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思わぬ差が出る「ドキュメントスキャナ」選びのポイントSOHO/中小企業に効く「ドキュメントスキャナ」の選び方(第2回)(2/2 ページ)

» 2015年08月25日 08時30分 公開
[山口真弘ITmedia]
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意外に差が出るこんなポイント

 ここまでドキュメントスキャナを選ぶ際の基本的なポイントを見てきたが、ことドキュメントスキャナという製品は、メーカーが違うと思いもかけなかった挙動の違いがある場合も少なくない。

 以下に挙げる点はメーカー間で挙動の違いが現れやすいポイントなので、もし用途によって致命的なマイナスになりうる点があれば、サポート窓口に問い合わせたり、ネット上のレビューで言及されていないかを確かめるなど、購入前の確認をおすすめする。

読み取りが中断した後の挙動

 連続スキャン中に紙詰まりなどのエラーが発生して読み取りが中断した際、それまでに読み取ったデータをどのように扱うかは、製品によってかなりの差異がある。

 データを無条件で削除して最初からやり直しを求める製品はさすがに影を潜めるようになったが、中断した時点でいったんPDFを保存し、再開後にスキャンしたデータは別ファイルとして保存する製品はいまだに多い。書類の途中でPDFが分割されてしまうと後から結合する手間も増えるため、中断があった場合も分割されずに1つのファイルとして保存できる製品が望ましい。

スマートデバイスからスキャンする際の機能制限

 個人/SOHO向けでは、PCを経由せずにスマートフォンやタブレットなどスマートデバイスから直接読み取りが行えるドキュメントスキャナが増えている。

 もっとも、単にスマートデバイスからスキャンが行えるというだけで、対応サイズやカラーモード、ファイル形式、解像度などに制限がある場合がほとんどだ。補正も基本的な機能だけに限定されるほか、PCからのスキャンに比べると読み取り速度が著しく遅い場合もあるので、スマートデバイスを中心に使うのであれば、制限の詳細はチェックしておいたほうがよいだろう。

スマートデバイスからの利用を想定しているならば、あらかじめPCからのスキャンに比べてどのような制限があるのか確認しておきたい。写真のスキャナはPFUのScanSnap iX500だ

特定条件下での機能制限

 PCで利用する場合も、特定の解像度やカラーモードでは一部の補正機能が利用できなくなる場合が多い。一般的な読み取り設定ではまず問題ないが、解像度を最高レベルに固定して使うなど、あまり一般的でない読み取り設定で使うことが前提であれば、何らかの制約がないか、事前にチェックしておくことをおすすめする。メーカーサイトからダウンロードできる取扱説明書も役に立つだろう。

 ちなみにこうした特定条件下での制限は、速度面などが実用的でないため、あえて利用不可としている場合もあれば、実用的でなくても取りあえず利用できるようにしている場合もあるなど、メーカーの考え方が現れやすい部分だ。

 ほとんどのメーカーが利用不可としているのに1社だけが利用可能という場合は、例えば速度面などで著しく不利になるといった“副作用”の存在がないかどうか、疑ってかかるくらいの慎重さは欲しいところだ。

スキャン時の背景色

 ほぼ全てのドキュメントスキャナには斜行を補正する機能が用意されており、斜めに読み取られても真っすぐになるよう調節してくれる。しかし実際には完全に真っすぐにならず、上下左右のどこかに読み取り時の背景が見えることもしばしばだ。原稿そのものが若干斜めにカットされている場合も同様である。

 こうしたすき間があった場合の背景は、「白」に設定されている場合と「黒」に設定されている場合があり、メーカーによっても、また製品によっても異なる(ユーティリティで白か黒かを切り替えられる場合もある)。どちらが好みかは人によっても異なるが、スキャンデータを並べた場合、背景色が違っているのは意外に目立つポイントなので、チェックしておくのに越したことはない。

原稿のサイズ混在時の制限

 多くのドキュメントスキャナは異なるサイズの原稿を重ねてスキャンできるが、中にはA4タテとA5ヨコなど、幅がそろっている場合のみ混在が可能で、それ以外はNGというケースもある。また幅が異なる原稿を混在してスキャンできる場合でも、必ず中央ぞろえでセットしなくてはいけない製品もある。

 例えばA4サイズの社内文書と、B7サイズの手書き伝票が交互に重なった書類の束がある場合、前者は1枚ずつスキャンしなくてはならず、後者の場合も中央にそろえるのに大変な手間がかかる。サイズの混在そのものがNGという製品もあるので、製品ページの仕様欄の注釈などをきちんとチェックするようにしたい。

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