これがキーボード着脱式モバイルPCの最前線だ――「ASUS TransBook T300 Chi」徹底検証(使い勝手編)MacBookとは違うCore Mマシンの可能性に挑む(4/5 ページ)

» 2015年04月23日 17時00分 公開
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液晶ディスプレイは高精細で広色域ながら輝度は控えめ

 12.5型ワイド液晶ディスプレイの表示解像度はWQHD(2560×1440ピクセル)。画素密度は約235ppi(pixel per inch:1インチあたりのピクセル数)と高く、肉眼ではピクセルの粒を視認できない高精細な表示だ。IPS方式の液晶パネルを採用し、視野角は上下/左右で178度と広い。色域はNTSC比で約72%とのことで、ほぼsRGB相当の鮮やかな発色だ。総じて表示品質は満足できる。

 また、液晶ディスプレイには静電容量式の10点対応マルチタッチスクリーン機能を搭載。表面は指の滑りがよく、タッチ操作の感度、レスポンスはともに良好だ。耐久性を向上させるため、ディスプレイ表面にはサファイア並の硬度というCorning「Concore Glass」を採用している。光沢仕上げの表面は、外光やユーザーの姿が映り込む。

2560×1440ピクセル対応の12.5型ワイド液晶ディスプレイは、約235ppiと画素密度が高く、高精細で滑らかな表示が可能だ。発色は鮮やかで、視野角も広いため、見栄えがよい

 気になったのは、輝度が少し低めなところだ。照度計(Zhangzhou WeiHua Electronics製LX-1010B)で画面中央部の明るさを計測したところ、輝度100%設定の全画面白表示で、181ルクスとやや暗めの結果だった(液晶ディスプレイの輝度仕様で使われるカンデラ/平方メートルやnitの値ではない点に注意)。屋内利用では十分な明るさだが、屋外では日陰で使うなどの工夫が求められるだろう。

最高輝度設定での明るさは、181ルクスとやや暗めだった

 ユニークな機能としては、独自の色調整ツール「Splendid Technology」がプリインストールされている。これを使えば、表示画面の色合いを「通常」「ブルーライト軽減」「ビビッド」「手動」へ任意に変更可能だ。実際に試してみると、ブルーライト軽減では色温度がいかにも低そうな赤っぽい表示に切り替わった。ビビッドでは、彩度が強調され明るくメリハリがつく。手動ではスライダーバーが現れ、色温度を変えられる。

 なお、液晶ディスプレイの製造元は非公開だが、ハードウェア情報の確認ツール「HWiNFO64」では「シャープ製のSH142C(LQ125T1JX03)、2014年製造」と表示された。

独自の色調整ツール「Splendid Technology」により、表示の色合いを切り替えられる(画像=左)。マイクロスコープで液晶ディスプレイの表示を拡大撮影してみた(写真=右)。ハードウェア情報の確認ツール「HWiNFO64」では、シャープ製の「SH142C(LQ125T1JX03)」と表示された

キーボードとクリックパッドはなかなかの使い勝手

 Bluetooth接続のキーボードは、キー間隔が離れたアイソレーションタイプの87キー仕様だ。キーボード左上にBluetoothのオン/オフスイッチと状況表示LEDが並ぶが、左側面に充電用のMicro USBがあるほかは端子類がなく、キーボードバックライトも備えていないシンプルな設計となっている。

 キー配列は素直で、主要キーのサイズは実測16.09(横)×14.82(縦)ミリと、縦方向に短い長方形だ。キーピッチは実測で19.03(横)×17.65(縦)ミリと余裕がある一方、キーストロークは実測で1.20ミリと浅かった。キーの剛性が高く、スイッチの反発も適切で、下押し感が良好なだけに、キーストロークが浅いのは惜しい(個人の主観なので、実機を確認いただきたい)。

 そのほか、キーボードの手前、中心線から左へ約2センチ離した場所に、左右ボタン一体型のクリックパッドがある。クリックパッドのサイズは実測で86.99(横)×45.56(縦)ミリと十分広い。ボタンはやや硬めだが感触がよく、操作性はまずまずだ。もちろん、Windows 8.1のタッチジェスチャーやマルチタッチジェスチャー機能に対応する。

Bluetooth接続のキーボードは、自然なキー配列でしっかりできている。クリックパッドの操作性もまずまずで、薄型軽量のカバー兼キーボードを採用する他の2in1製品より入力環境は有利と言える
主要キーのサイズは実測で横が16.09ミリ(写真=左)、縦が14.82ミリ(写真=右)と、縦方向が少し短い。キーピッチは実測で19.03(横)×17.65(縦)ミリと余裕がある

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