約2年ぶりとなる新採用のケースは、ボディサイズが165(幅)×420(奥行き)×401(高さ)ミリ、重量は約10.5キロとミニタワーPCではスリムな部類だ。フロントベゼルは、新たにアルミニウム合金を採用し、クロム加工に加えて縦方向にヘアライン処理を施した。前面の各種インタフェースを廃止したほか、光学ドライブを横レイアウトの5.25インチベイから縦配置のウルトラスリムに変更したことで、視覚的にスッキリしてコンパクトになった印象を与える。実際には、春モデル(同810-480jp)との比較で横幅が10ミリ短くなった程度だ。
Phoenix 850で最も特徴的なデザインは、フルカラーLEDによる「LEDイルミネーション」の採用だ。色相を自在にコントロールできる「HP Phoenix Control」によって、4種類のライトモード(単色/カラーショー/CPU温度/CPUの使用率)で自在に設定をアレンジ可能だ。イルミネーションの変化によって、直感的にPCの状況を把握できる。細かいところだが、不要時のために発色“オフ”も用意している。
ケース内部は、マザーボードを上下/左右を逆に配置する「逆倒立」式を採用する。日本HPの個人向けハイエンドデスクトップPCでは、実に7年もの間、リバースデザインを採用し続けている。内部へのアクセスは、本体正面右側のサイドカバーを背面から固定するネジ1本(手回し可)を緩めるだけでいい。もちろん、セキュリティロックケーブル用スロットやパドロックホールも用意しているので、防犯対策で抜かりはない。なお、給気口と排気口がない本体左側面は、壁に接して設置できると日本HPでは説明している。ミニタワーPCの設置スペース確保に重宝しそうだ。
個々のパーツでは、CPU用の水冷ユニットが目を引く。自作PCでも一般的となったヘッドとポンプ一体型のいわゆる簡易水冷ユニットで、9センチ角相当のやや小ぶりなラジエータを組み合わせている。このユニットは、(メーカー保証の対象外とはなるものの)3.8GHzまでのオーバークロックに対応している。静音性や冷却効率については、後ほど検証する。
以上、ENVY Phoenix 850が採用した新デザインのボディと導入したLEDイルミネーションの設定項目、そして、水冷ユニットを内蔵した内部構造について確認した。後編では、ハイスペックパーツが発揮するパフォーマンスと水冷ユニットの“効率”について検証する。
今回レビューしたHP ENVY Phoenix 850-090jp/CTの主な仕様 | |
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製品名 | HP ENVY Phoenix 850-090jp/CT |
メーカー | 日本HP |
OS | 64ビット版Windows 8.1 Update |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 165×420×401ミリ |
重量 | 約10.5キロ |
画面サイズ(液晶方式) | - |
アスペクト比 | - |
タッチパネル | - |
デジタイザ | - |
ディスプレイ解像度 | - |
CPU(コア数/スレッド数) | Core i7-58230K(6/12) |
動作周波数 | 3.30GHz/最大3.60GHz |
チップセット | インテルX99 Express |
vPro | - |
GPU | NVIDIA GeForce GTX960(2Gバイト、GDDR5) |
メモリ | 16Gバイト(PC4-17000/最大32Gバイト) |
メモリスロット(空きスロット数) | 4(2) |
ストレージ(評価機実装) | 128GバイトMLC(サムスン「MZHPU128HCGM-000H1」) |
ストレージフォームファクタ | M.2 |
ストレージ接続インタフェース | PCI-Express |
増設ストレージ2nd(評価機実装) | 1TバイトHDD(SEAGATE「ST1000DM003-1ER162」) |
増設ストレージフォームファクタ2nd | 3.5インチ |
増設ストレージ接続インタフェース2nd | Serial ATA 600 |
光学ドライブ(評価機実装) | DVDディスクドライブ(HP「DVDRAM GUB0N」) |
無線LAN | - |
Bluetooth | - |
NFC | - |
有線LAN | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T準拠 |
ワイヤレスWAN | - |
キーボード | 日本語109A |
キートップ仕様・形状 | アイソレーション/USB |
キーピッチ(実測値) | 19.00(横)×19.00(縦)ミリ |
キーストローク(実測値) | 2.4ミリ |
キーボードバックライト | - |
ポインティングデバイス | マウス |
主なインタフェース | USB 3.0×6、USB 2.0×4、デュアルリンクDVI-I×1、HDMI×1、DisplayPort×3、ライン出力×1、ライン入力×1、マイク入力×1、ヘッドフォン出力マイク入力兼用端子(3.5ミリ)×1 |
メモリカードスロット | SDカードリーダー(SDHC/SDXC対応) |
SIMカードスロット | - |
その他カードスロット | ‐ |
スピーカー(音質補正ソフトウェア) | -(B&O Play) |
マイク | - |
指紋センサー | − |
セキュリティデバイス | − |
セキュリティロックポート | 搭載 |
電源 | 500W ATX電源、Active PFC搭載、80PLUS BRONZE (82%電源変換効率)相当 |
防水/防滴 | - |
カラーバリエーション | マットシルバー |
オフィススイート | − |
発売日 | 2015年7月8日 |
直販価格(税別) | 19万6800円(通常価格) |
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