IoT以外の業界向けソリューションも基調講演でいくつか紹介している。例えば、カメラセンサとプロセッサパワーを組み合わせて、リアルタイムで仮想的な服のフィッティングができるサービスのほか、手のジェスチャーモーションで買い物が可能な自販機などはその典型だ。2015年1月に米ニューヨークで開催していた小売業界向けの展示会「NRF Big Show」ですでに両者ともに展示しているので目新しいものではないが、PC以外の分野でもIntelの技術を活用しているという好例だろう。
7月29日に一般公開したWindows 10との連携にも言及しており、例えば、音声で呼びかけるとWindows 10が起動してCortanaを呼び出したり、ペアリングしたウェアラブル機器を身に付けて近くにいるとサインイン動作を省略できるだけでなく、同時にセキュリティ強化も可能になる仕組みを紹介したりと、Windows 10をより便利に使えるようにするセンサ技術をアピールしている。
また、Windows 10では標準で「Windows Hello」によるバイオメトリクス認証(サインイン)機能を搭載しているが、これとは別にバンド型のデバイスとペアリングしておくことで、このデバイスを身に付けた状態でPCを操作している限り、サインイン動作を省略してすぐにWindows 10の利用が可能になる。
一方で、今回の主役と予想していた「Skylake」の話題はほとんど出ることがなく、基調講演のステージでは最新のハイエンドCPUを用いたゲームのデモを少し紹介しただけだ。ただ、基調講演以外の技術セッションではSkylakeの詳細を何度も解説している(こちらは別途掲載するリポートで詳しくまとめていく予定だ)。
なお、先日発表した「3D XPoint」のメモリ技術についてIDF 2015で紹介している。「NANDより高速で(書き込み)耐久性があり、DRAMよりも容量密度が高い」という点が特徴で、ちょうどDRAMとNANDの中間的なポジションを狙っているようだ。IDF 2015では、具体的な製品化にも言及しており、同技術を採用したストレージは「Optane」の名称で2016年にも登場することになると示唆している。
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