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» 2015年09月01日 11時41分 UPDATE

競合最安値の新鋭プリンタ:A3ノビ対応で2万円を切る「HP Officejet 7510」の“戦略的費用対効果”を検証する (1/4)

世界市場トップのHP Inc.が日本市場における起死回生を目指して投入する新モデルは、コストを抑えつつ多彩な機能を導入した。その使い勝手を試してみた。

[フォレスト・ヒーロー,ITmedia]
ココが「○」
・A3複合機で直販価格1万9800円
・全4色顔料インク採用
・250枚収納給紙トレイと35枚対応ADF
ココが「×」
・本体サイズが少し大きめ
・プリント速度が少し遅め
・スキャナはA4サイズまで

苦戦する日本プリンタ市場に戦略的増援を投入

 8月20日、日本HPがA3対応のビジネス向けインクジェット複合機「HP Officejet 7510」(G3J47A#ABJ)を発売した。Officejetシリーズのエントリーモデルで、同社Web直販サイト「HP Directplus」価格は1万9800円(税別)だ。新たに全4色顔料インクを採用、画質と耐水性を高めながらも価格を抑えた。

kn_oj7510_01.jpg A3ノビ出力に対応して2万円を切る「HP Officejet 7510」

 ハードコピーペリフェラル(プリンター/複合機/コピー機など)市場における出荷実績でHPのシェアは約40%と、キヤノンやエプソン、ブラザーといった競合を抑えて世界シェア1位(IDC Worldwide Quarterly Hardcopy Peripherals Tracker, May 2015)、プリンタ事業はHP Inc.の売上で年間2兆円を超えるコアビジネスとなっている。

 一方、日本国内の市場に目を向けると、インクジェット製品のベンダー別シェアでは、HPは4位(6.4%)にとどまる。日本市場では、エプソン(46.4%)、キヤノン(34.7%)、ブラザー(11.3%)といった競合の後を追いかける展開だ。また、国内インクジェット製品の市場規模は、2015年第1四半期(1〜3月期)の実績で86万9000台(前年比24.9%減)、うち8割を占める主戦場の複合機は70万3000台(前年比27.1%減)と厳しい状況にある(2015年第1四半期、IDC Japan, 6/2015)。

 日本HPでA3の印刷可能なビジネスインクジェット複合機は11機種中、3機種(※2015年8月時点。HP Officejet 7510のほかは、2010年発売のHP Officejet 7500A、2013年発売のHP Officejet 7612)。設計図/CAD用途もターゲットとして、世界シェア1位の製品開発と調達力を背景に、日本HPの国内シェア拡大のために投入した戦略的なモデルといえる。

タッチパネルの操作体系は継承

 HP Officejet7510の本体色はブラックのみで、これまでのHP Officejetシリーズで取り入れてきた全体的に丸みを帯びた形状を引き続き採用した。操作パネルには、2.65型カラーLCDタッチスクリーンを備えて直感的な操作ができる。

 基本構造は、フラットヘッドスキャナの上に、オートドキュメントフィーダ(ADF)付きの天板を搭載するオーソドックスなレイアウトだ。普通紙250枚のメイン給紙トレイ、最大75枚の排紙トレイを備えた、前面給排紙方式で、ADFは最大35枚、A4、レターサイズまでの原稿に対応する。

 本体サイズは、613(幅)×483(奥行き)×287(高さ)ミリ、重量は13.02キロ。A3ノビまでの印刷に対応しているのでサイズが大きくなるのはいたしかたないが、同じくA3対応のエプソンビジネスインクジェット「PX-1700」やブラザープリビオワークス「MFC-J4720N」「MFC-J6570CDW」は、本体幅が、それぞれ559ミリ、480ミリ、553ミリと、いずれも600ミリを切ってきている。個人事務所やSOHOなど、スペースに制約があるオフィスでは、機材のコンパクト化も購入する機材の選択で重要な要素になる。

kn_oj7510_06.jpg 正面

kn_oj7510_07.jpg 背面

kn_oj7510_08.jpg 左側面。排紙トレイを最大に引き出した状態

kn_oj7510_09.jpg 右側面。排紙トレイを収納した状態
HP Directplus -HP公式オンラインストア-

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