小澤氏は、マンマシンユーザーインタフェース(UI)の進化についても言及した。PCのUIは、DOSのテキスト入力から、WindowsによるGUI、そして、タッチ操作と、3つの進化しかしていないと小澤氏は主張する。その上で、さらに進化してPCの操作がより自然で直感的になるUIとして、インテルがRealSenseテクノロジーを提供するとした。
インテル戦略事業企画室ディレクターの亀井慎一朗氏は、インテルが新世代UIのために長年にわたってユーザー調査を行っており、2013年には22万人規模で行い、その結果を踏まえて、PCに人の知覚を持たせ、自然で直感的にPCを使えるRealSenseテクノロジーを開発したと説明している。
インテルは、PCに人の知覚を持たせる重要なパーツとして2基のレンズを使って3次元で被写体を把握できる「RealSense 3D カメラ」を提供している。亀井氏は、デスクトップPCやノートPC、2in1 PC搭載を想定したフロントカメラ用「RealSense 3Dカメラ F200」やタブレット、スマートフォンリアカメラ用「RealSense Snapshot」に加えて、同じくリアカメラ用ながら、スマートフォン“以外”を対象にしたRealSense 3Dカメラを加えて、幅広いデバイスでRealSense 3Dを利用できるようにしていることを紹介した。
また、RealSenseテクノロジーに対応したアプリケーションの紹介サイト「RealSense アプリケーション・ショーケース」を開設し、65社のベンダーが2015年前半を目指してアプリケーションを掲載する予定だ。
インテル技術本部技術部長の竹内健氏は、第5世代Coreプロセッサー・ファミリーの技術的な特徴を紹介した。第5世代Coreプロセッサー・ファミリーこと開発コード名“Broadwell”は、「Haswellの14ナノメートルプロセスルール版」で、アーキテクチャはHaswellをほぼ継承している。しかし、浮動小数点、および、ベクトル演算の高速化、第2世代FIVRの採用、実行ユニットが増えて演算処理速度が20%向上した統合グラフィックスコア、4K再生対応など、性能と機能が向上していると竹内氏は説明した。
Broadwellの技術的アップデートとして、竹内氏は「システム全体で最適化を図る動的な熱、および、電力管理」と述べ、それを実現する「Turbo Boost Techonology」「チップセットのデューティー・サイクリング」などを取り上げている。
Turbo Boost Technologyでは、従来は、システムリミット(PL1)とバーストリミット(PL2)だけを設定していたが、Broadwellでは、その上にバッテリー・プロテクションを設けてバッテリーに大電流スパイクが多数発生しないようにしつつ、クロック上限をより高いレベルに引き上げた。
CPUに統合したチップセットによる電力管理では、従来CPUやGPU、システムメモリで行っていたスロットリングをPCHでも行えるようになった。このことで、PCI ExpressやSerial ATA、USBのスループットを低下させて、システム全体とし消費電力を抑えることが可能になった。
Intel DPTFでは、従来利用する電源の種類(AC七日バッテリーなのか)で動作クロックなどの電源管理を切り替えてきたのに加えて、2in1 PCなどでは利用しているモード(本体だけのタブレットモードなのか、バッテリーを内蔵するベースユニットに接続しているのかなど)でも、動的に電源管理が切り替わるようにしていることを紹介した。
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