その一方で、NANDフラッシュメモリは、メモリセルにデータを書き込んだり、消去(書き換え)したりする場合、セルの浮遊ゲートにたいして電子の注入と引き抜きを繰り返すことにより、ゲートを構成するトンネル酸化膜が劣化していく。
この構造が、半導体のプロセスルールを微細化しつづけると、書き換え寿命の低下をもたす。これが、さらなるプロセスルールの微細化を難しくしている。このため、フラッシュメモリベンダー各社は、NAND製造に関して、15ナノメートル、または、/16ナノメートルからプロセスルールを微細化することは難しいと考えている。
これに対して、Intelは、3D XPoint Technologyに関しては、継続的に半導体の微細化を継続していくことができると考えている。同社は、最初の3D XPoint Technologyにおけるプロセスルールは、同技術に最適化した20ナノメートルで立ち上げたことを明らかにしている。これは、3D XPoint Technologyでメモリセルの選択に用いるセレクタには「トランジスタではない」素子を採用していることも大きく関係していると考えられる。
また、メモリセルの素材についても、これまでの一般的な抵抗変化メモリとは異なるとしており、素材面の差別化で、競合する次世代不揮発性メモリよりもすぐれた性能を引き出している可能性が高い。
SSDやUSBフラッシュメモリで主流となったNANDフラッシュメモリが、登場して25年が経つ現在において、いよいよ次世代不揮発性メモリへの移行が本格化しつつある。その量産第1弾となるIntel/Micron連合の3D XPoint Technologyが、2016年に、どのような形で製品化され、どのような価格帯に落ち着くのか。多くの関係者が注目している。
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