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「VAIO S11」発表――SIMフリーLTEに最適化した11.6型モバイルノートPCPC向けの独自SIMプランも用意(2/3 ページ)

» 2015年12月09日 09時00分 公開
[前橋豪ITmedia]

ビジネス向けに高い剛性も確保

 本体サイズは約284.0(幅)×190.4(奥行き)×16.4〜19.1(高さ)ミリ、重量は約920〜940グラムだ(選択する構成による)。バッテリー駆動時間はJEITA測定法2.0で約15時間、独自測定法によるLTE接続時のバッテリー駆動時間は8時間以上としている。

コンパクトサイズ 浅めのトートバッグやハンドバッグにも収納しやすいコンパクトボディ

 カラーバリエーションはブラック、ホワイト、シルバーの3種類から選択可能。樹脂製のボディは多層塗装で深い色合いにこだわりつつ、本体全面にUVコーティングを施すことで傷がつきにくい表面に仕上げた。また、摩耗や手の脂によるテカリが気になるキートップは、専用に開発したフッ素含有UV硬化性塗装により汚れや指紋が付きにくくしている。従来の塗装に比べて、付着した皮脂(指紋)も拭き取りやすくなった。

カラバリ ブラック、ホワイト、シルバーのカラーバリエーションを用意。全色で下地塗装の上にカラー塗装とUVコーティングを行っており、ホワイトとシルバーのカラーは下地塗装の上にもう1層カラー塗装を重ねることで、ボディの色をしっかり出している
旧キーボードのテカリ新キーボードはテカリなし 従来のキーボード(写真=左)とVAIO S11の新しいキーボード(写真=右)。専用に開発したフッ素含有UV硬化性塗装により、汚れや指紋を付きにくくした

 ビジネスシーンでの要望に応えた堅牢設計は、13.3型タフモバイルノートPC「VAIO Pro 13 | mk2」譲りだ。上下左右にバランスよくネジを配置し、液晶ディスプレイ上部のラバーを一体成形するなどしてセット全体で剛性を高めており、パームレストを片手で握って持ち上げた際のたわみも抑えた。

 品質試験については、150kgf(重量キログラム)の加圧振動、90センチからの落下、角衝撃、本体ひねり、ペン挟み、液晶ディスプレイ加圧、液晶ディスプレイ開閉耐久といったPro 13 | mk2同等の内容をクリアしている。

 ボディの設計は、13.3型ハイエンドモバイルノートPC「VAIO Z」の開発で培った技術も盛り込んだ。キーボードはVAIO Z同様、パンタグラフ式の各キーにプラスチック製の取り付けベースを採用し、押下時の干渉音を抑制しつつ、各部品の勘合時に生じるガタツキを極限まで排除することで、静音性を高めている。

 このキーボードユニットは、強化ブラスチックのボディに多数のネジで周囲と中央が固定され、それでも剛性が足りないキーボード上部の6カ所にはサポート部品を追加し、剛性が高くたわみのない心地よい入力環境を追求した。

 ポインティングデバイスは、スムーズなジェスチャー操作に対応するWindowsの「高精度タッチパッド」仕様準拠のタッチパッドを新たに搭載。手のひらで不意にタッチパッドを触ってしまっても反応しない「誤動作防止機能」が大幅に進化し、誤操作を1/10に減少したという。

キーボード VAIO Zで採用した静音キーボードを搭載。タッチパッドはパームチェックの精度を向上した

第6世代Core、PCIe SSD、Thunderbolt 3/USB 3.1 Type-Cを採用

 性能面では、VAIOとしては初めてCPUに最新の第6世代Core i3/i5/i7(開発コード名:Skylake)を採用。TDP(熱設計電力)が15ワットで薄型ノートPC向けのUプロセッサを搭載し、VAIO Zの「Z Engine」テクノロジーを受け継ぐ放熱設計により、長時間負荷をかけ続けても性能が落ちない冷却性能を実現したという。従来の11.6型モデル「VAIO Pro 11」と比較して、冷却ファンのサイズを大型化し、約2倍の排熱量を確保した。

 ストレージは、256GB/512GBでPCI Express 3.0 x4対応のM.2型SSD(同社は第2世代High speed SSDと呼ぶ高速タイプ)を選択可能(NVM Express対応ではない)。同社によるCrystalDiskMark 5の測定値では、Core i7とPCIe SSDの構成でシーケンシャルリード1644MB/秒、シーケンシャルライト1571MB/秒を記録している。128GBはSerial ATA 6Gbps対応のM.2型SSDだ。

内部構造 VAIO S11の開発用スケルトンモデル。VAIO Zの「Z Engine」テクノロジーを受け継ぐ放熱設計を採用する
新旧メインボード 上がVAIO Pro 11のメインボード、下がVAIO S11のメインボード。ファンのサイズを53(幅)×50(奥行き)×4(高さ)ミリから55(幅)×50.5(奥行き)×5.5(高さ)ミリに大型化し、約2倍の排熱量を確保した。また、CPUやメモリの動作がLTEの受信感度に影響しないよう、CPUとメモリをシールドで覆っている

 11.6型ワイド液晶ディスプレイは1920×1080ピクセル(フルHD)表示に対応。sRGBカバー率97%と色域が広く、高輝度なIPS液晶パネルを採用した。タッチパネルは非搭載だ。表面には、照明の映り込みを低減し、画面が白くなりにくい独自の低反射コーティングを施している。

 液晶ディスプレイを開くと、接地した天板がスタンド代わりとなって本体後方が持ち上がり、アナログRGBや有線LANケーブルと設置面の干渉を防ぎつつ、パームレストが緩やかに傾斜してキーボードが入力しやすくなる「Housing Displayチルト機構」は従来機譲りだ。ヒンジ部は閉じた状態から開きやすいよう、カム機構の最適化でヒンジトルクの設定値を最適化している

 インタフェース類は、有線LAN、アナログRGB(D-Sub)、フルサイズのSDメモリーカード(SDXC/UHS-II対応)など日本のビジネスシーンに必要なレガシーポートにこだわって装備した。一方で、Thunderbolt 3(最大40Gbps)兼用のUSB 3.1 Type-C(最大10Gbps)という先進的なインタフェースも備えている(USB Power Deliveryは非対応)。

 そのほか、2基のUSB 3.0(1基は電源オフ給電機能付き)、ヘッドフォン出力、92万画素のHD Webカメラ、TPMセキュリティチップ(TCG 1.2準拠)、プレゼンを想定した大容量ステレオスピーカー(Pro 11より3デシベル大音量化)、モノラルマイクを搭載する。

左側面 ボディ左側面にはヘッドフォン出力、USB 3.0、ACアダプタ接続用のDC入力、排気口を配置。ACアダプタは既存のVAIO Proシリーズのものを継承している
右側面 ボディ右側面にはSDメモリーカードスロット、USB 3.0、Thunderbolt 3兼用USB 3.1 Type-C、有線LAN、アナログRGB出力が並ぶ

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