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新Atom x7を搭載した「Surface 3」の気になる性能は?――米Microsoft担当者に聞く本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/3 ページ)

» 2015年05月20日 10時30分 公開
[本田雅一ITmedia]

サティア・ナデラ新CEOのもと、さらに重要な製品になったSurface

―― サティア・ナデラ氏のCEO着任以来、Microsoftの戦略は大きく変化しています。その中でSurfaceシリーズの位置付けは変化しているのでしょうか? それとも変化はありませんか?

ホール氏 確かにサティアがCEOになってから、社内はさまざまなことが変化しました。1つは「モバイルファースト、クラウドファースト」の戦略で、これによって(Surfaceのような)「デバイスの重要性」が、より一層強調され、Surfaceはさらに重要な製品になっています。

新製品発表会のスライドより。Surfaceシリーズは、コンピュータを道具として使った場合の生産性を高めることにフォーカスを当ててきた

 同じ頃、Microsoftは会社全体が「自分たちはどうあるべきか」を考えていました。そこで行き着いた答えとは、Microsoftはプロダクティビティ、すなわち生産性を高める製品を作ってきた会社だということです。最初のSurface、第2世代、そしてSurface Pro 3の発表。ずっと一貫してるのは、仕事や学習といったコンピュータを道具として使った場合の生産性を高めることにフォーカスを当てていることです。

 タブレットにおけるライバルは、ゲーム、音楽、映画などについて話をしていることが多かったと思いますが、我々が考えているのはよりよく仕事をこなして成功することだったり、学生であれば学習効率を上げることであり、クリエイターならよりよい成果物を得られるようにすることです。そこにフォーカスしてきました。

 そのために、デバイス(ハードウェア)は大切な要素ですし、以前よりも重要性が高まっています。さらにはSurface Pro 3がグローバルでヒット商品になったことで、会社としてもっと投資をしていこうという機運になっています。

LumiaとSurfaceの連動性は、iPhoneとMac以上?

Windows Phone搭載のスマートフォン「Lumia」。写真は5.7型大画面モデルの「Lumia 640 XL LTE」だ

―― Windows Phoneの「Lumia」とSurfaceの間には5型近い画面サイズのギャップがありますが、この間のサイズの製品に興味はありますか?

 Surfaceには84型大画面の「Surface Hub」もあります。これは大人数で会議するときにとてもよいハードウェアです。12型のSurface Pro 3は、タブレットとしてもよくできていて、ペンでの快適な入力もできますが、ほとんどの時間はノートPCのように使われています。そして10.8型のSurface 3は、カバンの中に入れるのにちょうどいいサイズです。一方、Lumiaで最も大きな6型はどうでしょう?

 おそらく、その間にも適した用途があるでしょう。いろいろなサイズの部屋に、さまざまなサイズのテレビがあるように。しかし現時点で、高い生産性と携帯性のバランスを考えたとき、Surface 3はよい製品だと思います。

―― Lumiaの設計チームとは協業しているのでしょうか? 例えば、iPadとiPhone、Macが連動するように。SurfaceとLumiaは連動するよう話し合っていますか?

ホール氏 Lumiaの開発チームとは組織として統合されましたから、一緒にいろいろな取り組みをしていますし、情報共有も密に行っています。

 LumiaとSurfaceで一番の重要なつながりは、クラウドサービスであるOneDriveを介したものです。いろいろなLumiaとSurfaceがありますが、Microsoftアカウントでサインインすると、簡単に両者が連動できるように作られています。iPhoneとMacの間よりも多くの連動性があります。

 もちろん、彼ら(Apple)も優れているところがたくさんあり、その点はリスペクトしています。しかし、Microsoftが優れているのは、パーソナルな使い方と仕事における使い方、両方を1つにするのが得意なところです。例えば最近のOneDriveを見てください。大きく進化しています。

 Appleに関して他にも言及しておきたいのは、彼らが本当に「美しい」製品を作ってきたことです。さらには、美しい、見栄えがよいというだけでなく、Appleの製品を所有し、使っていることが誇らしいと思える、そんなブランドに育てたことが重要な点だと思います。

 Surfaceを開発するうえで、我々もそうした点を見習いました。我々は製品の中にきめ細かいデザインディテールを盛り込み、持っているだけで誇りに思えるような製品を作る努力をしています。キーボードの美しさ、ファブリック部分の触った感触、美しいカラーに仕上げたスタイラスペン、それに輝くロゴなどです。Surfaceを開発することが誇れるよう、使っている人が誇れるよう、そのように考えて作り込んでいます。

Surface 3のキックスタンドに配置された鏡面仕上げのWindowsロゴは、ステンレス製の非常に薄いシートを貼り付けて作られた。こうしたデザインのディテールにもこだわっている

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