レビューを始める前から、Apple TVならではの新しさとは何か? が気になっていた。その答えを教えてくれたのが冒頭で挙げた「Airbnb」のアプリだ。
この「Airbnb」や「GILT」(まだ国内サービスには非対応)の2本のアプリは、まるで写真がきれいな雑誌をテレビの画面で楽しんでいるような新しい感覚がある(動画参照)。
パソコンのWebブラウザでのショッピングは、検索キーワードを入力すると該当商品と小さなサムネイル写真がズラーっとたくさん並んで合理的ではあるけれど、あまり見た目がきれいではないし、心もウキウキしてこない。
しかし、きれいな写真がテレビの大画面いっぱいに表示される「Airbnb」や「GILT」のアプリだと、なんだか写真をめくっているだけで楽しくて、家族や友達とソファで会話をしながらいつまでも見続けてしまう。そしてついつい余計な買い物までしてしまいそうになる。
もし将来、良い商品だけを厳選したセレクトショップや百貨店がインターネット販売に本腰を入れるとしたら、Webブラウザの検索方式よりも、絶対にApple TV方式の方が夢もあれば未来もありそうだ。
ハイビジョンの大画面いっぱいの美しい映像コンテンツ、それを誰かと一緒にソファの上から長時間楽しむ、これぞiPhoneでもない、iPadでもない、テレビならではの魅力だろう。今回、Apple TVの一部のコンテンツが、そのことを改めて教えてくれた。
Apple TVならではの新しいテレビの楽しみ方を教えてくれるアプリは商業的なアプリばかりではない。もう1つ可能性を感じたのが幼児教育用のアプリだ。
特に「Star walk for kids 」というアプリはお勧めだ。星座が楽しめるアプリなのだが、リモコンの「Touchサーフェース」をなで回すと、それに合わせて本当になめらかに星空が動き回るのだ。
気になる星座を見つけて詳細を見たり、テレビの前で親子で星空について語り合うことができるアプリなのだが、Apple TVの操作に対する反応の良さ、ゲームだと、反応が良くて当たり前と感じてしまう部分があって、こうしたアプリのほうがかえって追従性の良さを実感できる。
Apple TVのApp Storeにはほかにも「Madefire」というちょっとだけ動きがついた絵本(マンガに近い)があったりと、親と子供で一緒に大画面を覗き込んで楽しみながら学べるアプリというのも新Apple TVの主力コンテンツになりそうだ。
初代iPad登場時にディズニーが出した「Toy Story」のインタラクティブ絵本なども、今後Apple TVに対応したら、ただ受動的に見るだけの映画と違って幼児が字を覚えたり、塗り絵などを通して創造性を育くむことだろう。
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