アネリーズ・オルセン氏は、実にユニークなデスクトップPC「Sprout by HP」を紹介した。米国で2014年10月に発売された製品で、日本では発売未定となっている。
このSprout by HPは、タッチパネル搭載の23型フルHD液晶ディスプレイと静電容量式タッチマット(20点マルチタッチ)によるデュアルスクリーンと、HP DLPプロジェクターおよびIntel RealSense 3Dカメラを含む4つのカメラで構成される「The Sprout Illuminator」を備えたクリエイター向けの独創的なオールインワンPCだ。
液晶ディスプレイの上方にマウントされたカメラシステムを使って、タッチマット上に置いた2D/3Dのオブジェクトを簡単にキャプチャーし、2D/3Dのデジタルデータ素材とすることができるほか、タッチマット上にプロジェクターで投写したスクリーンをタッチ操作して直感的にデジタル編集や加工したアートを作成することが可能だ。
続いて、シンガポールの人気タトゥーアーティストのスー氏と、同じくシンガポールで有名な服飾デザイナーのケビン・ショー氏がゲストで登場。スー氏は、ヘビをスキャンしてデジタル化し、編集加工したイメージを、その場でタトゥーを彫って見せたほか、同じイメージをマグカップやコースターに転用した作品を披露した。ケビン氏も同様にそのスキャンデータからスーツの柄をデザインし、その場で仕立てて見せた。
つまりは現実をデジタル化して取り込み、デジタル上で自由な発想で加工/編集してアートを作成し、現実に還元するというデモだ。HPではこれをデジタル世界と現実の壁を越える「Blended Realityエコシステム」と呼んでいる。Sprout by HPは、現在米国のみで販売されているが、今後は東南アジア地域でも展開していくことを明らかにした。
その後に行われたショーケースでも、Sprout by HPのカメラシステムやデュアルスクリーンを活用したさまざまなアプリケーションのデモが披露され、クリエイターやアーティスト向けだけにとどまらない、さまざまなBlended Ralityエコシステムの可能性が示された。
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