筆者が難儀したのは、Windows 8.1 Updateを搭載した状態で、Windows 10へのアップグレード予約を行ったSurface 3のほうだった。
筆者がシアトルの空港に到着したのは7月28日の午前10時ごろで、日本では既に7月29日午前2時をまわっており、WebサイトやSNS上では動きの早いユーザーらからアップグレードに関する報告が出回り始めていた。
昼過ぎに目的地のホテルに到着してSurface 3をセットアップし、VPNを使って日本のネットワークに接続したり、タイムゾーンを変更するなど設定を少しいじりながら様子を見ていたが、結局のところ現地時間の7月28日中は何の変化もなかった。地理的に米国にいる以上は、いくら日本にネットワークを接続しようが、アップグレードを先行して利用できるわけではないようだ。
さらに翌日の7月29日になっても、Surface 3には何の変化も現れなかったが、深夜に差し掛かるころ、ようやく「$Windows.~BT」の隠しフォルダが作成されて少しずつダウンロードが行われていく様子を確認できた。
最終的にアップグレード作業に必要なファイルが全てダウンロードされたと判断できる状態(フォルダ容量の表示で5.82Gバイト)に達したのが、隠しフォルダ作成から約8時間後の7月30日午前7時で、そこから同日の午後になっても「Windows 10にアップグレードする準備は整いました」という表示は出現しなかった。
唯一の変化と言えば、ダウンロード中にWindows 10の予約を行うアイコンがタスクトレイに出現したことで、「Windows 10無料アップグレードの予約」が可能になった。奇妙な話だが、筆者はSurface 3の初期セットアップ時点で「予約」を行っているにもかかわらず、アップグレード用ファイルのダウンロードを経て、あらためて「予約」を促してきたのだ。初期セットアップ時点での予約は、大して意味がなかったのだろうか。
Surface 3の件で分かったのは、7月29日に突入した地域から順次アップグレードの提供が始まる……という仕組みを実際に体験できたこと、そしてアップグレードの可否はデバイスによる差が大きく、SurfaceのようなMicrosoft純正デバイスであっても、必ずしも最速で入手できるわけではないということだ。また、必要なファイルのダウンロードが完了してもすぐにアップグレードができるわけではないという現象も確認した。
なお、Microsoftはこうしたアップグレード提供の時間差によって、熱心なユーザーが不満を覚えることを想定してか、非推奨としながらも手動でWindows 10アップグレードが行える「メディア作成ツール」を7月29日に公開した。これを使えば、特定デバイスやアプリの互換性に関係なく、Windows 10に手動でアップグレードが可能だ。
こうしたアップグレード作業にまつわるあれこれや、Windows 10に関する最新情報は引き続き本連載でフォローしていく。まずは手前にあるSurface 3のアップグレードを完了させるところから始めよう。
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