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「VAIO Z Canvas」受注開始――クリエイター向け“怪物タブレット”の全容が明らかに【詳報】3連ファンで4コアCore i7を放熱(3/4 ページ)

» 2015年05月21日 09時00分 公開
[前橋豪ITmedia]

Adobe RGBの広色域/カラマネにも対応する高精細ディスプレイ

 タッチパネル付きの12.3型液晶ディスプレイは、アスペクト比が3:2、解像度が2560×1704ピクセルと特殊な仕様だ。画素密度は約250ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)と高精細な表示となっている。

 発色については、Adobe RGBカバー率95%以上の広色域を確保した。専用のカラーマネジメントモードを備えており、D50/D65の色温度を選択できるほか、エックスライトの測色器「Color Munki Photo」を使ったカラーキャリブレーションも可能だ。

 液晶パネルと表面ガラス(タッチパネル層)の間にある空気層を透明樹脂で埋めて、発色を向上させつつ、視差を低減するダイレクトボンディングを採用している。ディスプレイの表面処理はグレア(防汚・指紋防止コーティング)だ。光の反射を抑えながら、ペンの摩擦を高める「液晶保護シート」(+税別2480円、出荷時貼り付けサービス費込)も追加できる。

アスペクト比3:2の12.3型液晶ディスプレイは、高精細で広色域だ。カラーマネジメントにも対応している

ハードとソフトの両面で書き味を追求したペン機能

 デジタイザスタイラスは、視差の小さいN-trig製の筆圧対応ペンを採用。同社がクリエイターからのフィードバックを受けて独自にチューニングし、画面からペンを少し浮かせたホバー時のカーソル追従性、および書き味を向上させている。また、好みに合わせてペン軸の太さを変えられるグリップも追加した。硬さの異なる2種類のペン先が付属する。

 筆圧レベルも従来の256段階から1024段階に高めた(ソフトウェアによる1024段階の筆圧調整が可能で、ハードウェアとしては256段階に最適化して出力される)。「筆圧カーブ調整」機能により、4点で筆圧のカーブ形状を設定することで、ユーザーの好みに応じたカスタマイズも可能だ。

 アルミ製ペンのボディには2つのボタンを搭載。ホバー中に上側のボタンを押すと「OneNote」が起動し、下側のボタンを押すと「VAIO Clipping Tool」によるスクリーンショットおよびトリミングの作業が行える。また、ロック画面で上側のボタンを押すと、直接OneNoteのノート作成画面が起動でき、直ちにペンでの描画が可能だ。タブレット本体の側面にペンを装着できるペンホルダーも用意している。

VAIOロゴが入ったブラックのデジタイザスタイラス。ペンのボディはアルミ素材で、2つのボタンとクリップが付いている
好みに合わせてペン軸の太さを変えられるグリップも付属する

クリエイターの要望から生まれたボタンとショートカットメニュー

 ペンで描いている際に、画面に触れた手の平を誤認識しないようなパームチェック機能を備えるほか、指でのタッチ機能をオフにするボタンをボディ上面の右端に装備した。ボディ上面の左端には専用のショートカットキーメニューを表示するボタンも搭載する。タッチパネル無効時でも、このショートカットキーメニュー部のタッチ操作だけは反応する仕組みだ。2つのボタンの割り当てやメニューの表示位置も変更できる。

 ショートカットキーメニューは、アプリケーション毎に最大12個のショートカットを設定可能だ。ファン音の制御(3段階)、筆圧モード(3段階)、色温度(D50/D65)も切り替えられる。また、タブレット本体に外部ディスプレイを接続すると、「ペンマッピング」のショートカットも選べるようになり、マルチディスプレイでの操作環境を簡単に構築できるよう工夫している。

 なお、タブレット本体のHDMI出力は最大4096×2160ピクセル/24Hzまたは3840×2160ピクセル/30Hz、Mini DisplayPort出力は最大4096×2160ピクセル/30Hzまたは3840×2160ピクセル/60Hzをサポートし、同時出力が可能だ(各ポートの最大解像度まで対応)。

上面には排気口のほか、ペン入力時に指でのタッチ機能をオフにするボタンと、独自のショートカットキーメニューを表示するボタンがある
ボタンを押すと、画面の端からWindows 8/8.1のチャームを思わせるショートカットキーメニューが現れる

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