ポップでキュートな格安モバイルノート――「LuvBook C」を試す実売3万円台から(2/2 ページ)

» 2015年05月21日 09時30分 公開
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ベンチマークテストで性能をチェック

 LuvBook Cは、Bay Trail-M(開発コード名)の名で知られるCeleron N2840(2.16GHz/最大2.58GHz)を採用する。デュアルコアCPUではあるが、TDPが7.5ワットの省電力向けCPUであり、どの程度の性能を持つのか気になるところだ。定番ベンチマークプログラムでパフォーマンスを検証していこう。

 今回評価機として取り上げた「LB-C220S-SSD」の構成を再掲すると、Celeron N2840(2.16GHz/2.58GHz)、8Gバイトメモリ(PC3-12800 DDR3L/ただしPC3-10600動作)、256GバイトSSD(ADATA製「SP900」シリーズ)となる。なお、メモリスロットは1基でモジュールの増設ができず、シングルチャンネル動作になるほか、SSDも内部的にはSerial ATA 2.0接続(3Gbps)になっている。

CPU-Zと。Celeron N2840は定格2.16GHz、最大2.58GHzで動作する2コア/2スレッドのCPUだ。内蔵グラフィックスはHD Graphisでベースクロックが311MHz、バースト時に最大792MHzとなる

 まず、CPU性能の計測するCINEBENCHの結果を見ていこう。CINEBENCH R11.5は0.93(pts)というスコアになった。これはCore M-5Y31(900MHz/最大2.4GHz、ただしMacBookは1.1GHzで定格動作)を搭載する「新しいMacBook」の6割程度の数字。Celeron N2840はクロック自体は高いものの、1Mバイトというキャッシュ容量やHT非対応という点で処理性能は数段劣っている。CINEBENCH R15も同様に76(cb)という低めのスコアだ。ストレージにSSDを採用することからOSやアプリケーションの起動でストレスはほとんどなかったが、ファイルの圧縮/解凍やシステムの復元、動画のエンコードなどでもたつく場面があるかもしれない。

CINEBENCH R11.5の結果

CINEBENCH R15の結果

 SSD性能を見るためにCrystalDiskMarkのバージョン4.0.3と3.0.3を実行してみた。結果は下に掲載した画面の通りで、Serial ATAインタフェース(3Gbps)の帯域をいっぱいに使っていることが分かる。最新SSDに比べると遅いとはいえ、HDDに比べれば非常に高速なのは間違いなく、むしろ評価機の4万9800円(税別)という構成で256GバイトSSDを搭載していることに驚くべきかもしれない。

CrystalDiskMark 4.0.3(画面=左)とCrystalDiskMark 3.0.3(画面=右)

 実際のアプリケーション操作からシステム性能を測るPCMark 7は総合スコアで2828となった。ストレージにSSDを採用することもあり比較的高い数字で、クリエイティブワークやゲームなどを除けば十分こなせる性能を持っていることが分かる。PCMark 8はHomeが1275、Creativeが1051という結果だ

PCMark07の結果

PCMark8 Home

PCMark8 Creative

 グラフィックス性能も見てみよう。3DMarkの結果を見ると、Ice Stormなど負荷の軽いテストでは比較的高い数字が出ているものの、Celeron N2840内蔵のHD Graphisで3Dゲームをするにはかなり厳しいことが分かる。FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編も試してみたが、1280×720の標準ノートPC設定でも1261(設定変更が必要)とプレイするのが困難なスコアとなった。ブラウザゲームならともかく、本格的な3Dゲームを楽しむのはまず無理だろう。

3DMarkの結果

FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編

 なお、Webブラウズやテキスト入力程度の作業ならファンノイズが聞こえる場面はなく、静音性は優秀な部類。この製品で高負荷な処理を連続することはあまり考えられないが、試しに3DMarkを連続実行したところさすがにファンは高速で回転し、左側面の排気スリット付近はそれなりに熱を帯びた。とはいえ、手が触れるキーボード面で不快な熱を感じることはなく、左パームレストがほんのりと暖かくなる程度。底面はそれなりに発熱するが、左側面の排気スリットは船底形に斜めに切られているのでヒザの上に置いても極端に熱く感じることもなく、きちんと配慮されている印象だ。


 ここまで見てきたように、LuvBook Cは性能よりも見た目や携帯性、そして何より価格を重視したいユーザーにオススメの製品だ。クリエイティブな作業をバリバリやりたいというニーズには応えられないが、普段使いの用途には十分な性能を備えている。

 ただ、税別3万4800円の最も安価なモデルは、3万円台をうたうための“見せ球”的な側面があると思われ、メモリが2Gバイトかつストレージも320GバイトHDDと、体感的にも低スペックを感じる可能性がある。今回評価したLB-C220EN-BGのほうが性能面でバランスがよく、コストパフォーマンスも高い。予算に余裕があれば是非こちらを選びたい。

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