極薄ファンレスボディに秘められたCore Mの実力は?――「ASUS TransBook T300 Chi」徹底検証(ベンチマークテスト編)あのライバル機とも比較(2/3 ページ)

» 2015年04月28日 18時30分 公開
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薄型ボディゆえにバッテリー駆動時間はもうひとつか

 Webブラウズとテキスト入力を想定したバッテリー駆動時間テスト(BBench 1.01)では、満充電から残り5%までで4時間31分動作した。残り1%の4時間47分まで確認できたが、公称値の約6時間36分には及ばない。

 公称値とはテスト条件が異なるため、結果が違うのはいいのだが、Core M搭載の2in1としてバッテリー駆動時間はもう少し頑張ってほしいところだ。設計では薄型ボディを最優先し、バッテリー容量はそこそこ(ツールで調べたところ約31ワットアワー)という選択をしたのだろう。

BBench 1.01のテスト結果(残量5%まで)

ファンレスボディは騒音なし、テストでは発熱も問題なし

 薄型ファンレスボディということで気になるのが発熱だが、今回の試用では問題なかった。19.8度の室内でFF14ベンチを2回以上実行して放射温度計で計測したところ、タブレット本体背面の最高温度となった部分でも34.4度(中央左)だ。ここでもCore Mプロセッサの優れた電力効率を見せつけている。

 同時にハードウェア調査ツールのHWiNFO64で計測したCPUの温度は、CPUパッケージで最高82.0度だった。Core M-5Y71の最高動作温度(Tjunction)は95度なので、高負荷の状態でもまだ余裕がある。

 これから気温が上がってくる季節になると、冷却ファンを内蔵しないTransBook T300 Chiは一度上昇した温度が下がりにくい傾向にあるため、特に高温下でのモバイル利用では気を付けたいところだ。それでもCore Mで十分な処理性能を確保しつつ、ファンレス設計で本体に武骨な排気口がなく、動作時に騒音が発生しないのは大きな魅力と言える。

タブレット本体背面の最高温度は34.4度だった(室温19.8度)
HWiNFO64で計測したFF14ベンチ実行中のCPU温度(室温19.8度)

 参考までに、本体に装着したキーボード底面の最高温度は23.1度(右上)、液晶ディスプレイ面の最高温度は36.2度(右下)だった。キーボード着脱式の2in1ならではのメリットだが、プロセッサがタブレット本体側に内蔵されているため、キーボードはほとんど発熱しない。これは通常のクラムシェルノートPCに対するアドバンテージだ。膝上で作業しても足に不快な熱が伝わってくることがないのは頼もしい。

本体に装着したキーボード底面の最高温度は23.1度だった(室温19.8度)
ボディ表面温度の計測結果(FF14ベンチ2回以上実行)
タブレット本体の背面
計測部 左上 中央上 右上 中央左 中央 中央右 左下 中央下 右下
計測値 31.9度 28.6度 26.6度 31.9度 29.9度 26.9度 32.4度 27.6度 22.8度
タブレット本体の液晶ディスプレイ面
計測部 左上 中央上 右上 中央左 中央 中央右 左下 中央下 右下
計測値 26.3度 28.8度 32.9度 27.1度 30.4度 35.8度 28.6度 30.1度 36.2度
キーボード/パームレストの表面
計測部 左上 中央上 右上 中央左 中央 中央右 左下 中央下 右下
計測値 26.4度 31.6度 31.7度 21.6度 22.4度 23.1度 21.0度 21.8度 22.6度
キーボード/パームレストの底面
計測部 左上 中央上 右上 中央左 中央 中央右 左下 中央下 右下
計測値 20.6度 21.4度 23.1度 22.2度 20.8度 20.6度 21.4度 21.2度 21.2度

ベンチマークテストの概要

  • バッテリー駆動時間テスト
    1. BBench 1.01

※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%までの時間を計測

  • 発熱テスト
    • 放射温度計(シンワ製、レーザーポイント機能付き)でボディ表面温度を実測(室温19.8度)

※キーボードを装着した状態で計測


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