ストレージデバイスの性能を評価するCrystalDiskMarkは、従来バージョンの「3.0.4」と新しいい「4.1.0」を実行した。なお、デバイスマネージャーで確認した評価機材が搭載するストレージデバイスは「Samsung MCG8GC」だった。スコアは「3.0.4」にしても「4.1.0」にしてもPCMark 8のスコアで比較したAtom Z3745搭載タブレットとほぼ同等の値を出している。
グラフィックス、特にゲームにおける描画処理能力を測定する「3DMark」では、最も負荷の軽いIce Stormで「12203」、エントリークラスのノートPCが対象のCloud Gateで「945」、そして、ゲーミングノートPCが対象のSky Diverで「214」となった。これは、グラフィックス処理能力が大幅に向上した“Cherry Trail”世代のAtom x7-Z8700搭載2in1 PCと比べると、Ice Stormで3分の1にとどまっている。
高負荷をかけて動作したときのCPU温度とボディの表面温度は、室温26.5度の状態で、3DMarkのCloud Gateを2回実行したあとに、放射温度計で背面の9カ所を測定し、CPU温度は「HWiNFO32」Sencor StatusのCPU温度最大値からとっている。背面の表面温度は(背面に向かって)左側と中央部は35度以下に保っているが、右側は温度が高く、右側中央部で42.6度と最も高い温度を示した。また、HWiNFO32によるCPUの温度は最高で73度となっている。
Lenovo MIIX 3の性能は、CPUの演算能力にしてもグラフィックスコアの3D描画能力にしてもストレージの転送速度にしても、Miix 2 8やYOGA Tablet 2 8など、「Bay Taril-T世代のAtomを搭載した低価格8型ディスプレイ搭載Windows導入タブレット」と同程度だ。そのため、システムメモリが2GバイトでWindows 8.1 Updateを動かすという“もどかしさ”と、Cherry Trail世代のAtom x5、または、Atom x7シリーズと比べて制約のあるグラフィックス描画能力を受け入れた上で、Lenovo MIIX 3を選択することになる。
MIIX 3に標準で付属するキーボードは、キーピッチとストロークは問題なく、力を入れてタイプしてもキーボードユニットはたわまず、かつ、キーユニットそのものもぐらつかない。有線接続なのでBluetooth接続キーボードのように“不意に不安定”という現象もなく安心して文字入力作業が行える。ポインティングデバイスがクリックボタン一体型の“パット一枚”タイプなので、ややストレスを感じたが、外出中の出先でマウスが使えない場合に使う補助的な役割と考えれば受け入れることができる。
前編でも述べたように、MIIX 3は2in1 PCとして利用場面に合わせてスレートタイプのタブレットやクラムシェルタイプのノートPCと柔軟に使い分けができる一方で、本体とキーボードユニットを合わせた重さは約1049グラム(今回の実測では1053グラム)と1キロをわずかに超える。ノートPCとしては十分軽い部類だが、それでも、同じ10.1ディスプレイ搭載2in1 PCのLet'snote RZ4やクラムシェルスタイル限定ながら13.3型ディスプレイ搭載のLAVIE Hybrid ZERO HZ550など、重さ700グラム台でCore Mシリーズを搭載するモデルが存在する。
Lenovo MIIX 3にアドバンテージを見出すならば、それは、レノボ・ジャパンのWeb通販で6万4584円(税込)という価格になる。参考までに7月22日時点でEクーポン適用後価格5万6188円を台数限定で行っている。
購入価格を10万円以下に抑える代わりに外出時におけるPC利用で処理能力の優先度はそれほど高くなく、それでも、キーボード入力作業を重視した2in1 PCをCherry Trail採用モデルが登場するまで待てないユーザーならば、Lenovo MIIX 3は十分検討に値するモデルとなるはずだ。
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