Intelがいま最も訴求したいのはSkylakeじゃない3D Xpointストレージは2016年に登場(2/2 ページ)

» 2015年08月19日 17時05分 公開
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Windows 10とSkylakeの関係にも言及

 IoT以外の業界向けソリューションも基調講演でいくつか紹介している。例えば、カメラセンサとプロセッサパワーを組み合わせて、リアルタイムで仮想的な服のフィッティングができるサービスのほか、手のジェスチャーモーションで買い物が可能な自販機などはその典型だ。2015年1月に米ニューヨークで開催していた小売業界向けの展示会「NRF Big Show」ですでに両者ともに展示しているので目新しいものではないが、PC以外の分野でもIntelの技術を活用しているという好例だろう。

少しずつではあるが、RealSense対応を表明する企業や団体が増えてきており、活用が進んでいる

Razerが動画ストリーミング用のWebカメラにRealSense D技術を採用し、ゲーム画面中にユーザーの顔を切り抜きでリアルタイム表示させたりといったことが可能になった

Intelは最近ゲームプレイのストリーミング配信の市場を積極的に支援しており、例えば「Twitch Con 2015」のスポンサーとしてTwitchとの提携を発表したりと、重点分野の1つになっている(写真=左)。Intelのセンサ技術やプロセッサパワーを使った業界向けソリューションも紹介。Memomiの開発したフィッティングソリューションでは、カメラの前に立って着替えたい服を選択すると、好みの形状や色の服をディスプレイ画面上で試着できるだけでなく、人の動きに合わせて服も形状を変化させて追尾する。すでにNeiman Marcusの複数店舗に導入しており、2015年で20店舗まで拡大予定だという(写真=右)

最近モールや公共交通機関などでよく見かけるタッチパネル式のインテリジェントな自販機。タッチパネル操作だけでなく、3Dカメラによるジェスチャー操作も可能

 7月29日に一般公開したWindows 10との連携にも言及しており、例えば、音声で呼びかけるとWindows 10が起動してCortanaを呼び出したり、ペアリングしたウェアラブル機器を身に付けて近くにいるとサインイン動作を省略できるだけでなく、同時にセキュリティ強化も可能になる仕組みを紹介したりと、Windows 10をより便利に使えるようにするセンサ技術をアピールしている。

 また、Windows 10では標準で「Windows Hello」によるバイオメトリクス認証(サインイン)機能を搭載しているが、これとは別にバンド型のデバイスとペアリングしておくことで、このデバイスを身に付けた状態でPCを操作している限り、サインイン動作を省略してすぐにWindows 10の利用が可能になる。

Windows 10との連携ソリューションも登場。音声でWindows 10を起動してCortanaを呼び出すことも可能だ

 一方で、今回の主役と予想していた「Skylake」の話題はほとんど出ることがなく、基調講演のステージでは最新のハイエンドCPUを用いたゲームのデモを少し紹介しただけだ。ただ、基調講演以外の技術セッションではSkylakeの詳細を何度も解説している(こちらは別途掲載するリポートで詳しくまとめていく予定だ)。

基調講演で唯一「Skylake」こと第6世代Coreプロセッサー・ファミリーに関する話題が、すでにリリースしているSkylake-Kと4Kディスプレイ3面を組み合わせて12Kによるレースゲームのデモだった

 なお、先日発表した「3D XPoint」のメモリ技術についてIDF 2015で紹介している。「NANDより高速で(書き込み)耐久性があり、DRAMよりも容量密度が高い」という点が特徴で、ちょうどDRAMとNANDの中間的なポジションを狙っているようだ。IDF 2015では、具体的な製品化にも言及しており、同技術を採用したストレージは「Optane」の名称で2016年にも登場することになると示唆している。

「3D XPoint」のメモリ技術を紹介。不揮発性メモリでNANDとDRAMの中間的なポジションを狙っているとみられるが、NANDと比較して1000倍高速で(書き込み)耐久性があり、DRAMと比較して10倍高密度化が可能だという。同技術をベースにしたストレージは「Optane」の名称で2016年にも登場見込み。デモ機を使った実測結果を示し、「すべてはリアルのデモ」と強調するクルザニッチ氏

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