パフォーマンスをギュッと凝縮した万能型ハイエンドミニタワーPC「HP ENVY 750-180jp/CT」の性能を徹底検証仕事から遊びまで(3/3 ページ)

» 2015年10月31日 13時00分 公開
[石川ひさよしITmedia]
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冷却や静音性もバッチリ。出力にも不安なし

 続いて、実運用時の温度や動作音、消費電力を確認しておこう。今回の計測条件は、室温が22.1度、テスト時の暗騒音が30デシベル以下(カスタム製騒音計SL-1370の計測限界以下)で、温度計測にはHWMonitor 1.28を使用、消費電力計測にはWatt's Up Proを使用した。

 まず温度に関しては、OS起動後10分間放置し、その上でCINEBENCH R15と3DMark(FireStrike Ultra)を実行している。HWMonitorを見ると、CPUパッケージでは、最低が31度、最大が65度となった。CPU温度に関しては60度台なので全く問題ない範囲だ。9センチ角の小型ラジエータではあるが、しっかり冷却できている。GPU温度は最小33度、最大84度となった。80度を超えているので、GPU Boostに関しては若干クロックキャップが掛かっていると考えられるが、危険域までは達していない。リファレンスクーラー採用モデルであることを考慮すれば、妥当な値と考えられる。

CINEBENCH R15と3DMarkFireStrike Ultra CINEBENCH R15と3DMarkFireStrike Ultraによる温度計測

 動作音に関しては、ケース上部前方20センチの位置で計測したので、机の下に配置した際には計測値よりも低くなると思われる。また、机の上に置いても、20センチとなるとやや近いので、体感と数値はあまりリンクしない。このくらい近くなければ音を拾えなかったと言えば理解いただけるだろうか。

 数値だが、アイドル時が最小34.4デシベル、CINEBENCH R15時が最大35.2デシベル、3DMark時が最大36.1デシベルだった。もちろん動作音としては聞こえてくるが、耳障りというほどではない。アイドル時は極めて静かだ。

 3DMark時が最も高いのはグラフィックスカードのクーラーのためだが、それでも不快というほどではない。HP ENVY 750のケースは、右側面に吸気口を持つ比較的通気性のよいデザインだが、内部の音をうまく閉じ込めているように感じる。これは、側面パネルを開けてみると分かりやすかった。

 なお、パーツ特性上、起動時はファン回転数が高く若干耳障りだが、OSが起動する頃には収まる。また、ポンプ始動により泡をかき分けて液体の流れる音もするが、これは水冷ゆえのこと。こちらもOSが起動するころには収まっていた。

 最後に消費電力だ。こちらも同じ条件で計測している。結果は、アイドル時が49.5ワット、CINEBENCH R15時が132.2ワット、3DMark時が367.8ワットだった。3DMark時では500ワットの出力に対し73%ほどの負荷となるので、変換効率面を考えるともう少し高出力の電源を組み合わせてもよい印象だが、出力的には間に合っている。

 評価機が2台のHDDを追加搭載していることも影響していると考えられるが、逆に最上位に近い構成でもこの程度におさまるので、標準構成で購入後にいろいろとパーツを拡張したとしても、カバーできるだろう。

幅広い用途に応える万能機

 HP ENVY 750は、最新世代のパフォーマンスをコンパクトなボディで実現するPCだ。ハイエンドに位置付けられるだけあって、パーツ単位で見てもハイエンドと呼べるスペックを持つ。そして、CPU処理中心となる2Dベースの用途ならローエンドグラフィックスカードを、3Dゲームや映像編集、レンダリングなどの処理も行うならハイエンドグラフィックスカードといった具合で、幅広い用途に対応できる。

前面パネル 前面パネルを取り外したところ

 拡張性という点では、完成されたPC、とくに独自のケースやマザーボードを用いた製品では省かれることもある最新パーツ、最新インタフェースにもしっかり対応している。80PLUS Bronze電源やM.2スロットなどがその例だ。長期的な使用において、常にパフォーマンスを引き上げていきたいというニーズへのベースPCとして最適といえるだろう

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