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「VAIO Z Canvas」受注開始――クリエイター向け“怪物タブレット”の全容が明らかに【詳報】3連ファンで4コアCore i7を放熱(2/4 ページ)

» 2015年05月21日 09時00分 公開
[前橋豪ITmedia]

「高密度実装技術」と「放熱設計技術」を突き詰めたボディ

 アスペクト比3:2の12型液晶ディスプレイを搭載したボディは、ペンでの描画のしやすさ、持ち運びやすさ、バッグへの収まりやすさなどを考慮し、A4ノートサイズをターゲットに設計された。

 タブレット本体の外形寸法は約301(幅)×213(奥行き)×13.6(高さ)ミリ、重量は約1.21キロ。これと組み合わせるワイヤレスキーボードは、外形寸法が約301(幅)×213(奥行き)×4.4(高さ)ミリ、重量が約340グラムだ。2つ合わせて厚さは約18ミリ、総重量は約1.55キロとなる。

 「15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」級の性能を持ちながら、「13インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」以下のサイズと重量を、タッチパネルとペン機能にも対応したうえで実現できているのが強みと、同社はアピールする(画面サイズは12.3型3:2と一回り小さいが)。

A4ノートに近いサイズに収まっている

 タブレット本体の背面にはチルト角度を無段階に調整できるスタンドも内蔵。一般的なタブレットのスタンドはヒンジが上部にあるが、VAIO Z Canvasではヒンジを下部に設けており、内蔵スタンドが上から下に開く逆向きの構造となっている。

 内蔵スタンドは一度開くと、画面の端を持って前後にチルト角度を調整をしても、スタンドがしっかりその角度を保持でき、少し力を加えてペンで描画したくらいでは倒れない。画面をある程度まで寝かせると、スタンドはパタンと閉じる。

背面には大きめのスタンドを内蔵。右上にアウトカメラ、右側に通風口を配置している
内蔵スタンドは無段階にチルト調整が可能だ。画面をかなり寝かせた状態までチルトでき、少し力を加えてペンで描いたくらいでは倒れない

 ボディはアルミニウム合金の切削で作られ、シルバーのアルマイト処理とブラスト加工によって、汚れが目立ちにくく、高い質感、剛性感にも配慮した。液晶ディスプレイの表面ガラスは一般的な表裏の2面強化タイプではなく、表裏と前後左右の6面強化タイプを用いており、アルミ削り出しボディとサンドイッチ構造にすることで堅牢性を高めた。

開発時に行われた品質試験の様子。ディスプレイ表面ガラスの強度試験
内蔵スタンドの開閉試験
本体ひねり試験
落下試験

 ボディ内部の設計は、VAIO Z(VJZ13A)同様、独自の「高密度実装技術」と「放熱設計技術」を融合させたメインユニット「Z ENGINE」を採用。特にVAIO Z Canvasでは放熱設計技術を追求することで、TDP 47ワットというタブレットでは非常に発熱量が多く、消費電力が高いCore i7 Hプロセッサを厚さ13.6ミリ、重さ約1.21キロのボディに搭載しているのが大きな特徴だ。

 大型の冷却ファンを3基内蔵し、プロセッサに装着した超薄型ヒートパイプを2本立体交差させて各ファンのヒートシンクに導くことで、長時間システムに高い負荷がかかっても確実に排熱し、レスポンスを低下させずに利用できるという。羽根形状を新開発した3基のファンを、それぞれ個別の周波数制御で低速回転させることで、複数ファンの干渉による不快なうなり音を抑え、最大16デシベル以上の静音化を実現している。

 内蔵のリチウムポリマーバッテリーは63ワットアワーの大容量を確保。消費電力の高いCore i7 HプロセッサをA4ノートサイズのボディに搭載しながら、バッテリー駆動時間は公称で約6.7〜7.6時間(JEITA 2.0)をうたう。

大型の冷却ファンを3基内蔵し、プロセッサに装着した超薄型ヒートパイプを2本立体交差させた強力なクーリングシステム。3基のファンは静音性も重視した設計がなされている
上面には大きな排気口が設けられている
高密度実装技術によるメインボード。Core i7 Hプロセッサ搭載機としては小型にまとまっている。側面の端子類もメインボードに実装し、サブボードなどに分けないシンプルな設計だ

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