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低予算で信頼できる“ビジネスPC”が欲しいなら有力か?――「Latitude 15 3000(3550)」実力診断Windows 7搭載で5万円台から(3/4 ページ)

» 2015年03月03日 16時45分 公開
[フォレスト・ヒーロー,ITmedia]

一般オフィス向けPCとしては不満のない性能を発揮

 それでは、各種ベンチマークテストの結果を見てみよう。評価機のスペックをおさらいすると、2コア/4スレッド対応のCore i3−4005U(1.7GHz)、4Gバイトメモリ(DDR3L-1600)、2.5インチ500GバイトHDD(7200rpm)、CPU内蔵のIntel HD 4400 Graphics、32ビット版のWindows 7 Professionalといった構成だ。参考までに個人向けモデルInspiron 13 7000シリーズ 2 in 1の結果も併記した。

 まずはCPU性能を評価するCINEBENCHから。CPU(マルチスレッド対応)スコアは、CINEBENCH R11.5が「1.68pts」だ。Haswell(開発コード名)こと第4世代CoreではエントリークラスのCore i3ながら、まずまずの結果だ。

CINEBENCH R11.5のスコア

 ストレージ性能を計測するCrystalDiskMarkのスコアは、HDDとしては優れたスコアだ。しかし、SSDを搭載している他機種と比べると見劣りしてしまう部分でもある。価格とトレードオフなのでやむを得ないところだ。

 なお、デバイスマネージャによると、HDDは東芝製「MQ01ACF050」が搭載されていた。東芝の7200rpm対応2.5インチHDDとして、初めて7ミリ厚の薄型ボディを実現したモデルだ。インタフェースは、6GbpsのSerial ATAを採用している。

CrystalDiskMark 3.0.3のスコア

 一方、システム全体のパフォーマンスを評価するPCMark 7の総合スコアは、「2139」と控えめな結果となった。System storageのスコアが「1811」と低く、全体に影響している。(PCMark 7はSSD搭載機でスコアが伸びやすい)。また、Computaionのスコアも「6502」とあまり伸びていない。CPUに統合されたグラフィックスの最大動作周波数が950MHzと若干抑えられていることも影響しているようだ。

PCMark 7 1.4.0のスコア

 参考までに、3DMarkやFINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編で3D描画性能をチェックしたが、スコアはそれほど低くない。FF14ベンチも1366×768/標準品質(ノートPC)の設定で「普通」に楽しめるという結果だった。ビジネスノートPCで3Dゲームをする機会はないだろうが、この描画性能の余裕がユーザーにとっては心強い。

3DMark 1.2.362のスコア
FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編のスコア

極めて高い静音性、放熱性は満足できる

 Web巡回ブラウズとテキスト入力を想定した「BBench 1.01」におけるバッテリー駆動時間の計測では、満充電から残り5%で休止状態に入るまで、5時間48分間稼働した。公称値(最大約10時間55分)には届かない結果となったが、無線LAN接続を常時行っている状態での駆動時間であり、まずまずのスタミナを備えている。ほとんど据え置きで使う大画面ノートPCとしては十分だろう。

 静音性も極めて良好と言える。本体右横から約5センチ手前に騒音計(SMART SENSOR製、誤差±1.5デシベル)を設置して計測したところ、アイドル時で34.3デシベル、PCMark 7を2回以上連続実行した場合で34.8デシベルという結果だった(暗騒音32.5デシベル、室温19度)。ベンチマークテスト実行中の高負荷時でも、アイドル時とほとんど変わらない結果となった。耳を近づけないと、ファンやHDDノイズに気が付かないくらいだ。

騒音計による動作音の計測結果(高負荷時)。暗騒音32.5デシベル、室温19度

 動作中の発熱もほとんど気にならない。放射温度計(シンワ製、レーザーポイント機能付き)にて実測したところ、高負荷時(FF14ベンチを2回連続実行)にはテンキー部分に多少の熱を持った(31.4度)が、今回のように連続してベンチマークテストを実行するような環境はあまりないだろう。テンキー部分をあまり使わない作業であれば、発熱も少なく20度台で満足できる結果だ。

動作中のボディ発熱状況(本体)。室温19度
動作中のボディ発熱状況(ディスプレイ)。室温19度。タッチパネル搭載機ではないので画面に触れることはないが、参考までに掲載した

 実際、FF14ベンチを2回以上実行したときのCPU温度は、HWiNFO32によると最大80度までの上昇にとどまっており、Tjunctionの100度までかなり余裕を残していた。放熱機構がしっかり作られていることが分かる。

HWiNFO32でチェックしたCPU温度。室温19度

 このようにLatitude 15 3000(Latitude 15 3550)は、エントリークラスの第4世代Core i3であっても、一般オフィスに求められるパフォーマンスを確保しつつ、省電力のメリットがあり、静音性、放熱性についても満足できるというテスト結果が得られた。

ベンチマークテストの概要

  • パフォーマンステスト
    • CINEBENCH R11.5(CPU性能評価)
    • Crystal Disk Mark 3.0.3(ストレージ性能評価)
    • PCMark 7 1.4.0(PC総合評価)
    • 3DMark 1.2.362(3D性能評価)
    • FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(3D性能評価)

 ※Windows 7の電源プランは初期設定のいわゆるバランスモード「DELL」に設定

  • 液晶ディスプレイ明るさテスト
    • 照度計(Zhangzhou WeiHua Electronics製、LX-1010B)で液晶ディスプレイ表示を実測

 ※液晶ディスプレイは輝度100%設定の白表示で1時間以上オンにし、表示を安定させた状態で中央付近を計測

  • バッテリー駆動時間テスト
    • BBench 1.01

 ※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%になるまでの時間を計測

  • 騒音テスト
    • 騒音計(SMART SENSOR製、誤差±1.5デシベル)で動作時の騒音を実測(本体右横から5センチ、暗騒音32.5デシベル、室温19度)

 ※PCMark 7を2回以上連続実行した状態で計測

  • 発熱テスト
    • 放射温度計(シンワ製、レーザーポイント機能付き)で動作時のボディ表面温度を実測(室温19度)

 ※FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編を2回以上連続実行した状態で計測




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