もう少し範囲を広げて、候補となり得る製品について見ていこう。実売1万円台前半で購入できる日本ヒューレット・パッカード(HP)の「Officejet 100 Mobile」もチェックしておきたい。
ここまで紹介した製品に比べると本体サイズはやや大きめだが、それは据え置きタイプのプリンタと共通のインクカートリッジが使えるよう設計されていることが大きな理由だ。専用品でないためインクの入手性が良好で、また同じカートリッジが使える据え置きプリンタを導入すれば、消耗品を1本化できる利点もある。
なおバッテリーはオプションとなるほか、標準でWi-Fiに対応しておらず、オプションを追加することで初めてWi-Fiでの印刷に対応する(Bluetoothには標準で対応している)。このほか、はがき印刷には対応しない点も注意したい。
プリンタ機能に加えて、コピー機能、スキャナ機能まで搭載した「モバイル複合機」が、日本HPの「Officejet 150 Mobile Aio」だ。先ほど紹介したOfficejet 100 Mobileの兄弟モデルに相当するが、本体サイズがほんの一回り大きい程度にもかかわらず、コピー機能とスキャナ機能を搭載していること、そして2万円を切る求めやすい価格に驚かされる。
重量が3キロを超えるため、バッグの中に常時入れて持ち歩くにはさすがに不向きだが、クルマでの移動であれば問題はなく、また短期的にイベントの会場や仮設事務所などに設置する用途にもおあつらえ向きだ。何より、単機能のモバイルプリンタに、ポータブルタイプのスキャナを組み合わせてもこの重量で収めることはまず不可能なので、コピーを含めた3つの機能を必要とする人にとっては、またとない選択肢と言える。
なお、前述のOfficejet 100 Mobileと同じく、標準でWi-Fiに対応しておらず、オプションを追加することで初めてWi-Fiでの印刷が可能になる。はがき印刷に対応しない点も同様だ。ちなみにOfficejet 100 Mobileはバッテリーがオプションだったが、本製品は標準で付属している。
最後に、ここまで紹介したモデルとはやや性格が異なるが、感熱紙に対応したブラザーの「PJ-673」および「PJ-663/623」もモバイルプリンタ製品として紹介しておこう。いずれもA4サイズの印刷に対応するが、インクカートリッジが不要なこともあり、奥行きはわずか55ミリ、さらに重量も充電池を除いて500グラムを切っており、持ち歩きには最適だ。
感熱紙対応、つまりモノクロ印刷ということで用途は限られるほか、実売価格が5万円以上ということでインクジェットタイプのモバイルプリンタに比べて値は張るが、法人ユースであればフィットする場合もあるだろう。各モデルの違いは、PJ-673がWi-Fi対応なのに対してPJ-663/623は非対応、かつPJ-663/623はBluetoothに対応するかどうかで型番が分かれている(PJ-663がBluetooth対応)。
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