5月28日21時、AMD製APUの最上位モデルとなる「A10-7870K」の販売が解禁となった。価格は1万9000円前後で、多くのショップが目立つPOPを作って盛り上げている(関連レビュー:なにがどれだけ変わる?「AMD A10-7870K」で確かめるGodavariの存在意義)。
A10-7870Kは開発コード「Godavari」に属するモデル。4コア4スレッドのCPUコアとGCNアーキテクチャを採用した8コアのGPU「Radeon R7」を搭載しており、クロック数はCPU側が3.9GHz(ターボ時4.1GHz)、GPU側が866MHzとなる。TDPは95ワットで、ソケット形状は「Kaveri」と同じSocketFM2+となる。新たにWindows 10で採用されるDirectX 12をサポートしているのが特徴の1つだ。
話題性の高い製品ながら、ユーザーからの反響はまだほとんどない様子だった。5月29日夕方の時点で某ショップは「AMD系マザーのUEFIを全部アップデートしたのに、まだ1つも売れないどころか問い合わせもありません。Kaveriを底上げした感じの仕様なので、そこそこ優秀ですが、劇的な変化はないですからね。様子見している人が多いのかも」と肩を落としていた。
別のショップは「昔に比べるとAMDユーザー自体が少ないですからね。対岸でくす玉が割れても気にしない感じなんでしょう」とさらに素っ気ない。
ただ、完全に無風というわけではない。AMD系プロセッサーやマザーの品ぞろえに定評のあるTSUKUMO eX.には、発売時に複数のユーザーが集まった。同店は「予想以上でしたね。多くの人はAPU単体で買っていかれたので、Kaveriから載せ替えて使う予定なのだと思います」と話していた。
そして、今後の盛り上がりに期待する声もあった。パソコンSHOPアークは「DirectX 12対応はWindows 10の登場後に真価を発揮しますから。内蔵グラフィックスでゲームしたいという人には今でも一定の評価のあるシリーズですし、じわじわと評価が広まればいいですね」と話していた。
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