―― お二人ともヘビーに3DCG製作をされているので、PCの評価も気になります。今回のレビュー機を触ってみていかがでしたでしょうか? 前回は「手持ちの機種の3倍速い」という感じでしたが……。
IKEDA 書き出し時間でいうと、比較対象として前回の機種(旧モデル)を用意し、「パストレーシング」など重い設定で10秒ほどのアニメーションをレンダリングしてみたところ、旧モデルでは27時間、新モデルでは22時間と1.2倍以上速くなりました。3倍まではいきませんでしたが、5時間も短かくなればうれしいですね。ほかにもポリゴンの分割数で面白い結果が出てます。
―― ポリゴンの分割数?
IKEDA 3Dモデルはポリゴン数を増やしていくほど表面がなめらかになって、例えば、歯がきれいに作れたりしますが、もちろん表示も重くなっていきます。そしてポリゴンを増やしすぎると、マシンがフリーズしてしまうんです。じゃあ、どこまで増やせるかという実験を、3D PETSHOPで使っているオートデスクの3Dモデル作成ソフト「Mudbox」で試したところ、旧モデルは1億ポリゴンまでOKだった。
ぽん えええー。
―― 旧モデルでも、ものすごい数ですね。
IKEDA でも新しいほうはなんと4億ポリゴンまで行けました。
―― すごい。4倍とは(笑)。億単位になるとちょっと想像できないですが、それって普通に操作できるんですか?
IKEDA なんとか動いている感じです。でも旧モデルは1億以上まで上げると、メモリ不足の警告が出て操作不能になってしまう。旧モデルが16Gバイト、新モデルが32Gバイトというメモリ容量の差が大きく出てますね。あとはグラフィックスカードの違いも大きい。もちろん、普段は億単位でポリゴンを扱うことはないのですが、このポリゴン数をだんだん下げていって、例えば、500万や1000万となったときでもサクサク感が変わってくる。
―― それは旧PCでもパーツを交換しちゃえばいいとか?
IKEDA パソコンに詳しい人ならできるかもしれませんが……例えば、ぽんさんはスゴいクリエイターですけど、パソコンのことは意外と分かってない。
ぽん ダメなんですよー。ハードのことはよく分かってなくて。
―― そうなんですか! 3DクリエイターはみんなPCにも精通しているイメージが勝手にありました。
ぽん IKEDAさんにも「何のPCを使ってるんですか?」と聞かれて「???」という感じで……。実は夫がパソコンの自作に詳しくて、「このソフトがサクサク動くようにしてほしいです」というような感じでおまかせしちゃってます。
―― 世の中の自作大好きお父さんがうらやむ、ものすごい利害の一致ですね。
IKEDA そうしたPCに詳しい人が身近にいなくても、とりあえずゴツいPCがほしければ、今回試したサイコムさんの「Lepton」を買っておけばいいのかなと思います。それに量販店などで買ったメーカー製のPCは、余計なソフトが入ってますよね。突き詰めたパフォーマンスだけシンプルに手に入る点もいいです……あっ、そういえば1つだけ困ったことがありました。
―― 何でしょう。
IKEDA 一番最初にマシンを触ったとき、起動ボタンが見つからなかったんです。箱から出してケーブルをつないで、背面の電源スイッチを入れて、じゃあOSを立ち上げようかってときに「ボタンがないんですけど」って慌てました。
―― 結局どこにあったんですか?
IKEDA 本体の上部にありました。ちょうど説明書を載せてて隠れてしまっていたんです(笑)。
―― それは(笑)。PC本体を足元に置くのを想定して、電源ボタンが上にあるのだと思います。
IKEDA・ぽん あー、なるほど!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.