りのゲームを楽しめる基本性能を持ちつつ購入しやすい価格帯がGALERIA QF840HEのアドバンテージとなる。
ストレージ性能は気になるところだ。システムやアプリは一度起動してしまえば、システムメモリが8Gバイトあるためキビキビと動作する。価格帯を維持しつつSSDを搭載した標準モデルも設定して欲しいところだ。また、GPUが省電力に優れた最新のノートPC向けGPUということもあり、動作音はゲーミングPCとしては静かだ。
ゲーミングノートPCだが落ち着いたデザインになっている点も日本のユーザーには受け入れてもらいやすいだろう。多くのゲーミングノートPCは派手なLEDや天板ロゴなどが貼られていることが多く、仕事に転用する場合などは目立ちすぎる。GALLERIA QF840HEであれば、ビジネス向けPCとしても通用する。“家族の目”が気になるゲームユーザーにもお勧めしたい1台だ。
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