FuturemarkのPCmark 7とPCMark 8は、実際のWindowsアプリケーションを使ってPCの用途全般をシミュレートする定番ベンチマークテストだ。PCの総合的な性能を評価する目安として実施している。
PCMark 7の処理内容は現在となってはライトな内容で、4コア/8スレッドCPUのマルチスレッド処理性能が生きる場面も少ないが、それでも総合スコアでVAIO Z(VJZ13A1)を上回る高スコアをマークした。VAIO Z(VJZ13A1)はハイエンドなパフォーマンスを備えたモバイルPCなので、VAIO Z Canvasがそれを上回っていることに、改めて驚かされる。
PCMark 8 Home(Home Accelerated 3.0)のテストでは、CPUパワーが必要なビデオチャットエンコーディング(Video Chat encoding v2)や、3D描画性能が求められるカジュアルゲーム(Casual Gaming)で良好なスコアを出しており、これもVAIO Z(VJZ13A1)を上回っている。VAIO Pro 13(VJP1311)と比べると、総合スコアで約33%よい。
Home Accelerated 3.0スコアの詳細 | |||
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製品名 | VAIO Z Canvas(VJZ12A1) | VAIO Z(VJZ13A11) | VAIO Pro 13(VJP1311) |
Home Accelerated 3.0 Score | 3350 | 3236 | 2510 |
Web Browsing - JunglePin(s) | 0.375 | 0.346 | 0.336 |
Web Browsing - Amazonia(s) | 0.163 | 0.144 | 0.14 |
Writing(s) | 5.36 | 4.78 | 4.21 |
Photo Editing v2(s) | 0.21 | 0.235 | 0.793 |
Video Chat v2 / Video Chat Playback 1 v2(fps) | 30 | 30 | 29.3 |
Video Chat v2 / Video Chat encoding v2(ms) | 60 | 65.7 | 86 |
Casual Gaming(fps) | 46.1 | 32 | 22.5 |
Benchmark duration | 35分34秒 | 35分43秒 | 39分41秒 |
なお、評価機の都合上、比較対象の機種はないが、クリエイティブアプリケーション中心のテスト「Creative」、ビジネスアプリケーション中心の「Work」テストも行った。特に前者のテストは一般的なモバイル向けノートPC/タブレットには負荷が高すぎるテストなのだが、4381という高いスコアをマークしているのはさすがだ。後者は3826というスコアだった。
これまで見てきたテストは、Windows 8.1 Updateの電源プランを「バランス」、「VAIOの設定」ユーティリティでの「CPUとファンの動作モード」を「パフォーマンス優先」に設定して実施してきた。ここでは標準設定をいくつか変更し、ベンチマークテストの結果を比較していこう。
まず、「CPUとファンの動作モード」を「パフォーマンス優先」にしたまま電源プランを「高パフォーマンス」に設定した場合だが、どのテストでも電源プラン「バランス」の設定時とほとんど変わらなかった。
一方、「CPUとファンの動作モード」を「標準」に変更した場合には、かなりスコアに影響が出た。PCMark 7の総合スコアは「パフォーマンス優先」設定時の90%相当だったが、CINEBENCH R15のCPUスコアでは63%相当、3DMarkのCloud Gate、SkyDiverもそれぞれ61%相当、66%相当に低下しており、マルチスレッド性能や3D描画性能が抑えられている。
「CPUとファンの動作モード」を「静かさ優先」にすると、さらに影響は顕著だ。CINEBENCHのCPUスコアや3DMarkのSkyDiverスコアは「パフォーマンス優先」設定時の1/4ほどに、PCMark 7の総合スコアも71%相当に下がった。この設定はタブレットとしてカジュアルにWebブラウズや動画鑑賞などを楽しむ場合向けと考えたほうがよいだろう。
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