ボディデザインは洗練されている。板を2枚重ねたように見えるVAIO Zのデザインアイデンティティーを引き継ぎつつ、シンプルですっきりとしたフォルムにまとめた。
評価機はホワイトモデルで、トップカバーとパームレスト/キーボードベゼルにホワイトを採用しているが、アイボリーのようなホワイトではなく、純度の高いすっきりとしたホワイトにきめの細かいラメを入れた派手すぎない華やかなカラーが印象的だ。
ボディの表面にはUVコーティングを施し、日常使用でのこすれなどで傷がつきにくい配慮がされていて、実際に触った印象もベトつきがなく、とてもよい。このホワイトの塗装は、強化プラスチック素材に下地塗装をしたうえでカラー塗装を行い、さらにUVカラー塗装を重ねる多層コーティングにより実現した。これはシルバーモデルでも同様で、ブラックモデルのみは1層できれいなブラックが出るためカラー層が1層少ない。
本体の剛性についても、VAIO Pro 13 | mk2同等の厳しい品質試験を行い、VAIO Pro 11から大きく強化した。その内容は、150kgf(重量キログラム)の加圧振動、90センチからの落下、角衝撃、本体ひねり、液晶ディスプレイを閉じる際のペン挟み、液晶ディスプレイ加圧、液晶ディスプレイ開閉耐久、環境保存・動作など多岐にわたる過酷なものだ。パームレストの手前部分だけをつかんで保持した際のたわみも大きく低減されている。
筆者はVAIO Pro 11のユーザーでもあるが、剛性の進化は確かに感じる。VAIO Pro 11も端のほうはかなり補強されていて、ある程度クッション製があるバッグならむき出しで収納しても特に不安はないのだが、中央付近を意識して押し込むと少し不安なきしみを感じるところがある。新モデルでは端から中央部まで、どこを押し込んでもそういう不安がなく、液晶ディスプレイを開いた状態でもやはり高い剛性感が得られる。
あえて重箱の隅をつつくような指摘をすると、液晶ディスプレイを開いてフレームの端のほうだけを持って動かすと、やや不安なきしみを感じた。もっとも、少々乱暴に扱うくらいであれば、まず問題ないレベルにあると言える。
ボディの素材は無線通信、特にLTEの受信感度を最適化するため、全て強化プラスチックを採用している。一部をプラスチックにするより、デザインやレイアウトの制約を受けずに設計でき、実際に同社の受信感度テストでは良好な結果が得られたという。
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