さて製品の外箱を開封すると、付属のXbox 360ワイヤレスコントローラーだけで操作可能な意味合いの紙が目に飛び込んでくる。セッティングをして電源を入れると、Windows 8.1の画面ではなく、独自のAlpha UIが立ち上がるので、Steam IDでのログインを終えると準備完了だ。このAlpha UIはWindows上で動作するアプリケーションの1つとなっており、Windows側から見るとユーザープロファイルの1つになっている。
ただし、Alpha UI使用時にWindowsのショートカットキーを押してもカット&ペーストなどは行えるが、Alt+Tabの同時押しからWindowsへと戻ることはできない、そもそもエクスプローラが起動していないなど、ゲーム機らしい使い勝手が徹底されている。
パッケージの環境、つまりコントローラーを接続した状態だけだと、Windowsを起動する方法がないというのも、ある意味で漢(おとこ)らしい。ここで気になるのは起動時間で、30秒ほど待たされる。スリープを解除した場合は5秒ほどだが、致し方ないところだろうか。
Alpha UIには設定メニューが用意されている。簡素なものだが、重要なのはホットキーの項目だ。たまにAlpha UIが固まることもあったため、LT+LB+RT+RB+ガイドボタンでシステムメニューを呼び出せることだけは最初に覚えておきたい。
また設定画面では、Alpha UIからWindowsに切り替えることもできる。Alpha UIからWindowsへの切り替えは、マウスを接続している場合のみOKだ。ただし、Alpha UI上からWindowsを起動すること(ログオフして、通常のアカウントにログオンの流れ)が必要になり、起動直後からWindowsを選ぶことはできないようだ。逆にWindowsからAlpha UIの起動はデスクトップ上にあるAlpha UIを起動するだけでよかったりする。
Alpha UIとSteamの組み合わせにより、ゲームをプレイするぶんには、PCとしてのスペックを意識することなく、いつものようにピザ代を貢ぐ感じで遊べてしまい、ゲーム機的な使い勝手だが、ブラウザ機能も用意されている。
このブラウザを使えば、コントローラー操作で意外と楽にWebブラウズできてしまうのだが、そうなると気になるのは最近旺盛なブラウザゲームへの対応だ。
HTML5ベースのものは普通に動作していたが、Flashベースのものは、Flashをインストールすることができず、プレイすることができなかった。この辺りに対応してくれると、よりゲーミングPC化すると思うのだが……あ、でもマルチタスク的な動きはできない仕様だからログインは面倒か……(もちろん、Windowsのデスクトップを起動してWebブラウザからFlashゲームを楽しむことは可能)。
なお、ALIENWARE Alphaが搭載するAlpha UIは、Windows上で動作する独自のUIだが、これとは別にValveはLinuxベースのSteam専用OSである「SteamOS」の開発を進めており、2015年11月にこれを搭載した「Stram Machine」がパートナー各社から発売される予定だ。米Dellも今回取り上げたALIENWARE AlphaをベースとしたStram Machineを投入するとアナウンスしており、Steamへのさらなる最適化が進むだろう。
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