そのHDDで本当に大丈夫? 適材適所のHDD選び自作の録画マシンに最適なHDD(2/2 ページ)

» 2015年04月06日 15時43分 公開
前のページへ 1|2       

低温動作、静音設計もWD AVの特徴

 WD AVの主なスペックは別表にまとめた。容量のラインアップは、AV向けHDDとしては最大クラスとなる4Tバイトまで用意されている。1Tバイト以下は掲載を割愛したが、下は160Gバイトまで用意されており、こういった低容量も監視システム向けなどで需要があるという。なお、物理セクタは4Kバイトで、論理セクタ512バイトのAdvanced Format(AF=512E)に対応する。

WD AVの主なスペック 4TB 3TB 2TB
製品型番 WD40EURX WD30EURX/WD30EURS WD20EURX/WD20EURS
インターフェイス Serial ATA 6Gbps Serial ATA 6Gbps(EURX)/Serial ATA 3Gbps(EURS) Serial ATA 6Gbps(EURX)/Serial ATA 3Gbps(EURS)
データ転送レート 150MB/s 145MB/s 130MB/s
キャッシュ容量 64MB 64MB 64MB
回転速度 Intelli Power Intelli Power Intelli Power
読み取り/書き込み時消費電力 5.1W 4.4W 4.4W
アイドル時消費電力 4.5W 4.1W 4.1W
スタンバイ/スリープ時消費電力 0.5W 0.6W 0.6W
動作時温度 0〜65℃ 0〜70℃ 0〜70℃
非動作時温度 -40〜70℃ -40〜70℃ -40〜70℃
アイドル時動作音 26dB 23dB 23dB
シーク時動作音(平均) 27dB 24dB 24dB
製品保証 3年 3年 3年

 最大転送速度は、4Tバイトモデルが150Mバイト/秒、3Tバイトモデルで145Mバイト/秒、2Tバイトモデルで130Mバイト/秒となっている。省電力志向の3.5インチHDDとしては標準的だ。前述したようにAV用途では、ピーク性能よりも継続して帯域を確保できることが重要になる。

 読み出しデータ位置に応じて最適にシーク速度を調整するIntelli Seek、回転速度を最適化したIntelli Powerといったウエスタンデジタルおなじみの低発熱、静音技術が導入されている。1〜3Tバイトモデルの動作音は、アイドル時23デシベル、シーク時24デシベル。これはWD REDの同容量帯と同じだ。4Tバイトモデルのみアイドル時26デシベル、シーク時27デシベルとなっている。

 デジタルビデオレコーダーなどのセットトップボックスへの内蔵を想定されているため、使用可能環境は、動作時非動作時とも最大70度(4Tバイトモデルのみ動作時65度)と通常のHDD製品よりも高めに設定されている。通常のPCならここまで高温になることはあまりないが、それだけ熱に対する耐性のマージンが多く確保されているということでもあり、心強いだろう。

 メーカー保証期間は3年間(店頭受付1年間+RMA2年間)で、WD Green(メーカー保証2年間)よりも長く設定されている点もポイントだ。

ベンチマークテストでは公称値を上回るスコアも

 単純な性能がセールスポイントの製品ではないが、参考までに基本性能をチェックしておこう。CrystalDiskMarkの結果はご覧のとおり。シーケンシャルリードでは公称値を少し上回るスコアが出ており、十分だろう。

CrystalDiskMark(左)とCrystalDiskInfo(右)の画面

 512Kリードのスコアが低いが、このあたりはアルゴリズム的に最も苦手なのかもしれない。AV用途ではもちろんほとんど考えられないが、PCの一般用途としても特に重要なサイズではないので、気にする必要もないだろう。

 また、ベンチマークテスト中でも動作音は至近距離まで耳を近づけないと分からないほどで、3.5インチHDDとしてはきわめて優秀な静音性だ。

「WD AV」は録画用ドライブの決定版

 実売価格は、3Tバイトモデルが1万3000円前後、4Tバイトモデルが2万円前後となっている。これはNAS用のWD REDと同じくらいの価格帯で、標準モデルのWD Greenより1000〜2000円くらいの上乗せだ。WD Greenが2年保証であることを考えると買い得感は高い。

 WD REDは人気が高いが、AV用途でのストリームの頻繁な読み書きやスリムなデザインのセットトップボックスへの内蔵を想定しているわけではない。そういった用途であれば、同じような価格であっても、このWD AVのほうが適している。レコーダー機能内蔵テレビやデジタルレコーダーの追加交換用HDDとして、あるいはPCの録画用ドライブ、動画データ保存用ドライブなどにお勧めできるHDDだ。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年03月29日 更新
  1. ミリ波レーダーで高度な検知を実現する「スマート人感センサーFP2」を試す 室内の転倒検出や睡眠モニターも実現 (2024年03月28日)
  2. Synology「BeeStation」は、“NASに興味があるけど未導入”な人に勧めたい 買い切り型で自分だけの4TBクラウドストレージを簡単に構築できる (2024年03月27日)
  3. ダイソーで330円の「手になじむワイヤレスマウス」を試す 名前通りの持ちやすさは“お値段以上”だが難点も (2024年03月27日)
  4. 「ThinkPad」2024年モデルは何が変わった? 見どころをチェック! (2024年03月26日)
  5. ダイソーで550円で売っている「充電式ワイヤレスマウス」が意外と優秀 平たいボディーは携帯性抜群! (2024年03月25日)
  6. 日本HP、個人/法人向けノート「Envy」「HP EliteBook」「HP ZBook」にCore Ultra搭載の新モデルを一挙投入 (2024年03月28日)
  7. 次期永続ライセンス版の「Microsoft Office 2024」が2024年後半提供開始/macOS Sonoma 14.4のアップグレードでJavaがクラッシュ (2024年03月24日)
  8. サンワ、Windows Helloに対応したUSB Type-C指紋認証センサー (2024年03月27日)
  9. 日本HP、“量子コンピューティングによる攻撃”も見据えたセキュリティ強化の法人向けPCをアピール (2024年03月28日)
  10. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー