富士通「伊達モデル」はダテじゃない!――デスクトップPC累計2000万台出荷の工場を見てきたゴールドに光る記念モデルもお披露目(4/4 ページ)

» 2015年02月23日 19時30分 公開
[フォレスト・ヒーロー,ITmedia]
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使用済みPCの再生までカバーするリサイクルセンター

 福島工場で大変ユニークな取り組みは、使用済みの機器(産業廃棄物)の処理を行う「富士通東日本リサイクルセンター」(運営はエフアイティフロンティア)が敷地内にあること。つまり、製品の誕生から再生まで、循環型ICTライフサイクルを実現できる施設なのだ。国内でも希少な施設内を見学できたので、写真で様子を見ていこう。

 なお、取り扱い品目は業務用PC、サーバ、プリンタなどのICT機器とデータ記録媒体など、その範囲は富士通製品のみに限らない(ただし、個人向けPCは一般社団法人 パソコン3R推進協会の提供するサービスを利用する)。

富士通は使用済みの業務用ICT製品や家庭用PCをリサイクルする拠点を全国に設けている。この富士通東日本リサイクルセンターは、東日本地区のリサイクル拠点だ
デスクトップPCの工場敷地内でも、セキュリティエリアにその施設はある。1.8メートルの門扉、フェンス、そして24時間の監視体制が敷かれる
工場の環境管理から始まり、2003年にリサイクルビジネス化を行った
工場に届くPCの外箱(段ボール)は毎月150〜200トンにもなり、処分に手間とコストがかかっていたが、段ボールプレス機の導入で処分コスト改善と輸送時のCO2削減を果たしている
使用済みのICT製品は、熟練者の手作業によって解体後、鉄、銅、アルミ、貴金属、ガラス、20種類のプラスチックなど素材ごとに分別、あるいは破砕や溶融などが行われ、それぞれリサイクル処理される
熟練者の手作業で分解が行われる
HDDの再資源化は、穴あけ破壊後、国内で炉に入れて溶かし、アルミや鉄に再生。SSDやメモリの破壊装置も導入されている
HDDなどの記録媒体を処理するエリアは、さらに高いセキュリティレベルが設定されており、IDカードで入退出管理がされる
HDDに穴をあけて破砕する機械。「HDDクラッシャー 3号機」とラベルがある
破砕されたHDDと、構成部品、材料
ストレージの磁気破壊を行う機械。HDDや磁気テープは、顧客からの要望で磁気によるデータ破壊も行う
プラスチックの再生と、その後の商品化例
廃プラスチック類は破砕や溶融して再利用される
再製品化として、プラスチック原料、高炉原料(製鉄所)、金属原料(金属メーカー)、貴金属回収、ガラス原料などがある
包装フィルム、ポリ袋からは合成木材も作られる
使用済み製品のリサイクルにより、PCのカバーからボールペンが、CD/DVDメディアからPCカバーが作られた例
梱包用の発表緩衝材も粉砕、溶融が行われ、再生材として用いられる。この再生材でうちわなども作られる

 以上、富士通東日本リサイクルセンターは、独自のセキュリティシステムのもと管理、運営されていた。産廃処理とはいえ、情報機器の記録媒体を確実に破壊処理してもらえる体制はありがたい。

 富士通は、日本全国5拠点の富士通リサイクルセンターにて、ICT製品の回収およびリサイクルシステムを構築している。提携リサイクルセンターを含むと計8拠点にもなる。ちなみに、2013年度のデスクトップPC本体の回収量は690トン、資源再利用量は約522トン、資源再利用率は75.6%におよぶ(詳細は富士通のWebサイトで確認できる)。


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