ブランド名が大文字から小文字になった「arrows」。arrowsは、2011年冬のブランド立ち上げ時から指紋認証対応モデルを用意している(※)。2015年夏モデルの「ARROWS NX F-04G」では、世界で初めてスマホに虹彩認証機能を搭載した。
※「REGZA Phone T-01D」が初対応モデル。T-01D以降のREGZA Phoneは、ARROWSのサブブランドという扱いである
2015年の秋冬モデルでは、NTTドコモから発売される「arrows NX F-02H」には虹彩認証を、同じくドコモから発売される「arrows Fit F-01H」と富士通がSIMロックフリータブレットとして発売する「arrows Tab M01T」には指紋認証を、それぞれ搭載する。
F-02Hの虹彩認証「Iris Passport」は、最短0.6秒の高速認証と、他者受け入れ率が約10万分の1という(個人向けとしては)強固なセキュリティの両立が特徴だ。
これを聞いて「あれ、F-04Gと変わらないではないか」と思った人、正解である。F-02HのIris Passportは、ハードウェア・ソフトウェアそのものはF-02Gと同一なのだ。ただし、赤外線カメラを受話スピーカーに近付けたことによって、「目線が外れることによる認証の失敗率が下がった」(説明員)。また、「赤外線カメラの場所移動とは直接の関係はない」(同)ものの、インカメラが本体下部に移動したため、自撮りのときに誤って赤外線カメラを見てしまうことがある“トラブル”(参考記事)も解決している。
arrows Fit F-01Hとarrows Tab M01Tの「スマート指紋センサー」は、スリープ(解除)キーと指紋センサーを一体化していて、押し込んでから下方向にセンサーをなぞるとロック解除ができる仕組みだ。
Android 6.0で指紋認証が標準サポートされたこともあり、指紋認証対応のAndroid端末は増加傾向にある。その多くは、センサーに指を置くだけで認証ができるタイプだが、F-01HとM01Tは従来どおりのなぞるタイプだ。
ユーザーからしてみると、置くだけの方が余計な動きもなく快適に思えるが、富士通がなぞるタイプにこだわるのは、「指をなぞることによって、取得する指紋の面積が増え、セキュリティがより強固になる」(説明員)からである。ここにも、セキュリティと利便性のバランスを重視する富士通の姿勢が垣間見える。
発表会場の一角には、富士通の生体認証技術の“マイルストーン”も展示されていた。昔から生体認証付きのPC・携帯電話を好んで買っている筆者にとっては、感涙を禁じ得ない光景であった。
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