さて、前回紹介したA4対応モデルはいずれもデスクトップ上に設置する据置タイプだが、A4対応モデルではそのほかにも、ポータブルタイプとでも呼ぶべきラインアップが存在する。
トレイを折りたたむことでコンパクトに収納できるこれらの製品は、可搬性に優れることから、持ち歩いての利用はもちろん、仮設事務所やイベント会場などへの一時的な設置に向く。引き出しに収納するのも容易なので、スキャナの利用頻度が高くなく、デスクトップ上をつねに占拠されているのは嫌という場合には、据置型の代替としても候補になるはずだ。
PFU「ScanSnap S1300i」は、収納状態で高さが77ミリというポータブルスキャナだ。読み取り速度は毎分6枚、同時セット可能枚数は10枚と据置タイプには劣るが、コンパクトな本体で持ち歩いての利用に適しており、ACアダプタでの駆動のほかUSBバスパワーでの駆動に対応する。
ただし製品の世代はやや古く、無線接続には対応しないほか、同時セット可能枚数が10枚というのは、このクラスの製品としてはやや心もとない。また同社製品ではおなじみのキャリアシートは利用できず、A3の読み取りには非対応だ。
キヤノン「DR-P215II」は、収納状態では高さわずか40ミリを実現し、引き出しなどに容易に収納できるのはもちろん、バッグの中に入れて持ち歩くモバイルユースにも適したポータブルスキャナだ。
読み取り速度は毎分6枚、同時セット可能枚数は20枚で、このクラスとしては平均的。本体にドライバを内蔵しており、外出先や客先で借用したノートPCであっても、USBで接続するだけで、スキャナの本体に内蔵されたドライバからソフトをインストールして利用できるのは、他社の製品にないメリットだ。USBバスパワーでの駆動にも対応する。なお、無線での利用はオプションのWi-Fiユニットが必要になる点は注意したい。
ブラザー「ADS-1500W」は、無線接続に対応したポータブルスキャナだ。本体にタッチパネルを搭載し、保存先などをスキャナ側で選択できるほか、ネットワーク経由のデータ転送にも対応。読み取り速度は毎分18枚、同時セット可能枚数は20枚と、このクラスとしては余裕がある。
PCを接続せずに本体のUSBポートに差し込んだUSBメモリに直接データを保存する機能も備える。ただし収納状態での高さは84ミリとやや大きく、USB給電での駆動には非対応。タッチパネルを省略し、読み取り速度を毎分16枚に落とした「ADS-1000W」もラインアップする。
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