隠れた名機か? 13.3型“世界最小”モバイルノートPC――「XPS 13 Graphic Pro」徹底検証(前編)魅惑のアルミ×カーボン×狭額ボディ(3/3 ページ)

» 2015年07月13日 18時45分 公開
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日本語キーボードの完成度も高い

 キーボードは、日本語84キーのアイソレーションデザインを採用。Enterなど右端のキーは少し短く設計されているが、全体的には癖がなく、使い勝手がよい。暗所で役立つキーボードバックライトも備えている。実測した主要キーのキーピッチは18.88ミリ、キーストロークは1.3ミリだった。13型クラスの薄型軽量モバイルノートPCに搭載されたキーボードとしては十分なサイズと言える。

 主要キーのサイズは14.73(横)×14.73(縦)ミリと正方形だ。キーの中央部がくぼんだ先代機のデザインは引き継がず、フラットな形状に仕上げている。アルミブロックから削り出した頑丈なシャシーと、カーボン素材のパームレスト兼キーボードベゼルを組み合わせることで、キーボード底部の基礎は非常に高い剛性を実現しており、キーやシャシーのぐらつきを感じない。多少の個体差はあるだろうが、筆者が近年試したモデルの中では1番の出来栄えと言える。

 タッチパッドは、左右のクリックボタンが一体になったクリックパッド型だ。パッド部は105(横)×60(縦)ミリと広く、マルチタッチでのジェスチャー操作も手狭に感じない。ガラス製なので硬くて曲がったりせず、表面のソフトタッチペイント仕上げが滑らかな手触りを提供している。タッチパッドの解像度は305dpiだ。

XPS 13 キーボードとタッチパッドもよく作り込まれている
XPS 13 キーボードバックライトも内蔵している

CPUは第5世代Core Uを採用、インタフェースも必要十分な構成

 XPS 13 Graphic ProのプリインストールOSは64ビット版のWindows 8.1だ。基本システムには、省電力で低発熱の第5世代Core Uプロセッサを採用する。今回の評価機は2コア/4スレッド対応のCore i5-5200U(2.2GHz/最大2.7GHz)を搭載するが、上位機では2コア/4スレッド対応のCore i7-5500U(2.4GHz/最大3.0GHz)が選択できる。

 GPUはCPUに統合されたIntel HD Graphics 5500を使用する。メモリは8GバイトのDDR3L-RS1600(デュアルチャンネル、スロット空きなし、ただしシステム基板に統合され増設不可)、データストレージは256GバイトのSSD(M.2スロット接続)だ。上位モデルでもデータストレージの容量は変わらない。なお、米Dellでは、メモリ4Gバイト、データストレージ128GバイトSSDといった下位構成が存在するが、日本では未発売だ。

XPS 13 HWiNFO64の情報表示画面。評価機は2コア/4スレッド対応のCore i5-5200U(2.2GHz)、8GバイトDDR3L-RS1600メモリ、256GバイトのSSD(M.2)を搭載している

 通信機能はデルが「Dell Wireless 1560」と呼ぶ、IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANとBluetooth 4.0を標準装備する。HWiNFO64による情報では、「Broadcom 802.11ac Wireless Network Adapter」と表示されていた。

 入出力端子は、USB 3.0を2基(うち1基は、PowerShare機能付きで電源オフ時の充電に対応)、3in1メモリカードリーター(SD/SDHD/SDXC対応)、Mini DisplayPort出力、ヘッドフォン/マイク兼用端子、720p対応のHD Webカメラを液晶画面の左下部に装備するなど、実用十分な内容だ。細かいところだが、カードリーダーは、カード全体を本体内部に格納するタイプではなく、挿入後も5ミリほど出っ張るスタイルだった。

XPS 13 前面はシンプルで、中央にバッテリーライト、左右それぞれにマイクを配置している。バッテリーライトは「白」が充電中、「黄色」がバッテリー不足、「消灯」はフル充電か通電中だ
XPS 13 背面は、ポートやスロットがないスッキリとしたデザインだ
XPS 13 左側面には、ACアダプタ接続用のDC入力、Mini DisplayPort出力、USB 3.0、ヘッドフォン出力、バッテリー充電ステータスボタン、バッテリー充電ステータスライト(5段階)を搭載する
XPS 13 右側面には、3in1メディアカードリーダー(SD/SDHC/SDXC対応)、USB 3.0(本体電源オフ時も充電可能)、セキュリティケーブルスロットを備えている

 以上、XPS 13 Graphic Proのボディデザイン、液晶ディスプレイ、キーボードとタッチパッド、基本スペック、インタフェースを一通りチェックした。近日公開予定のレビュー後編では、パフォーマンスをはじめ、バッテリー駆動時間、動作時の発熱や騒音をテストしていく予定だ。


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