相変わらず薄い「HP ZBook 14 G2 Mobile Workstation」の“第五世代”性能を試す薄さそのまま性能向上(3/3 ページ)

» 2015年04月23日 08時32分 公開
前のページへ 1|2|3       

ワークステーション“定番”ベンチマークで性能をチェック

 処理能力評価の前に、評価機は実際に販売する製品と仕様が異なっているため、改めて仕様を掲げておく。CPUはCore i7-5600U、システムメモリは16Gバイト、グラフィックスコアはFirePro M4150/Intel HD Graphics 5500、ストレージはM.2接続のHP Z Turbo Drive 256GB、OSが64ビット版 Windows 7 Professionalという組み合わせだ。システムメモリがあらかじめ増設した状態だ。また、今回はワークステーションの性能評価ということもあって、ゲームタイトルを使ったベンチマークテストの代わりに「SPECviewperf 12」を計測している。

 CPU性能を測るCINEBENCH R15の結果は、CPUに関しては312(cb)、シングルコア時で131(cb)となっている。デュアルコアCPU・4スレッド動作のCPUとしては妥当な成績といえるだろう。

CINEBENCH R15

 ストレージ性能はCrystalDiskMark 3.0.3bで計測した。こちらはデータサイズ1000MB時でシーケンシャルリード647.2MB/秒、シーケンシャルライトが589.8MB/秒という“驚異的”な結果となっている。内部PCI Express接続であるM.2規格に対応したSSDならではの性能といえる。Serial ATA接続のSSDの2倍の性能を有するという評価が正しいことを証明するスコアだ。

CrystalDiskMark 3.0.3bのベンチマーク結果。左がデータサイズ1000MB、右が4000MBとなる

 システムの総合性能を見るPC Mark 8の結果は、Homeが3743、Creativeが4004、Workが4760、Storageが4989と、こちらも非常に高い値を出している。PCMark 7でも計測したが、総合スコアで4970となった。特に、画像や動画周りの性能を示すCreativityや計算性能を測定するComputationなどの値が高い。

PCMark 8:Home

PCMark 8:Creative

PCMark 8:Work

PCMark 8:Storage

PCMark 7

 グラフィックス性能を見る3DMarkの結果は、Fire Strikeが1292、Sky Diverが4317、Cloud Gateが6722、Ice Stormが42003となった。FirePro M4150が3DCGやCADユーザー向けということもあり、ゲーム性能的にはそれほど高くない。この数値はZBook 14が搭載していたFirePro M4100(1Gバイト GDDR5)の数字をわずかに上乗せしたレベルだ。

3DMarkのテスト結果。外付けのGPUを搭載する製品だが、ワークステーション向けのチップということもあり、DirectXを使用するゲームにはあまり向いていない。ゲームはせずに「仕事に専念」するのがいいだろう

 「SPECviewperf 12」は、Mayaなどの主要な3DCG/CAD制作アプリケーションを使って性能を計測するベンチマークソフトだ。GPU側だけでなくCPUの性能も大きく影響する。ワークステーション向けのPCではメーカーの公式性能評価に用いることも多い。今回はSPECviewperf 12の公式サイトで掲載しているZBook 14(AMD Firepro M4100)のデータと比較した。結果を見る限りでは、ZBook 14 G2のスコアはすべての項目で上回っている。

70%SPECviewperf 12 ZBook 14 G2 ZBook 14(AMD Firepro M4100)参考
Catia平均 17.91 16.42
Creo平均 16.57 13.15
Energy平均 0.06 0.06
Maya平均 8.91 5.18
Medical平均 3.64 1.09
Showcase平均 9.17 5.05
SNX平均 20.48 15.92
SW平均 29.22 23.59

高品質なノートPCとしても

 ZBook 14 G2の価格は、HP Directplusで23万8000円(税別)とやや高価ではあるものの、ワークステーションとして十分な処理能力を有している。特にストレージ周りの速さも特筆すべきものがある。製品としての品質の高さもワークステーションユーザーとしては高く評価できるだろう。本体の強度やボディのデザインだけでなく、各種セキュリティ機能なども業務用途で安心できる。ストレージやシステムメモリの交換増設も簡単で性能強化がやりやすい。

 また、確かに高額ではあるものの、ワークステーションが個人ユーザーでも購入できる価格帯になっている点に注目したい。最近では3Dプリンタの低価格化により、3DCGユーザーやCADユーザーが個人でも年々増えており、Opne GL性能を求める機会が増えてきている。そうしたアプリケーションを多用するユーザーには、導入を候補したい製品といえるだろう。

HP Directplus -HP公式オンラインストア-

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー