Radeon R9 Fury Xの基板を観察してみると、GPUの負荷に応じてLEDの点灯数が変わるLEDインジケータや、従来のハイエンド製品でも搭載しているVGA BIOSを切り換えるTurboスイッチを用意する一方で、CrossFire用のブリッジコネクタがない。
これについて、AMDでデスクトップGPUのマーケティングを統括するデヴォン・ネケチャク氏は、「Radeon R9 Fury X」は、Fijiの特徴をすべて詰め込み、現在成長著しい超小型フォームファクタで、4KゲームやVRの最大限のパフォーマンスを発揮できるように設計している。それと同時に、シングルGPUで最大限のパフォーマンスを引き出せるように電源設計や冷却機構の設計を重視した」とアピールする。あわせて「Radeon R9 Fury Xは、AMDのリファレンスデザインのみを提供する。AIBパートナーのオリジナル製品は計画していない」と説明した。
ネケチャク氏は、「CrossFire対応については、AIBパートナーが独自基板で製品を展開するRadeon R9 Furyでサポートする」とし、「Radeon R9 FuryはFury Xよりも基板が長く、各社独自のクーラーユニットを搭載することになる」として、各ベンダーによってチューニングが大きく異なる可能性を示唆している。
一方、Furyファミリーのエントリーモデルとなる「Radeon R9 Nano」は、カード長を6インチに抑え、Mini ITXフォームファクタのシステムに実装できるデザインを採用する予定だ。TDPは175ワットとされ、PCI Express 外部補助電源コネクタは6ピンのみの実装となる。AMDでGPUアーキテクチャの開発を統括するラジャ・クドリ副社長は、「Nanoでも、Fijiのフル機能となる4096コアを有効にする予定だ。ただし、GPUの熱設計と冷却機構の性能のバランスを取るため、低めのエンジンクロックで動作させることになるだろう」と説明する。
さらにネケチャク氏は2015年の年末に市場投入を計画中のデュアルGPU版の基板を公開している。従来のデュアルGPUモデルより基板が短くなり、2基のPCI Express 外部補助電源8ピンコネクタを搭載していることなどが明らかになっている。
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